しゅう曲
地層が地殻の変動のために、押し縮められて波のような形に曲がっている状態をしゅう曲といいます。
しゅう曲の高い部分を背斜、低い部分を向斜と呼びます。
しゅう曲には、そこにはたらいた圧力の強さや方向、岩石の性質などによって、いろいろな型があります。
しゅう曲の種類
もっとも簡単なしゅう曲の型は、折れ曲がった波の左右の形が対称的なものです。
これを正しゅう曲、または、対称しゅう曲とよびます。
しかし、実際には、このようなしゅう曲はまれで多くの場合、波の形に傾いていて、左右が対称的ではありません。
このような型を傾斜しゅう曲と呼びます。
しゅう曲の程度が進むと、波の形がさらに傾いて、ほぼ水平にねてしまいます。これを横がしゅう曲とよびます。
このような、激しいしゅう曲運動がおこなわれると横にあった地層が、上におおいかぶさってしまいます。
このような構造をおしかぶせといいます。
ヨーロッパのアルプス山脈は、このようにしてできたものと考えられています。
しゅう曲の調べかた
しゅう曲の大きさにも、いろいろな規模のものがあります。
1つの崖で、地層がしゅう曲しているのを観察できる場合には誰にでもわかりますが、これはごく小さなものです。
大きなしゅう曲は、たくさんの崖やきりわりをみつけて広い範囲をつなぎあわせてみなければなりません。
そのためには、それぞれの地層について地層の特徴や走向・傾斜を正確に調べて、ほかの地層との続き具合を考えます。
このようにして、広い範囲の地層をつないでみると、大規模なしゅう曲がわかります。
また、このしゅう曲を調べることによってこの地域の地殻の変動様子を知ることができます。