錫石・クロム鉄鉱・輝水鉛鉱・軟マンガン鉱の利用法とは?

錫石(スズ石)

錫石というのは、すずをふくむ石という意味です。
形は、短い柱状ですが、2つの結品がハの字形についていることがよくあります。

劈開は、ほとんど見られません。

色は、かっ色がかった黒色で金属に近い光沢をもっています。条こんは、うすい褐色です。

比重は7、硬度は6.5です。
成分は、すずと酸素とからなり、すずを約79%ふくむので、すずの鉱石となっています。

錫石は、そのまま吹管で熱しても溶けませんが錫石の粉に炭酸水素ナトリウムをまぜて熱すると金属のすずをとることができます。


クロム鉄鉱(クロムテッ鉱)

クロム鉄鉱というのは、クロムと鉄をふくむ鉱物という意味です。
形は、不規則な塊状となってでることが多く、劈開も見られません。

色は黒色ですが、条こんは褐色です。比重は4.7、硬度は5.5です。

成分はクロムと鉄と酸素からなり、クロムを約46%ふくみ、クロムの鉱石となっています。

磁鉄鉱によく似た鉱物ですが磁性がないかあっても非常に弱いことが磁鉄鉱と違う点です。

輝水鉛鉱(キスイエン鉱)

輝水鉛鉱というのは金属光沢(輝)を持ちモリブデン(水鉛)をふくむ鉱物という意味です。

形は板状か鱗のようなものがふつうです。
劈開は、一方向にだけ非常に著しいので、雲母のように薄く剥げる性質があります。

色は金属光沢をもった銀色で、条こんは、鉛のような灰色になります。
比重は4.8で硬度は1のやわらかい鉱物です。

そのため、紙の上にこすりつけても、灰色のすじをつけることができます。

成分はモリブデンと硫黄からなりモリブデンを約60%ふくむので、モリブデンの鉱石です。

やわらかく、油のような感じがあるのは、石墨とよく似ていますが輝水鉛鉱は閉管で熱すると分解して硫黄くさいにおいがし管の中には、黄色の硫黄が昇華してつきます。

軟マンガン鉱(ナンマンガン鉱)

軟マンガン鉱というのは、マンガンをふくれやわらかい鉱物という意味です。
形は、土状か塊状で、結晶になることはありません。

したがって、劈開もありません。色は黒く、条こんも黒色です。
やわらかいので、触ると手が汚れるのは石墨によく似ています。

比重は4.8で、硬度は2.5です。
成分は、マンガンと酸素と水で、マンガンを約60%ふくみます。
また、軟マンガン鉱は、塩酸に溶けて塩素を出します。



硬マンガン鉱(コウマンガン鉱)

硬マンガン鉱というのは、マンガンをふくむ硬い鉱物という意味です。
形は、ブドウのふさやそら豆のかたまりのようになっています。
割ると、貝がら状の断口をしめします。

色は、鉄のような黒色で、条こんも同じ黒色になります。
比重は4.7、硬度は、軟マンガン鉱より硬く、5.5くらいあります。

成分も軟マンガン鉱と同じでマンガンと酸素と水からなりマンガンを約60%ふくむのでマンガンの重要な鉱石となっています。

硬マンガン鉱も、軟マンガン鉱と同じように、塩酸に溶けて塩素を出します。
また、濃い硫酸の中に粉末を入れると、溶けて紫色になります。

ボーキサイト

ボーキサイトの名前はフランスのボーというところからたくさんでたので、こう名付られたといわれています。

形は不規則な土状のものが多いですが大豆の集まったようなものになることもあります。
劈開はなく、色も条こんも同じで黄色から褐色まで、まちまちです。

光沢はなく、水で濡らすと、ねん土くさいにおいがします。
比重は2.6、硬度は1から5までで、一定していません。

成分は、アルミニウムと酸素と水で、アルミニウムを約39%ふくみます。
また、不純物として鉄分を少しふくむのが、ふつうです。

鉄マンガン重石(テツマンガンジュウ石)

鉄マンガン重石というのは、鉄とマンガンをふくむ重い鉱物という意味です。

形は、板状の結晶が多く、縦の条線があります。劈開も見られます。

色は、金属光沢をもった黒色で、条こんは、やや赤みを帯びた黒色です。
比重は7.3~7.6、硬度は4~4.5です。

吹管で熱すると、かんたんに溶けます。
成分はタングステンと鉄とマンガンと酸素からなり、タングステンの重要な鉱石です。




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