連星、変光星、新星とは? いろいろな星の違いとは?

恒星は、大きさや重さ、色など、星によって少しずつ違いますがみんな、輝いた大きなまるいガスのかたまりです。

原子核反応により、その中心部でエネルギーがつくられ、これを表面から熱と光として発散します。

大部分の星は、広い空間の中で、ただひとつで輝いています。
そして、大昔の星の観測結果を調べてみてもその明るさは、あまりかわっていません。

しかし、中には、いろいろとかわった星もあります。


連星

夜空をながめると、2つの星が、ごく近くに隣り合って、輝いているのがあります。
このような星を二重星といいます。

北斗七星のえの先から二番目のミザル星には、アルコル星という5等星があります。
これは、肉限でいちばんはっきりと見える二重星です。
さそり座のS字形の星の列の中にも、二重星が見られます。

肉眼では1つの星に見えても、望遠鏡では2つあるいは3つの星にわかれて見えるものがあります。
これらの星は、いままでに全部で2万個あまり発見されています。

このように2つならんで見えても、2つの星の距離は、全く違います。
ただ同じ方向にあたるために、近寄って見えているものもありあます。
これを見かけの二重星といいます。

これにたいして、実際に2つの星が近寄っていてお互いの引力で、太陽系のように軌道を描いててまわっている星があります。

これを連星といいます。
連星をつくる2つのうち、明るいほうを主星、暗いほうを伴星といいます。

見かけは1つの星ですが、分光器でスペクトルをとるとスペクトル線が規則正しく揺れ動くので、軌道を描く連星であることがわかります。

これを分光連星といいます。

おおぐま座のミザル星やおとめ座のスピカ星は、その代表的なものです。

分光連星は500個ほど知られています。
ペルセウス座のベータ星アルゴルは、ほぼ69時聞ごとに1回、二・二等から三・五等まで急に暗くなります。

これも一種の連星で、明るい星のまわりを暗い星がまわっています。
これを食連星といいます。食連星は2000個ほど知られています。



変光星

大部分の恒星は明るさをかえることはありません。
そのなかで、ある周期で規則正しく明るさをかえる星を変光星といいます。 

ケフェウス座デルタ星は、5日と9時間ごとに三・八等から四・六等まで、波形を描いて明るさがかわります。

このような星はたくさんありますが、星そのものがふくらんだり縮んだりして変光するものです。

これをケフェウス型変光星といいます。

ケフェウス型変光星では、変光する周期の長いものほど、星のものの明るさが明るく、この星のもつ周期をもとにして決めた明るさで、その星の距離がわかります。

このことを使い、違い宇宙にケフェウス型変光星が発見された場合にはこの宇宙の距離を決めるのに役立ちます。

くじら座オミクロン星ミラは、300日ほどの周期でゆっくりと二等から10等まで変光します。
このようなものを長周期変光星といいますがケフェウス型変光星ほど、規則正しくは変光しません。

新星

いままで、ずっと暗かった星が、数日のあいだに急に明るくなりまた、しだいに暗くなる星があります。

これを新星といいます。

このような星は、いままでに数十個発見されています。
これは星の表面に、激しい爆発が起こるためで普段の何万倍もの明るさにたっします。

新星よりさらに明るく、普段の明るさの何十億倍にもなって消えていく星を超新星といいます。

また、最近では、とかげ座・いて座などの中にあらわれた新星が日本の学者によって発見されました。




恒星の正体とは? 恒星の大きさと色と温度の違いとは?

恒星の大きさ

恒星は、太陽と同じような天体で、大きさや重さは、だいたい太陽に似ています。
太陽よりずっと大きい星を巨星(巨人の星)、太陽ぐらいのやそれより小さい星を、惑星(小人の星)といいます。

いままでに知られているうちでいちばん大きい恒星はケフェウス座ブィブィ星で直径は太陽の2500倍、つぎは、ぎょしゃ座イブシロン星で太陽の2000倍あります。

つぎに、オリオン座アルファ星(ベテルギウス)が1000倍、くじら座オミクロン星(ミラ)が880倍、はくちょう座32A星が700倍です。

これらは、超巨星とよばれています。

太陽と同じくらい、または太陽より小さい矮星が多くいちばん小さいのは、シリウスの伴星があり、太陽の直径の50分の1です。

これは、白色矮星とよばれる、特別な星です。
まだまだ、小さい恒星はあるでしょうが、発見されていません。


恒星の色と温度

夜空を眺め、星を見ると、ほしにはわずかに色がついています。
夏に見えるさそり座のアンタレスは、はっきりと赤く見えます。

また、冬の夜に見える、ぎょしゃ座のカペラは黄色の星でおおいぬ座のシリウスは青白く見えます。

星の色は、その星の表面の温度で決まります。
赤→黄→青と、だいたい、虹の色の並び方かにつれて温度は高くなり赤い星は3000度、カペラや太陽のように黄色の星は6000度、青白い星になると、1万度くらいのものもありあます。

