毎日の動き
太陽は、毎日、朝になると東から昇り、夕方は西に沈みます。
月も、出入りの時刻は、毎日だんだんと遅くずれていきますがやはり、毎日東から出て、西に沈む動きを繰り返しています。
夜空の星に、たくさんあるので、なかなか太陽や月のように、はっきりと動きがわかりません。
しかし、毎日、同じような動きをしめしています。
観察
地平線に近いところに、明るい星が見えるときがよいのですがこの星が遠くにある高い木のこずえ、あるいは工場の高い煙突の先に見える場所を探します。
この場所に、チョークで、はっきり印をつけておきます。
そして、このときの時刻を時計ではかります。
1時間経ったら、またこの印の場所にもどり、さっきの星を見てみましょう。
これほど動いたかは、腕をまっすぐ伸ばし親指だけを立てて指の大きさの何倍あったかを目測すると、はっきりわかります。
そして、またつぎに1時間経ったときに、同じ場所にもどって観測します。
この観察を、あくる夜もやってみましょう。
はじめに見た同じ時刻に、同じ場所に立ってみると前日の星は、同じようにに、木のこずえ(煙突の先)に輝いています。
そして前日と同じ動きをしめします。
左の絵のように、ノートに記録して観察すると、さらによくわかります。
このようにして調べてみると、南のほうに見える星は、ゆっくりと大きな円を描いて左から右(東から西)へと動くことがわかります。
北のほうの星は、小さな円の上を、右から左へと動しています。
空の星は、まる1日かかると、そらを一回りして、おなじところにもどてきます。
太陽や月と同じように、1日1回、東から西に向かって空をまわっているのです。
これを天体の日周運動といいます。
天の北極
この動きを、もっとくわしく観察しましょう。カメラを使うとはっきりわかります。
カメラは正しく北に向け、分度器などを使って、地平線から35度くらい上に向けて動かないようにしっかり止め、シャッターを開いておきます。
そして、30分、あるいは1時間と時間を決め、開いたままにしておきます。
できあがった写真には、いくつもの星が、大小さまざまの円か描いています。
日周運動によってまわる星の動きが、きれいにフィルムの上に記録されたのです。
星の描く円の中心は日周運動の回転の中心で、これを天の北極といいます。
北後星に、天の北極のすくそばにある星で、ほかの星と同じように円を描いてまわっています。
この円の半径は、角度でいえば約1度で、満月を2つならべたほどの大きさです。
日周運動で星座の形はかわらない
北の空にある北斗七星は、7個の星がちょうどひしゃく形に並んでいることでよく知られています。
春のはじめ(3月ごろ)には、夕方、北斗七星はますを上にして北東の空に昇ってきます。
真夜中になると、こんどは北の空高く、ますの口を下にして横になります。
明け方には、北西の空に、えを上にして逆立ちをします。
このように、時間が経つにつれて、北斗七星の見える方向や、姿勢がかわりますがひしゃくの形が崩れるということはありません。
また、夏に見えるさそり座の大きなSの字形、あるいは冬のオリオン座にある3つ星もやはりいつまでもSの字、あるいは一直線の3つ星で、形はかわりません。
これは、大きな空のまる天井に、たくさんの星をはりつけてまる天井全体が、1本の軸のまわりをまわると考えればよいのです。
まる天井の回転と北斗七星の動きは、地球が自転しているために起こる見かけの運動なのです。