旧人
ネアンデルタール人は、おもに、ヨーロッパにいました。
現代人とは種類が違い、程度の低い人とされていて、旧人とも言われています。
ドイツのハイデルベルクの近くから発見されたハイデルベルク人の下あごは厚くて、かなり原始的な性質のものでした。
これは、ベルギーのスピードなどと同じ群のものと考えられ保守型のネアンデルタール人とよばれています。
フランスに多く、ハンガリー・イタリア・ジブラルタルなどからも見つかっています。
これに対する進歩型のネアンデルタール人にはスワンスコンブ人、ユーゴスラビアのクラピナ人、ドイツのエーリングスドルフ人などがあります。
旧人にはこのほかに、ジャワのソロー人、南アフリカのローデシア人、北中国のオルドス人などがあります。
旧人の特徴は、背が低く、少し猫背で曲がっており下あごにおとがいがなく、頭蓋骨も低いほうです。
現代人のように、知恵の進んだものではありませんでした。
おそらく、ジャワ原人からソロー人へ、アフリカ原人からローデシア人へペキン原人からオルドス人へ、というように進化したと思われます。
旧大の滅びた原因は、よくわかりません。
新人に滅ぼされたとも言われまた、新人とまじりあってしまったとも言われています。
新人
現代人、つまり私たちのことです。
ヨーロッパには、クロマニョン人・シャンスレード人・グリマルジ人の3つの人種があります。
クロマニヨン人は、白人の祖先とされています。
フランスのドルドーニュ地方の洞窟や、スペインのアルタミラの洞窟などに絵を描いたり、彫刻を残したりしています。
イギリス・モナコ・ユーゴスラビアなどからも見つかっています。
シベリアのイルクーツク人や、ペキン原人と同じく周口店で発見された上洞人
中区束北地方のジャライノール人も、みな新人です。
周口店の上洞人は、蒙古人(モンゴル)・エスキモー人・メラネシア人のような性質をもっていました。
現在、世界各地で見られる人種は、新人の生まれたころからあったようです。
髪の毛・目・皮膚の色などの違いは、遺伝的なもので混血するとまじってしまいます。
したがって、現在地球上にいる人類はみな同じ種類の新人にぞくするもので学名では、ホモ=サピエンスといいます。
日本の化石人
日本にも、洪積世に入ってから人類がやってきました。
その化石は、あちこちで見つかっています。
兵庫県明石の西で発見された明石人は、腰の骨の化石です。
これは、第二次大戦のとき、焼けてしまいました。
栃木県葛生の洞窟からでた葛生人や静岡県三ヶ日町の洞窟から発見された三ヶ日人・只木人などは頭骨や手足の骨の一部です。
これらは、旧人なのか新人なのか、資料が不完全でよくわかりません。
洪積世の最後の氷期のころには、日本にもあちこちに人類がいて活動していました。
彼らは、旧石器をたくさん残しています。前縄文時代の石器が、それです。
しかし、これらの道具を残した人間の確かな化石は、まだ発見されていません。
頭が短くなる人類
新人を通じて見られる進化の傾向は、頭蓋骨が、しだいに短くなっていくことです。
頭蓋骨を上から見て、長さと幅の比を調べます。
これは、人種により、また地方や時代によって違い、かんたんには言えません。
しかし、だいたいの傾向として頭蓋骨の幅にくらべて長さの短い短頭型が増えてくると言われています。
この原因は、まったくわかっていません。
環境との関係はないようです。
そこでワイデンライヒという人は、人類が短頭化するということを例にして生物の特殊化は外界の環境とは無関係に生じる、ということまでいっています。
人類だけでなく、生物を通じて言えることは、より高等に進化した仲間はあまり特殊化の進まない親類から生まれたということです。
人間は、ゴリラから進化してきたのではなくゴリラよりも特殊化のすすまない、類人猿から進化してきたのです。
人類の特殊化は言うまでもなく脳髄の大発達と後足で立って歩き手を自由に使うことです。
環境に影響されない生物はありませんが人類は環境を科学的に変え、生活しやすいようにします。
しかし、人類が自分でつくりだした環境に影響されています。
人囗が増えることと戦争でたくさんの人が死ぬことなどはその1つと考えなければならないことです。