直径が太陽の2000倍もある、特別大きなぎょしゃ座のイプシロン星は目に見える光は出さず、赤外線だけを出しています。

温度は1500度で、恒星としては最低のものです。

また、いろいろの星の光を分光器にかけて調べると太陽の光と同じように、何本もの暗い線のならんだ、虹模様が見られます。

星の色が違うと、この黒い線のならぶ藍様が違ってきます。
これは星の世界の原子が出すものです。

この虹模様の特徴を調べるとO・B・A・F・G・K・Mの型に仲間わけができます。

これをスペクトル型といいます。

このスペクトル型の順序は、高温の星から低温の星と温度によって並べた順序で色でいえば、O・B・A型は青白色、F・G型は黄色、K・M型は赤色になります。




恒星とは? 恒星までの距離と数とは? わかりやすく解説!

恒星とは

オリオン座や、おおぐま座などのような星座をつくっている星は自分で光をだして輝いています。

これらの星を、恒星といいます。

恒星は、大きさ・重さなどすべて同じように大きいのですが太陽とは、くらべものにならないほど暗く見えるのは、ただ、遠くにあるためです。

実際には、太陽の何千倍も明るい星が、いくつもあります。


星の明るさ

星の明るさをあらわすには、一等星・二等星という言葉を使います。

昔ギリシアの天文学者ヒッパルコスは、恒星のうちいちばん明るい20個あまりの星を一等星としました。

そして、だんぜん暗くなるにしたがって二等星、三等星とし、肉限でやっと見えるいちばん暗い星を六等星と決めました。

いまでは、一等星は六等星の約100倍の明るさで一等級のぼれば、星の明るさが2.5倍ずつ明るくなることがわかっています。

肉眼で見えない星も、もちろんありますが望遠鏡を使えば、どんどん暗い星が見えてきます。

六等星の2.5倍暗い星を七等星、そのまた2.5倍暗い星を八等星と以下九、10等星と続きます。

また、一等星の2.5倍の明るいものは0等星で0等星より明るいものは、マイナスという言葉を使います。
0等星より2.5倍明るい星は、マイナス一等星、そのまた2.5倍明るい星は、マイナス二等星です。

金星はいちばん明るいときにマイナス四等で満月はマイナス12等、太陽はマイナス27等というすばらしい明るさです。

二等星の明るさは、だいたい100ワットの電球を11キロメートル遠ざけたときの明るさにあたります。



恒星までの距離

地球から、恒星までの距離は、非常に遠いのでその距離をあらわすのにキロメートルを使っていたのでは、たいへんな数字になります。

私たちにいちばん近い恒星である太陽でも地球から1.5億キロメートルもあります。
そこで、恒星の距離をあらわすには、観測したり計算したりするのに便利なように光年という単位を使っています。

光は、1秒間に、空間を30万キロメートル(地球の赤道を7まわり半伸ばした長さ)伝わります。

この光でも、太陽から地球に届くまでは、8分あまりかかります。
太陽に続いて近い恒星は、ケンタウルス座アルファ星、およびプロキシマ星です。
ここから地球まで光が届くのには、4年4か月かかります。

光が1年間に届く距離は、約10兆キロメートルで、これを1光年といいます。

この単位を使うと、夜空に見える恒星でいちばん近いのは4.3光年のところにあるといえます。

これは太陽までの距離の、約30万倍遠いことになります。
星座をつくっている星は、何十光年、何百光年のものがふつうです。

いま太陽までの距離は光で8分あまりかかると書きましたが地球圏外に飛び出す秒速10キロメートルのロケットでまっすぐに進むとすると、166日めに着きます。

時速200キロメートルの電気機関車というと地球上では、かなり速いものですが、秒速ではわずか56メートルで太陽までは、約3万日つまり、85年近くかかります。

ところがケンタウルス座の星ではこれの30万倍の時間がかかるわけですから秒速10キロメートルのロケットで約13万年、時速200キロメートルの電気機関車ではなんと2500万年もかかることになります。

恒星までの距離を測るには、地球の公転軌道の直径の長さを利用します。
太陽のまわりを動く地球が、右の図のアのところから半年経つとイの点。
つまり軌道の直径の両方のはしにたっすることになります。

