地質構造
堆積岩には、いろいろな厚さの地層が重なりあって縞模様をあらわしていることがあります。
このような地層は、もとは古いものの上に新しいものが順々に水平に堆積してできたものと考えられています。
ところが、私たちが道路や工事場などのきりわりの崖で地層を観察してみると、たいていの場合傾いていたり折れ曲がっていたりしています。
これらの地層は、堆積したままの状態ではなく地殻の変動の影響を受けて位置も形もかわっているのです。
このような変化は堆積岩だけでなく、火成岩や変成岩などにもみられます。
どの岩石も、それがつくられたときのままの状態であることは少ないのです。
このように、地殻の変動の影響によって、いろいろの岩石がもとの位置や形をかえて、地殻を形作っている状態を、地質構造とよびます。
地質構造を研究すると、その土地が、これまでにどのような地殻の変動を受けたかを知ることができます。
地層の走向と傾斜
傾いた地層について、その地層がどのように続いているのかまた、どの程度傾いているかを調べる場合には、地層の走向と傾斜を測ります。
走向
地層の表面と水平面とが交わってできる線の方向を走向といいます。
地層は走向の方向に続いて伸びています。
また、走向をはかって、地層がうけた変動の方向を知ることができます。
傾斜
地層面が傾いている角度を傾斜といいます。
これは、地層面がもっとも大きく傾いている角度で、走向にたいして、直角です。
これによって、水平に堆積した地層が、その後、どの程度傾いたかを知ることができます。
クリノメーター
地層の走向と傾斜を正確に測るにはクリノメーターを使います。
クリノメーターは、磁石と水準器を長方形の木または金属にとりつけたものです。
文字盤には、2つの目盛りがあり、外側は、磁石のしめす方向、内側は傾斜をあらわす度数の目盛りです。
地層の走向を測るときには、クリノメーターの長い辺を地層の走向に一致させて水準器をみながらクリーノメーターを水平にします。
針がしめす外からのめもりでN(北)何度E(東)またはW(西)とよみます。
傾斜を測るには、クリノメーターを横にしてたて、地層の傾いている方向にあてます。
ハート形の針がさす内側のめもりで何度とよみます。