第三紀の生物とは?植物界・動物界の変化とは?

地球の姿

植物界の変化

植物界では、中生代の中ごろから大きな変化がありそれまで優勢だったソテツやノチョウなどの裸子植物にかわって被子植物が栄えはじめました。

被子植物は、種子が硬い皮をかぶっているため寒さに強く四季がはっきりした暖寒の気候の変化にも、よく耐えられるわけです。

第三紀では、被子植物のうちでもケヤキ・ナラ・ブナなどのような広葉樹が栄えるようになりました。

草の類では、菊の仲間や、竹・稲などの仲間が栄え現在の植物と似通ったものが増えてきました。


動物界の変化

植物界の様子がかわると植物を大量に食べていた巨大な草食恐竜は生活しにくくなり、草食恐竜を餌食にしていた肉食恐竜も中生代の白亜紀を最後に滅びてしまいました。

新生代に入ると、それまで息を潜めていたほ乳類が、栄えはじめました。

ほ乳類は、新しい植物を食べ、また、寒さに対しては毛皮の皮膚を持ち、一定の温度を持つ血液、能率のよい心臓を持っています。

子供も、卵からかえるのではなく、母親の体内で育ってから生まれます。
そのうえ、一人前になるまで乳を吸って、親の保護を受けて育ちます。

こうした性質は、激しくかわる新生代の自然を克服し、栄える原因となったのです。

しかし、古第三紀のほ乳類の大部分は、現在のほ乳類とくらべて骨組みも不細工で、とても活発な運動ができたとは思えません。

動きがにぶかったことは脳が発達していないことからもわかります。
これらほ乳類も世界の大山脈がほぼできあがる古第三紀末にはほとんど絶滅してしまいました。

しかし、その後に発生した、馬や象のように古第三紀のころは犬ぐらいしかなかったものが進化して新しいタイプのほ乳類が栄えるようになりました。



海に住んでいた示準化石

第三紀に栄えた動物は、ほ乳類だけではありません。
とくに海に住むウニ・貝類・有こう虫などは、たくさんの種類が大いに栄えました。

このうち海底に住む貝類は、当時のいろいろな環境によって種類や産出量が違うので貝化石をふくむ地層がどんなところに堆積したかを調べるのに、たいへん役立ちます。

また、時代とともに種類がかわるので、地層の時代を決めるのにも使われます。

しかし2つの種の分布範囲が、かぎられているので遠く離れた地層を、貝化石で時代的にくらべることはできません。

それと反対にウニはその幼生時代に海中を漂う期間が長いので、分布範囲は大分広くなります。
そのため、地層の時代を決めるのに役立つ示準化石が多くあります。

分布という点では、世界の海をめぐる海流にのって浮遊生活をするプランクトンが最も広いと言えます。

そこで、最近は、分布の広い化石(微化石)の研究がさかんにおこなわれています。

なかでもプランクトン性有こう虫とよばれる殻をもった原生動物の化石は第三紀の代表的な示凖化石となっています。

有こう虫は、ただ1つの細胞からできているのですが種類によっていろいろ違った殻を持ってします。

とくに海底に住む有こう虫のうち大型行こう虫の殻は複雑で大きなものが多く、世界中のあたたかい海に栄えました。

とりわけ、カヘイセキのグループには直径が数センチもある大きなまるいからをもっものが少なくおりません。

しかも、このカヘイセキは、古第三紀にだけ生きていたもので示準化石として大いに役立っています。

海底に住む小さな有こう虫は、示準化石としてはあまり役に立ちませんが貝と同じように地層の堆積した環境を知る示相化石として、よく用いられています。

そのうえ有こう虫は殻が小さいので少しの岩石からたくさんの個体と種類をとることができます。

石油を探すためには、地層をよく調べなければなりません。
このため有こう虫は、石油探査には、たいへん役に立っています。




タイトルとURLをコピーしました