このいちばん離れた両点から見ると、同じ恒星でも、少し違った方向に見えます。

この2つの方向の違いの角度の半分を、視差といいます。
ア~イの長さは、地球・太陽間の距離の2倍の3億キロメートルでこの値と視差がわかれば、恒星の距離が計算されます。

視差の大きい恒星は近く、小さいものは遠くにあります。

恒星の数

私たちの目に見える六等星までの明るさの星は、全天でおよそ500個あります。
夜空に見えているのは、天球の上半分のものだけです。

雲やかすみのため、地平線近くで暗くかすんでいるものをのぞくと夜空に見えている星は、ふつう1000個くらいです。

しかし、街灯のある町の中では、六等星までは見えず見える星は、三等あるいは四等星までで、200~300個くらいしかおりません。

望遠鏡を使うと、もっと暗い星が見えます。
しかも暗い星ほど数が多く、とくに天の川一帯には暗い恒星がたくさん集まっています。

天の川は、私たちの宇宙の姿をしめすものです。
これは全体で1000億個の恒星の集まりです。

私たちが夜空にながめる星は、ほとんど、この天の川宇宙に属するものばかりです。




星座の動きとは? 恒星と惑星の見分け方とは?

一年間の星座の動き

毎日、たとえば午後8時と時刻を決めて星空をながめると見える星空は、季節によって、だんだんとかわります。


春に見えていた、獅子座・乙女座の星が、夏には西空に沈み、天の川を中央にさそり・座・いて座や、七夕の星がならびます。

秋の星座はペガスス座・うお座・やぎ座など、数は少なくなりますが冬には、オリオン座・おうし座・おおいぬ座・こいぬ座などたくさんの星座がならびます。

これは、地球の公転運動と関係があります。

昼間、星が見えないのは、太陽の強い光に消されてしまうからで星そのものが消えてしまうのではありません。

金星がいちばん明るいときには、昼間でも見えることがあります。

ところで、太陽と同じ方向にある星座は昼間は太陽の星で見えませんし日の出まえ、日の入り後も、太陽とともに地平線より下にあるので見えません。

太陽が沈み、空が暗くなると、太陽の東側(左)に続く星空が夕方に見える星座として輝くのです。

ところが、太陽と同じ方向に見えるのは、年中同じ星座ではありません。
地球は、太陽のまわりを軌道を描いて、西から東へ公転しています。

動いている地球上からながめると、太陽は、黄道上の星座のあいだを西から東へ、少しずつ動いて見えます。

太陽は、1年かかって黄道上を360度、つまり、ひとまわりするので、1日では約1度、東にうつるわけになります。

こうして星座は、太陽にたいして、1日に1度ずつずれていきます。

私たちの使っている時間は、太陽が地平線から出入りする時刻をもとにして決めたものです。

この時間ではかると、同じ星の出入りの時刻は、毎日4分ずつ早くなります。

こうして、3か月つまり、一季節がすぎると、太陽は黄道上を90度東へうつり同時に、夕方見える星座も、東のほうへ90度うつります。

季節によって違った星座が見られ1年で一回りするのです。



恒星と惑星

星座をつくっている星を、恒星といいます。
夜空には、このほか太陽系の中の地球の兄弟星である、惑星も輝いています。

惑星を、毎日続けて観察していると、惑星は星座のあいだをぬって、ぐんぐんと動いていることがわかります。

星を研究するには、恒星と惑星を見分けることが大切です。

恒星と惑星の見分け方

① 恒星はまたたきますが、惑星はまたたきません。

天体の光は、私たちの目に届くまえに、地球をとりまく空気の層を通り抜けてきます。

この空気の層は、風とか対流とかで、いつもゆらゆらと動いています。
恒星は、見かけの大きさが小さく、その細い光はこの層によってみだされて、途中で千切れてしまい、ちかちか、またたくのです。

けれども、惑星は、その光も太い束で、少しぐらいみだされても全体としては、またたきません。

春の野に見えるかげろうの向こうにある山のように大きいものの姿は、あまりちらつきませんが、細いたち木などが、ゆらゆらと形がゆれて見えるのと同じことです。

② 望遠鏡で見て、まるい形が見えれば惑星で恒星は、どんなに大きく見える望遠鏡でも、点にしか見えません。

③ だいたい、惑星の主なものは、明るく見えます。

金星・火星・木星・土星は、どれも、ふつうの星よりはるかに明るいので目につきやすく、夕方「いちばん星見つけた」と歌われるのは惑星の場合が多いのです。

このようにして、見つけた明るい星で、星図にのっていないものは必ず惑星です。

惑星の位置は天体暦や天文年鑑を見ればのっていますからこれで調べておけば、間違いありません。

また、惑星は、太陽の通り道である、黄道の近くを動いています。
そのため、惑星が飛んでもない方角にあらわれることはありません。




恒星の位置の表し方とは? 周極星と出没星とは?

