土の成分
土は固体・液体(水分)、気体(空気)からなりそのわりあいは、ふつう、4、3、3ぐらいです。
もちろんこの割合は、土の種類によって違います。
ねん土の多い土では気体が少なく、砂の多い土では、気体が多くなります。
火山灰土は、固体がずっと少なくなりますが、その固体の多くは、腐植です。
固体の成分は、れき(小石)・砂・粘土・腐植です。
腐植以外の成分は粒の大きさで区分され、これらの割合は表のように分類されています。
土の酸性
日本の土は、ほとんど酸性です。これは、雨が非常に多いためです。
大陸では、雨量の多いところで、年間600ミリぐらいですが日本では1500~3000ミリにも達します。
雨が多いと、ねん土鉱物や腐植に吸着されていたアルカリ成分が水に溶けて流れ水の中の水素イオンと入れ替わります。
この水素イオンは、水に触れると酸性をしめすので土は酸性になります。
また、硫安や過リン酸石灰を長年使ったり完全に腐らない糞尿を使ったりすると土の酸性は強められます。
酸性の土を中和するには必要な量の石灰を土にくわえます。
雨や肥料による酸性のほか、ポドゾル土の不完全な腐植や泥炭土は特殊な有機酸による酸性をしめします。
この場合には石灰による中和だけでなく、腐植をよく分解してやることが大切です。
土の酸性の調べ方
土の酸性の程度を調べるには、まず試験管の中で中性の水と調べる土を混ぜてよく振り、しばらくそのままにしておきます。
のちにその上澄み液をとり、青色リトマス試験紙を入れると赤色にかわることで、おおよその見当がつきます。
くわしく調べようとするときは、ペーハー(pH)試験紙というものを使います。
土と植物の生育
小石や砂の多い土は水もちが悪く養分も逃げやすいがねん土の多い土は水や養分をたくわえる力をもっています。
しかし、水はけは悪くなります。
ですから、砂とねん土をほどよくふくんだ、壌土や徴砂質壌土が植物の生育にもっとも適しています。
土が酸性になると、ねん土鉱物の骨ぐみをつくっているアルミニウムが溶けだしてしまいます。
そしてこのアルミニウムは、リン酸とむすびついて、植物に害をあたえます。
このため酸性の土では作物がよく育ちません。とくに、大麦やホウレンソウなどは育ちません。