地下水のふるさと・生い立ちとは? わかりやすく解説!

地球の姿

地下水のふるさと

雨や雪どけの水は、地表から地下に染み込もうとします。

しかし、地表が、水を通しにくい硬い岩石でできているときや水の量が多いときに染み込めない水は、地表に沿っていくほうへと流れていきます。

また、一部は蒸発して、空気中の水分にもどってしまいます。

そして、うまく地下に染み込んだ水が土や砂の粒のあいだや岩石の割れ目を通って地下水になるのです。


第一のふるさと=山

傾斜の急な硬い岩石がごろごろしている山の斜面やねん土質の赤土がむき出しになっている丘陵の上の広場などでは水に削られた深い溝がよくみられます。

これは、雨や雪どけ水が、大地に染み込みにくいために、地表を流れたあとです。

これにたいして、下草がたくさん生え、広葉樹の落葉が厚く積もっている森林におおわれた山地では、雨や雪どけの水は木や下草を伝わってその下の落葉や、やわらかい土壌の層の中に吸い込まれてしまいます。

傾斜のゆるい山の斜面や台地、あるいは地表が火山灰や火山砂・火山れきでできている火山地帯でも雨水や雪どけ水は大部分地下にもぐりこんでしまいます。

森林のよく茂った山に清水が湧き、豊かな水がせせらぎになって流れ出てくるのも、これらの水がもとになっているわけです。

地下水のふるさとも、このような山地ということができるでしょう。

第二のふるさと=川

日照りが続いても1年中枯れないで谷川の水が流れているように水をふくんだ山々は、また少しずつ水を吐き出しています。

この谷川の水が平野に出るころには、よく扇状地ができます。
扇状地は、れきや砂からできているので、ここまで地上を流れてきた谷川の水はそのれきや砂の隙間に染み込んで地下水になります。

このほか、川に沿って砂やれきの厚い層があるところも地下水のふるさとになることがあります。

川の水量を上流から下流にむかってはかっていくと上流より下流の水量が減っていることがあります。

この場合、減った水の大部分は川底やまわりの平野の地下にもぐりこんで地下水になっているのです。

富山県や長野県には、急流で、目に見えて水量の減っていく川が見られます。
極端な場合には、しまいに、水が全部地下に染み込んでしまいます。

これを、しり無し川と言い、やはり地下水の源になっているのです。



地下水の生い立ち

地表から染み込んだ水は、しだいに地中深くに下がり硬くて水を通さない岩の層や水を通しにくい粘土のような地層にぶつかると止まります。

こんどは、その層の表面にあるくぼみにそってまえよりもいっそう緩やかに、土や砂の粒のあいだをぬって流れていきます。

そして、ついに岩盤の表面にできている地下の谷へ集まり、地下水の流れとなります。

地下水の流れ

地下水は、山頂近くから山の中腹へそしてふもとのほうへと流れ下るにつれて、しだいに量が増えていきます。

また、地下水を支えている硬い岩盤や粘土層はしだいに地下深くもぐっていきます。
こうして、地下水をふくんでいる土砂の層は厚みを増し2、3メートルから7、8メートル、ときには20~30メートルにもなります。

やがて広い平野にでると地下水のふくまれる層は、ますます厚くなりますがその層のところどころに地層に平行に水通しの悪い泥や粘土の層をはさむようになります。

そのため、地下水の動きやすい砂れきの部分は、いくつもの層にわけられます。

広い平野では、こうして2、3層、場合によっては10層以上も地下水がビルのように何階にもわかれています。

日本の各地には、地下400メートルぐらいまでの深さにそのまま安心して飲めるきれいな地下水があります。

しかも、水量は豊富にあります。

自由地下水

地表に近いいちばん上の地下水は土壌の層を通して、いつも大気と触れ合っています。
雨が降ると染み込んできた水を受け入れて水量が増え、日照りになると水量が減ります。

このように、雨の多少によって地面が上下する地下水を、自由地下水とよびます。

自由地下水は、ふつう1気圧(地表の圧力と同じ)のもとで山から海に向かって流れています。

被圧地下水

自由地下水にたいして、第二層以下の地下深くにある地下水に、上下を水通しの悪い層にはさまれています。

そのため、山のほうからおしてくる水の圧力と上に重なる何層かの地下水層の重さとで水道管の中の水のように、圧力をもっています。

これを被圧地下水と言います。

地表から被圧地下水をふくんだ層にむかって穴をあけると、穴が地下水層につきあったとたんに穴伝いに地下水が吹き上げてきます。

こうして何十メートル、何百メートルもの深い地下水も地表までひとりでに噴き出てくることがあります。

また、地表に噴き出ない場合も、地表近くまで上がってくるので簡単にくみ上げることができます。

この被圧地下水がひとりでに噴き出す力を利用して水を得ているものが掘り抜き井戸です。

被圧地下水は、高い圧力で地下を流れこのように、井戸として使われたり、海底に噴き出したりしているのです。




タイトルとURLをコピーしました