恒星の位置のあらわしかた

地球をとりまく空間を1つの大きな天球と考え地球から遠い星も近い星も距離を考えないで、右下の図のように、すべての星が天球上にくっついているものと考えます。

そして、この天球上に地球と同じように緯度・経度に相当するものを決めておきます。


北の空を見るとわかるように北極星を中心にしてそのまわりのすべての恒星が、まわっています。
ごれは、地球が自転しているために起こる現象です。

そこで、わかりやすく便利なように地球の自転軸が天球とまじわる点を天の北極としそれと反対側の点を天の南極とします。

さらに、地球の赤道を天球上に延長したものを天の赤道とします。

ここで、天球上の天の赤道を0度とし、天の北極をプラス90度、天の南極をマイナス90度とします。

これは地球上の緯度に相当するもので、赤緯といいます。
また天球上の春分点を0度とし、その点から東まわりに一周を24時としたものを赤経といい、これは経度に相当するものです。

このように、天球を赤経・赤緯であらわしたものを天球座標といいます。

たとえば、シリウスを天球座標であらわすと赤経6時42.9九分、赤緯マイナス16度39分となります。

日周運動の起こるわけ

日周運動に、なぜ起こるのでしょうか。

いままでは、ずっと星空がまわるとかいてきましたし大昔の人も、そのように考えていたのです。

ところが16世紀に、コペルニクスという天文学者があらわれ本当に、星座が動くのではなく、地球が西から東へと自転するためであることを発見しました。

汽車に乗って窓から外を見ていると止まっているはずの外の景色が、後へ後へとと、飛んでいくように見えます。

これと同じように、止まっているはずの星が、東から西へ動くように見えるのです。

天の北極というのは、実はこの地球の自転軸をずっと伸ばし天球に突き当たったところなのです。



周極星と出没星

北極星や北斗七星のように、天の北極の近くにある星は、日周運動をしても
地平線の下に沈むことはありません。

このような星を、周極星といいます。
これにたいして、毎日、東の地平線から昇り西の地平線に沈む星を出没星といいます。

星空の回転の中心は、天の北極と正反対の方向にもう1つあり、これを天の南極といいます。
しかし、天の南極に、日本では、地平線の下にあたるので見えませんし天の南極近くにある南十字星や、マゼラン雲も、日本では見えません。

北極の空・赤道の空・南極の空

北極にいくと、天の北極は頭の真上にあり星はみな、このまわりを右から左へと地平線に平行に動きます。
北極地方では、夜空の星はどれも周極星で、出没星はありません。

また天球の南半分(南天)の星はひとつも見えません。
北極地方の1年は半年が夜ばかりの冬です。

この冬のあいだ天球の北半分(北天)のすべての星が水平に日周運動を繰り返すのがながめられます。

赤道地方では、地軸は水平になり、天の北極は北の地平線、天の南極は南の地平線になります。
空に見えるすべての星は出没星で、東の地平線から垂直に昇り西の地平線に垂直に沈みます。

赤道を越えて、南半球の地方に入ると天の北極は地平線の下に沈み、反対に天の南極が南の地平線の上にあがってきます。

南極地方にいくと天の南極は頭の真上にきます。
北極が半年のあいだ昼ばかりの夏のとき、ここでは、夜ばかりの冬です。

この半年のあいだは南天の星が、こんどは左から右へと日周運動を繰り返すのが見られます。

しかし、北天の星は、ひとつも見ることができません。




星空の動きとは? 星空の動きの観察の仕方とは? わかりやすく解説!

毎日の動き

太陽は、毎日、朝になると東から昇り、夕方は西に沈みます。

月も、出入りの時刻は、毎日だんだんと遅くずれていきますがやはり、毎日東から出て、西に沈む動きを繰り返しています。

夜空の星に、たくさんあるので、なかなか太陽や月のように、はっきりと動きがわかりません。

しかし、毎日、同じような動きをしめしています。


観察

地平線に近いところに、明るい星が見えるときがよいのですがこの星が遠くにある高い木のこずえ、あるいは工場の高い煙突の先に見える場所を探します。

この場所に、チョークで、はっきり印をつけておきます。
そして、このときの時刻を時計ではかります。

1時間経ったら、またこの印の場所にもどり、さっきの星を見てみましょう。
これほど動いたかは、腕をまっすぐ伸ばし親指だけを立てて指の大きさの何倍あったかを目測すると、はっきりわかります。

