石炭の利用のしかた
石炭は、日本では足利時代から、燃料として使われていました。
また、ヨーロッパでは、古代ローマ時代から使われ歴史のうえでは、産業革命の原動力にまで発展したのです。
そして、19世紀の末ごろから、石炭の使い道が、急に広がりました。
これは、石炭を乾留したときに、ガスや、ガス液・タール・コークスなどの物質がえられることがわかり、これを利用する方法がつぎつぎに研究されたからです。
石炭の利用に便利な分類
たくさんガスがでるか、どんなコークスができるかなどということは石炭の性質によって違ってきます。
そういう性質から、石炭をつぎのようにおけると、実用上便利です。
①一般用炭
そのまま燃料として使うもので、かっ炭やれきせい炭が使われます。
②ガス用炭
家庭用のガスをとるための石炭で、れきせい炭が使われます。
③ガス発生ろ用炭
発熱柚の大きいガスをとるために使われる石炭でれきせい炭や亜れきせい炭が使われます。
④原料炭
1000度以上で高温乾留して、コークスをつくるときに使われる石炭をいいます。
このコークスは緻密で硬いほどよいので揮発分や灰分の少ない、れきせい炭が理想的です。
なお、乾留したときにできるタールからは、医薬品になどいろいろな原料もできます。
石炭の使用量
世界中で、毎年20億トンほどの石炭がほりだされています。
日本では、毎年5000万トンを産出していますが、その大部分は亜れきせい炭ですから、74.1パーセントは一般用炭として利用されます。
また、原料炭は19.5パーセント、ガス発生ろ用炭は6.4パーセントにすぎません。
ですから、工業用原料炭は。毎年輸入しなければなりません。