地球内部の性質をあらわす主なものは密度・硬さ・圧力・温度です。
これらの性質と、地質や岩石の研究をもとにして、地球のつくりが考えられます。
地球内部の密度
地上で土や岩石などの密度を調べてみると1立方センチについてだいたい2.0~3.1グラムになります。
いっぽう、地球の重さと体積から地球の密度を計算すると、約5.5になります。
このことから、地球の内部には表面よりもずっと重いものがなければならないことがわかります。
地震波の伝わりかたをもとにして、地球内部の密度を計算すると地表で約3ある密度は、深くなるにつれてしだいに増えていきますが地表から2900キロほどのところで、急に増えます。
そして、中心では16.5ぐらいになります。
地球内部の硬さ
物質は外から加えられる伸び縮みやねじりの力にたいして抵抗する性質をもりています。
この性質をそれぞれ、伸び縮みにたいする硬さ、ねじりにたいする硬さといい
2つをあわせて、物質の硬さといいます。
いま、地球が同じ密度の物質でできているものと考えて地球潮汐から平均の硬さを求めてみると、ほぼ鋼鉄と同じになります。
地上の岩石よりずっと硬いことは地球内部に表面よりもずっと硬い物質があることをしめしています。
そこで、地震波の伝わりかたや地球内部の密度から地球内部の硬さを調べてみると深いところでは鋼鉄の4倍から6倍くらいになると考えられます。
さらにくわしく、伸び縮みにたいする硬さとねじりにたいする硬さをわけて考えてみます。
伸び縮みにたいする硬さは、地表からの深さにだいたい比例して増えていきます。
そして、2900キロ付近で少し減り、それから先ではふたたび深さに比例して増えていきます。
ねじりにたいする硬さも、深さとともに増していきますがその増し方が小さくなるところが途中にあります。
また2900キロ以上の深さでは、ねじりにたいする硬さはなくなってしまいます。
固体と違って、液体にはねじりにたいする硬さがないことからこの部分が液体ではないかという考えかたがでてきます。
地球内部の圧力
地震波の伝わりかたから調べた地球内部の密度は、深さにつれて大きくなっています。
これは、深くなればなるほど外側から強い圧力をうけて縮まっているためなのです。
そこで、密度の分布をもとにして、地球内部の圧力を調べてみると中心部では350万気圧にもなります。
これは、私たちが、地表で空気から受ける圧力の350万倍という大きなものです。
地球内部の温度
地球の表面では赤道や極地、四季などによって温度もたいへん違います。
しかし、地表での温度の違いは、おもに太陽のために起こるものです。
この太陽の熱は、四季の違いでせいぜい地下20~30メートルぐらいまでしか影響をあたえませんからそれより深いところの温度は、1年中ほとんど変化しません。
また、赤道と極地の温度の違いもせいぜい深さ300メートルくらいまでにしか影響しません。
それより深いところでは、同じ深さでの温度は一定しています。
現在、実際に温度を測ることができるのは、地下5キロくらいまでです。
この深さまでは、100メートル深くなることに3度くらいの割合で温度が高くなっていくことが調べられています。
もしこの割合で、地球内部の温度が高くなっていくものと考えると半径が6380キロもある地球の中心では、20万度にもなってしまいます。
しかし、地球の内部をつくっている物質のありさまや地球に落ちてくる隕石などを参考に調べてみると、こんな高い温度は考えられません。
実際、どろどろに融けている太陽の表面でも6000度くらいです。
このようなことと、地球のつくり、隕石および太陽系の星などをもとにして地球内部の温度を考えて入ると、地下2000キ口で4000度2900キロで4500~5000度、中心で6000度くらいになります。