黄銅鉱(オウドウ鉱)
形は四面体ですが、いっぱんには塊状になっています。折ると、貝がら状断口になります。
色は金属光沢をもった金色ですが表面がさびて青紫色や黒色になっているものも、よく見かけます。
条こんは、やや緑色がかった黒色です。
黄鉄鉱と似ていますが、黄鉄鉱は、条こんが黒褐色をしているので区別できます。比重は4.2、硬度は4です。
成分は銅と鉄と硫黄からなり、銅を約35%ふくむので銅の鉱石として重要な鉱物になっています。
また、黄銅鉱の小さなかけらを吹管でふくと、ピチピチ跳ねて折れます。
閉館で熱すると、分解した硫黄が閉管につきます。
そして、硫黄くさいにおいがします。
方鉛鉱(ホウエン鉱)
ホウエン鉱とは四角(方形)に折れる、鉛をふくんだ鉱物という意味です。
形は、さいころのようなものがいちばんふつうですが互いに直角の方角に交わる劈開のある塊状になってでることもあります。
劈開は、直角の方向に非常によくできるのでどんなに小さく割っても、直方体か立方体をした劈開片になります。
色は、金属光沢のある銀色ですが、表面がさびて、灰色になっていることがあります。条こんも灰色です。
比重は7.6で、重い鉱物の仲間に入ります。硬度は、2.5です。
成分は、鉛と硫黄からなり、鉛を約87%ふくむので、鉛の重要な鉱石です。
ホウエン鉱の粉末を、木炭の上で、吹管で強く熱するとピチピチ音を立てながらかんたんに溶け、しまいには、鉛の小球ができます。
閃亜鉛鉱(センアエン鉱)
閃亜鉛鉱というのは、金属光沢をもち、亜鉛をふくんだ鉱物という意味です。
形は、四面体か、四面体の角がちょっと欠けた形になります。
劈開は非常によく発達していますが、劈開の方向や劈開片の形が方鉛鉱とは違います。
色は、松やにのような光沢のある黒い褐色で、ごく薄くすると光を通すようになります。
金属をとる鉱物の大部分はどんなに薄くしても、光を通しませんから閃亜鉛鉱のようなものは例外と言えましょう。
条こんは、褐色がかった黄色です。比重は4.0、硬度は4です。
成分は亜鉛と硫黄からなり、亜鉛を約67%ふくむので、亜鉛の鉱石になっています。
また、閃亜鉛鉱のかけらを吹管で熱するとピチピチ音を立てて割れますが、溶けません。
輝安鉱(キアン鉱)
形は、長い柱状か針状をしています。
劈開は、結晶の長く伸びた方向に平行して、非常によく発達しています。
色は、金属光沢を持った
鉛のような灰色ですが、直射日光にさらすと、表面がさびて光沢を失います。
条こんは、灰色がかった黒色です。比重は4.6、硬度は2です。
成分はアンチモンと硫黄からなり、アンチモンを約71%ふくむので、大切な鉱石です。
輝安鉱は、熱に対して、非常に溶けやすい鉱物の1つで小さなかけらは、ろうそくの火でも、かんたんに溶かすことができます。
開管で熱すると酸化されて、もくもくと白い煙りをあげ開管の口からは硫黄くさいにおいがします。
そこに濡れたに青いリトマス試験紙をかざすと、赤く変化するのが見られます。
また、輝安鉱を粉にしたものを木炭の上で吹管で熱すると穴のまわりには白と青の大きな鉱衣がつき、穴の中にはアンチモンの小球ができます。
辰砂(シンシャ)
辰砂とは、中国の辰州からとれたものが有名だったのでこう名付けられたと言われます。
形は、不規則か土状がふつうですがまれに、はっきりした板状結品のものがでることもあります。劈開もあります。
色は赤く、条こんも同じように赤色です。
比重は8で重く、硬度は2でやわらかい鉱物です。
成分は、水銀と硫黄からなり、水銀を約86%ふくむので水銀の重要な鉱石となっています。
辰砂は、閉管で熱すると、昇華して(溶けない)閉管の中ほどに黒くつきます。
この黒いところも辰砂ですから、さらにそこを熱するとその上にまた黒い辰砂がつきます。