石墨(セキボク)
石墨は、色も光沢も鉛によく似ています。
形は不規則な塊状か土状がふつうで、魚の鱗のようになっています。
色は、鉛によく似た黒色で、金属のような光沢があり、条こんも黒色です。
比重は2.2、硬度は1.5で、やわらかい鉱物です。
成分は、炭素だけからなっています。
雲母(ウンモ)
形は、板状の結晶で、劈開か、1つの方向にだけ非常に発達しているので、うすくはがれる性質があります。
色は、黒と白とがあって、それぞれ黒雲母・白雲母と言います。
比重は3、硬度は2~3です。
成分は、ケイ素と酸素のほかに、アルミニウムやカリウムなどをふくんでいます。
雲母は、熱や電気を通しにくい性質があります。
石英(セキエイ)
六角柱状の結品のよいものを、ふつう水晶と言いますが鉱物としては、石英も水品もまったく同じものです。
形は、六角柱状で、先がとがっているのがふつうです。
劈開はなく、割るとがガラスを割ったような形(貝がら状断口)になります。
結晶面には、横の線が入っていますが、これは劈開ではなく条線といいます。
色は、ガラス光沢を持った無色透明がふつうですが紫・ピンク・白・黒などもときどき見かけます。
比重は2.7、硬度は7です。成分は二酸化ケイ素からなっています。
石英は、強い酸やアルカリなどの薬品に強く、フッ化水素に侵されます。
滑石(カッ石)
滑石は、名前の通り、すべすべした石で、指先で触ると、ロウのような感じです。
色は、白がいちばん多いのですが、青みを帯びたり、黄みを帯びることもあります。
比重は2.7、硬度は1で、爪でも傷がつくほど、やわらかい鉱物です。
成分はマグネシウムとケイ素と酸素と水分です。
方解石(ホウカイ石)
方解石は、ふつうひし形の面で囲まれたものが多いです。
しかし、とがったもの、板状のもの、繊維状のものなどもあります。
劈開は三方向に発達しているので、ひし形で囲まれた、劈開片になります。
色は、ふつう無色透明ですが、白・黄・灰・緑褐色などもあります。
比重は2.7、硬度は3です。
成分は、炭酸カルシウムで、うすい塩酸に溶けて二酸化炭素を発生します。
ザクロ石(柘榴石)
ザクロに似た赤色の結晶です。
形は、斜方12面体や、それに似たものになります。
色は、赤・緑・黄・灰・黒色などいろいろあります。
比重は4、硬度は7です。
成分は、二酸化ケイ素がおもで、そのほかカルシウム・アルミニウム・マグネシウム・鉄・マンガンなどが混じっています。
硫黄
形は、八面体か厚い板状、または不規則な塊状になります。
劈開はなく、色は脂肪光沢のある鮮やかな黄色で、条こんも黄色です。
比重は2、硬度は2です。成分は硫黄です。
黄鉄鉱(オウテッ鉱)
黄鉄鉱は、黄色をした鉱物で、形は六面体や五角12面体になります。
色は、金属光沢をもった黄金色で、黄銅鉱に似ていますが条こんが黒褐色で、黄銅鉱とは区別できます。
比重は5、硬度は6です。
成分は硫黄と鉄で、硫酸の原料とするため利用面からは非金属鉱物になりますが光沢面からは金属鉱物になります。
長石(チョウ石)
長石は、細長い形をした柱状の結晶です。劈開が直角の方向によく発達しています。
色は、ガラス光沢のある白がもっとも多く、ときには黄・ピンク・灰色のものがあります。
比重は2.5~2.75までのものがあり、硬度は6です。
成分はケイ素・アルミニウム・酸素・カルシウム・ナトリウム・カリウムなどからなります。
その中でも、カリウムが多いものをセイチョウ石といいカルシウムとナトリウムが多いものをシャチョウ石といいます。
ホタル石(蛍石)
ホタル石は、八面体か六面体をしたものが多く、劈開もよく発達しています。
色は無色透明なものから、白・緑・青色などいろいろあります。
比重は3.2、硬度は4です。成分はフッ素とカルシウムからなります。
セッコウ(石膏)
セッコウは、ふつうひし形か、柱状の結晶をしたものが多いです。
劈開があり、色は、ガラス光沢をもった白色のものがよく見られます。
比重は2.3、硬度は2です。成分は結晶水をふくんだ硫酸カルシウムです。