鳥の飛びかた
たいていの鳥は、翼を広げてよく飛ぶことができます。
そしてその飛びかたには、二種類あります。
1つは、翼を広げて空中を滑るように飛ぶ方法でタカ・トビ・カモメなどに見られます。
これは、グライダーが滑空するのと同じ原理で気流にうまくのっているのです。
鳥は、翼の形や向きをかえて、ほとんど水平に滑空しますし、また、上昇気流に入って、そのままで高いところにのぼっていくこともできます。
もう1つの飛びかたは、翼を上下に羽ばたいて空気を打ちながら飛ぶ方法です。
図のように、まず、体の上方にあげた翼を水平になるまで強く打ちおろします。
それから水平になった翼を水平のまま前方にむけ、ひじの部分だけを体の上方にあげます。
つぎに、翼の先のほうを激しくうしろ上の方向に打ち上げて翼を体の上方にまっすぐにたてます。
これらの動作をたえず繰り返して上昇する力や前進する力をつくりだすのです。
伝書鳩の行動
連絡用に使う伝書鳩は、まず、ハ卜を飼っている小屋から近いところではなし、ハ卜がかえってきたらえさをやるようにして、そのうちだんだんと遠いところからはなして訓練します。
ハ卜が、自分の住んでいる小屋のあたりの様子を見分けていることは霧や雲の中では、小屋に帰れないことからもわかります。
ラジオ放送局の近くではハ卜は道に迷ってしまうということを言っている人もありハ卜は地球の磁場を応用したり、短波を利用したりして巣にかえるのだろうと考える人もあります。
ひなの行動
ひなは、たまごの中にいるときから、たまごの外からの刺激に反応します。
殻を破るまえにピイピイと鳴きますが、1ぴきが鳴きはじめると隣りのたまごの中でも、いっしょに鳴きはじめます。
このとき、ひなはたまごの中で活発に動いています。
外で大きな音を立てると、たまごの中のひなは急に鳴くのをやめて動かなくなります。
もうすでに、身をまもる反応ができているのです。
たまごからでると、このときはもう、くちばしの中に入ったものを飲み込む運動や敵から身をまもる行動や、歩いたり走ったりする運動ができます。
小さいものを見ると、それをつついて食べる反応もあらわれてきます。
ひなは、最初穀物の粒、木のかけら、細かいごみ、自分の足の指など手あたりしだいについばみます。
はじめのうちは上手くいきませんが、何回も繰り返しているうちに食べられるえさを間違いなくとれるようになります。
親鳥が嫌って食べない毛のはえたガの幼虫をひなは捕まえて食べようとしますが、すぐに吐き出し足でくちばしをふくような行動をします。
そして、ふたたびこの毛のはえた虫を食べようとはしなくなります。
また、食べられるチョウの幼虫のそばを歩いていても、すぐには食べようとしません。
ほかのひなが、この幼虫をついばんで食べてしまうのを見てから食べるようになります。
このようにして、ひなは試行錯誤やものまねによる学習によって食べられるものと食べられないものとをだんだんと区別できるようになっていきます。
ひなは、頭の上を横ぎるいろいろなものに対し身をかがめて体を隠すような行動をとります。
木の葉でも、鳥の姿でも、どんなものに対しても最初は身をかがめますが、そのうちなれてきて害をあたえないものであることがわかると、身をかがめなくなります。