鉱床のでき方とは?火成鉱床・堆積鉱床とは? わかりやすく解説!

地球の姿

鉱床

地殻の中には、銅や鉄をふくんだ鉱物がごくせまいところに集まって分布しているところがあります。これを鉱床といいます。

私たちの日常生活や、いろいろな工業に役に立つ鉱物はおもに鉱床にある特殊な岩石から産します。

鉱床という言葉は、鉱物ばかりでなく石炭・石油・地下水・温泉などにも広い意味で使うことがあります。


鉱床と鉱石

銅の原料となるオウドウ鉱や、亜鉛の原料となる閃亜鉛鉱などいろいろな有用鉱物は銅や亜鉛の原料としては役に立たない石英とか方解石というような不用の鉱物といっしょに産出されるのがふつうです。

このように、有用な元素の集まった岩石を鉱石といいそのうち、採掘の目的となるものを鉱石鉱物、役に立たない不用なものを脈石鉱物と言います。

しかし、どんなに役に立つ鉱物であっても採掘の目的に適わないものは鉱石とは言えません。

たとえば、方解石や石英は金属の原料をとる目的では脈石鉱物になりますがこれらの鉱物の結晶がよく、また、整った形として産し光学材料や装飾として採則の目的に適うならば、鉱石鉱物となるわけです。

このように、鉱石鉱物と脈石鉱物は、鉱物の種類によって決まるのではなく採掘の目的に適うかどうかによって決まるのです。

鉱床のできかた

鉱床は、いろいろな形で分布していますがふつう岩石の割れ目を満たしている状態で分布することが多いようです。

とくに、金属元素をふくれ金属鉱床はそのできかたや産出される状態がいろいろあり火成鉱床・堆積鉱床・変成鉱床に大きくわけられます。



火成鉱床

マグマがゆっくり冷え固まるときに特定の元素が集まって火成岩や、火成岩の近くの岩石の中に鉱床をつくることがあります。

これを火成鉱床といいます。

火成鉱床は、マグマが冷え固まるときの温度や、マグマにふくまれる成分などによって、いろいろな種類の鉱床ができます。

正マグマ鉱床

マグマが冷え固まる初期のころに、密度の大きい鉱物が結晶して出てきてマグマだまりの下のほうに沈殿してできる鉱床です。

このときできる鉱床は、鉄・ニッケル・コバルト・白金などをふくむ鉱物です。

ペグマタイト鉱床

造岩鉱物にならなかった元素の大部分は、残ったマグマの中に集まり火成岩の割れ目などに入って、石英・長石・雲母などの大きな結晶をつくります。

そして、これら結晶とともにタングステン・リチウム・ベリリウムなどをふくんだ金属鉱物も結晶として産出します。

このようにしてできる鉱床をペグマタイト鉱床といいます。

気成鉱床

造岩鉱物が結品として出て、残ったマグマの中のガスの圧力が大きくなると
マグマは岩石中やその割れ目などに入ってスズ・モリブデン・タングステン・銅などをふくんだ鉱物が結晶して鉱脈をつくることがあります。

これを気成鉱床と言います。

熱水鉱床

マグマの温度が下がって、熱水溶液になりこれが岩石中やその割れ目などに入ってつくる鉱床を、熱水鉱床といいます。

このとき金・銀・銅・鉛・亜鉛・水銀などをふくむ鉱物が結晶としてでます。

接触交代鉱床

残ったマグマのガスや熱水溶液が、とくに石灰岩の中に浸透するとその岩石と化学反応を起こして、スカルンとよばれる岩石ができます。

そして、このスカルンの中に、鉄・銅・鉛・亜鉛などをふくんだ鉱物が結晶としてでることがあります。

これを接触交代鉱床といいます。

堆積鉱床

堆積岩ができるときと同じように川底や湖底に堆積してできる鉱床を堆積鉱床といいます。

漂砂鉱床

火成岩にふくまれていた成分が風化して細かくなり重さの違いなどによって水底に沈殿してできる鉱床を漂砂鉱床といいます。

このようにしてできる鉱床には、砂鉄・砂金・ダイヤモンドなどがあります。

沈殿鉱床

湖水にふくまれる鉄分や塩分が沈殿してできる鉱床を沈殿鉱床と言います。

これには、岩塩・セッコウ・鉄・マンガン・ウランなどがあります。

残留鉱床

熱帯や亜熱帯地方で、風化作用によって有用な鉱物が集まってできる鉱床を残留鉱床といいます。

これには、ボーキサイト・陶土などがあります。

変成鉱床

すでにできている鉱床が、変成作用をうけてできる鉱床を変成鉱床と言います。
おもな銅山には銅硫化鉄鉱(キースラーガー)といわれる鉱床がケッショウヘン岩中に産することがあります。

これは変成鉱床の1つです。




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