生物はすべて、自分に都合のよい場所に生活しています。
ですから、生物の分布を調べて、その場所の特徴と生物の性質をくらべると、生物が進化してきた証拠を知ることができます。
オーストラリアの生物
オーストラリアには、ほかの地域には見られないめずらしい生物が、たくさん住んでいます。
これは、この地域が、かなり古くからまわりの大陸と広い海で切り離されていたためと考えられています。
化石によって、ほ乳類が地球上にあらわれた時期を調べると中生代のジュラ紀に、原始的なほ乳類の、有袋類があらわれています。
その後、オーストラリアが離れ島となりこの地域に住んでいたものは特別の進化をしました。
現在、私たちの見るほ乳類の多くは、新生代のはじめにあらわれました。
しかしこれらの生物は、オーストラリアには移動することができなかったのです。
適応と放散
中生代の地球上には、は虫類が栄え、陸・海・空を支配していました。
海を泳ぐイクチオザウルス・空を飛ぶプテロダクチルスやほかの動物を襲うタイラノザウルスなどは、その代表的なものです。
これらのは虫類は、厚い皮膚で体を覆っていたうえに厚い殻をもつ卵を産んで、子孫を増やしていました。
このために、中生代の乾燥した暑い気候や、砂漠の生活に耐えることができたのです。
このように、生物が環境によって体の仕組みや生活のしかたをかえることを生物の適応と言います。
こうして環境に適した生物は、その生物が住む場所を広げながら栄えていきます。このことを、生物の放散といいます。
このような生物の適応や放散は
生物が進化するために起こった現象であると考えられています。