探査
地下には石炭・石油・金属鉱床をはじめとして、いろいろな地下資源があります。
これら、地下資源や地下水・温泉などを調査することを探査と言います。
物理探査
人工的または自然に起きたいろいろな現象を、おもに地人万観測してその観測したものをもとにして地下の構造や鉱床を調査する方法を物理探査といいます。
物理探査には、現在つぎのような方法が広く用いられています。
電気探査
地表に電極を差し込んで、地下に電流を流し、地下を通った電流を別の電極で受け地下の物質の電気抵抗の大小を測定するものです。
その測定した結果により、岩石の種類、表土の厚さ地下水面の深さなど、地下の様子を調べるものです。
重力探査
重力計を用いて地下の物質や構造を水底する方法です。
地下に質量の大きい物質があると、重力の方向はその物質のほうに偏ります。
これによって、地下にある物質の密度分布から鉱床に位置や深さ、地層の状態などを調べるものです。
地震探査
火薬を爆発させて人工地震を起こし地表の各地点にあらかじめ設けられた地震計に、その波の伝わりかたを記録します。
そして、その記録を調べることにより、地下の構造や鉱床などを探査する方法です。
音波探査
水中から等しい間隔で繰り返し音波を出して、跳ね返ってくる波を記録しそれを調べることによって、海底資源や大陸棚の様子を調べるものです。
磁力探査
地下には、磁鉄鉱をはじめとして、磁石のように磁化されている物質があります。
この磁化されている物質によって生じる地磁気のごくわずかな異常を測定して
その物質の分布を水底する方法です。
この方法は、磁鉄鉱のほかにニッケル鉱などの探査にもよく用いられています。
放射能探査
ガイガ=ミュラーカウンターやシンチレーションカウンターと言われる放射能を測定する器械を用いて探査する方法です。
この方法は、ウラン・トリウムなどのような放射性元素をふくんでいる物質を
探査するのによく用いられています。
化学探査
化学的な方法によって鉱床を探査するとをいいます。
この方法は、川の水や地下水に溶けている成分の種類や量を化学分析によって調べ、その結果から、鉱床のあるなしを見分けるものです。
また、鉱床が地表にあらわれていないときはその表土を化学分析することにより地下の鉱床を調査します。
そのほかの探査
地質調査
地表にでている露頭を観測して、地下の状態を推定するものです。
地質調査は、岩石の種類・特徴、地層の重なりかた地層の走向や傾斜、地層の厚さ、マグマの活動、火成岩の産出状態などを調べるものです。
ボーリング
地表から地中に直径20~50ミリの穴をあけて、地下の地質構造を調べたり地下資源をとったりする作業を、ボーリングまたは試錐と言います。
ボーリングには手掘り・機械掘り、つなの上下動による衝撃によるもの回転式の機械によるものなど、いろいろな方法があります。
人工衛星によるもの
最近、人工衛星による資源の開発が注目を浴びています。
これに、人工衛星のうち、実用衛星とよばれるものでとくに、そのうちの資源衛星(地球資源観測衛星)と言われる衛星です。
この資源術星は、広い地域の航空写真をとり、断層やその破砕帯から新しい油田を発見したり、地表の赤外線を測って地表の温度をもとめ火山の噴火を予測したりします。
また、実用衛星のうち海洋衛星は、海流から魚群を見つけたり大陸棚の海底地形から海底の資源を発見したりします。
このような方法で、アラビアの油田を見つけたところもあります。
このように、これからの探査は、たんに地表からおこなうばかりでなく人工衛星などを用いて地球上のいたるところから地ド資源を見つけるようになるでしょう。