太陽の利用と太陽電池とは? わかりやすく解説!

天文

太陽の利用

私たちは、電気とか、石炭・石油を使うことによって間接的に太陽の光や熱を利用していますが1平方メートルごとに1キロワットの割合で注いでいるたくさんの熱量を直接利用することはあまり、おこなわれていません。

その理由の1つは太陽の光や熱を直接、動力にかえる能率のよい機械が、なかなか見つからないからです。


いちばんふつうに日光が利用されているのは洗濯物を乾かすとか魚の干物をつくるなど、物を乾燥させることでしょう。

産業の中で、古くから太陽熱を直接利用してきたものに製塩があります。

海岸の近くの塩田に海水を引き入れ、何日も日光と風にさらします。
すると水分は蒸発して、塩が砂にくっつきます。

この砂を集めて海水をかけると非常に濃い塩水ができます。
これを煮詰めて塩をつくるのです。

太陽熱を鏡で傷めて湯を沸かしたり、料理をつくったりすることも実験的におこなわれています。

太陽の光を虫眼鏡で集めると紙がかんたんに焼けることは、よく知られています。

ただ面倒なのは、太陽を追い駆けて鏡がまわるように動ける装置をつくらなければなりません。

この装置は、費用の多くかかる、複雑なものになります。

また、曇った日とか夜には、全く役に立たないこと鏡にほこりがつくと具合が悪いことなどが日常生活に不便な点です。

しかしこの方法は、晴れているかぎり割合かんたんに高い温度がつくられますから、実験装置には向いています。

鏡で太陽熱を集め、数千度という高温を出す機械を太陽炉といいます。

アメリカ合衆国では、9メートル平方の凹面板に180枚の鏡をつけた大がかりな太陽炉がつくられ核爆発などのときに起こる高熱をふせぐための研究がおこなわれています。

この太陽炉では、3000度くらいの高温をつくることができます。

家庭で役に立つのは温水器です。
ガラス張りの箱に水を入れ、日当たりのよい南側の屋根の上に置くと晴れた日には冬でも風呂に使うくらいの湯は充分につくることができます。

外国では、大がかりな温水器で部屋を温かくする実験も試みられていますが曇った日が続くことも考えられますから太陽熱だけで部屋を温めるということは無理でしょう。

しかし、日差しが強く、曇る日の少ない地方ではガラス箱式の湯沸しは、たいへん役に立ちます。

太陽熱を利用した蒸留器も、ソ連ではつくられています。
中央アジアには、井戸水に塩分がふくまれていて、にがからいところがあります。

この塩水は、一度沸かして蒸気にし、それを冷やして真水にしないと飲むことができませんし、自動車のエンジンを冷やすこともできません。

そのうえ、この地方では燃料もあまり多くとれないのです。
しかし、都合のよいことには中央アジアは1年のうちに300日も晴れて太陽はじりじりと、照りつけています。

この太陽熱で、井戸水を蒸発させ、真水をつくって浴場や、工場・住宅などに水道をひいています。



太陽電池

ある物質は、光が当たると電気が流れる性質をもっています。
言いかえると、この物質は太陽の光を吸い取って、それを電気にかえるのです。

これを光電池とか、太陽電池といいます。写真機の電気露出計も、その一種です。

いまのところ、光から電気にかえることは、能率がよくないのでふつうの電気を使うより、ずっと値段が高くつきます。

しかし最近では人工衛星とか、人里離れた海辺の灯台や山奥の無電中継所のようにふつうの電気を利用できないところの電源に使われるようになりました。

太陽電池は、これからますます進歩することと思われます。

屋根いっぱいに太陽電池を張り、日が照ってさえすれば1滴のガソリンも使わずに何万キロメートルも走り続ける自動車かできるかもしれません。

また、広い砂漠に太陽電池を敷き詰めて太陽熱発電所をつくりそこを、すばらしい工業地帯に、つくりかえることも遠い夢ではないかもしれません。




タイトルとURLをコピーしました