そして、またつぎに1時間経ったときに、同じ場所にもどって観測します。
この観察を、あくる夜もやってみましょう。

はじめに見た同じ時刻に、同じ場所に立ってみると前日の星は、同じようにに、木のこずえ(煙突の先)に輝いています。

そして前日と同じ動きをしめします。
左の絵のように、ノートに記録して観察すると、さらによくわかります。

このようにして調べてみると、南のほうに見える星は、ゆっくりと大きな円を描いて左から右(東から西)へと動くことがわかります。
北のほうの星は、小さな円の上を、右から左へと動しています。

空の星は、まる1日かかると、そらを一回りして、おなじところにもどてきます。
太陽や月と同じように、1日1回、東から西に向かって空をまわっているのです。

これを天体の日周運動といいます。

天の北極

この動きを、もっとくわしく観察しましょう。カメラを使うとはっきりわかります。

カメラは正しく北に向け、分度器などを使って、地平線から35度くらい上に向けて動かないようにしっかり止め、シャッターを開いておきます。

そして、30分、あるいは1時間と時間を決め、開いたままにしておきます。
できあがった写真には、いくつもの星が、大小さまざまの円か描いています。

日周運動によってまわる星の動きが、きれいにフィルムの上に記録されたのです。

星の描く円の中心は日周運動の回転の中心で、これを天の北極といいます。

北後星に、天の北極のすくそばにある星で、ほかの星と同じように円を描いてまわっています。

この円の半径は、角度でいえば約1度で、満月を2つならべたほどの大きさです。



日周運動で星座の形はかわらない

北の空にある北斗七星は、7個の星がちょうどひしゃく形に並んでいることでよく知られています。
春のはじめ(3月ごろ)には、夕方、北斗七星はますを上にして北東の空に昇ってきます。

真夜中になると、こんどは北の空高く、ますの口を下にして横になります。
明け方には、北西の空に、えを上にして逆立ちをします。

このように、時間が経つにつれて、北斗七星の見える方向や、姿勢がかわりますがひしゃくの形が崩れるということはありません。

また、夏に見えるさそり座の大きなSの字形、あるいは冬のオリオン座にある3つ星もやはりいつまでもSの字、あるいは一直線の3つ星で、形はかわりません。

これは、大きな空のまる天井に、たくさんの星をはりつけてまる天井全体が、1本の軸のまわりをまわると考えればよいのです。

まる天井の回転と北斗七星の動きは、地球が自転しているために起こる見かけの運動なのです。




星座の起こり、起源とは? わかりやすく解説!

夜空には、たくさんの星が輝いています。

どの星もぴかりと光る、小さい光の点に見えますが明るい星、暗い星、赤い星、青白い星などさまざまでまたその並びかたも、とくに、規則正しくなっているわけではありません。


ただ、ぼんやりと星空を眺めているだけではそれがなんの星か、なかなか見分けがつかないものです。

そこで、星を区別し覚えやすいようにいくつかの星をまとめて星座というものが考えだされました。

世界で古くから文化がひらけたのはアジア西部のチグリス川・ユーフラテス川流域、エジプトのナイル川流域、インドのインダス川・ガンジス川流域、中国の黄河流域の4地方です。

これらの地方では、いずれも大きな川の下流にある平野を中心にして人々はよく肥えた土地と豊かな川の水を利用して、農業にはげんで生活していたのです。

昔の人にとって、穀物の種は、いつまいたらよいかまた、いつとり入れをするかを決めることは、なかなか難しいことでした。

このためには、さまざまな方法で、「暦」というものが決められました。

これには、月の満ち欠けとか、星空の動きなど規則正しく起こるできごとが利用され、そして、かなり古くからはじめられていました。

私たちが、いま使っている星座は、いまから数千年まえチグリス川・ユーフラテス川地方にいた羊飼いたちによってはじめられたといわれます。

羊飼いたちは、夜ごとの羊の番に、空を見上げ明るい星をつないでつくった図形に、家畜や家具の姿をなぞらえました。

そしてまた、惑星の動きをもとにした星占いで、自分の未来を占いました。

惑星の通り道である、黄道付近には、12個の星座が定められ暗い星の配置も、くわしく観察していました。

バビロニア人の星の知識は、のちにこの地方に王国を築いたカルデア人の手に受け継がれました。

バビロニアでは、日食・月食・彗星のあらわれ惑星の動きなどの天体の様子をもとに、星占いで予言しました。

そして、この予言は、国の政治に取り入れられるようになり王国には多くの星占いをする人が雇われて、天体観測をしました。

いま、この地方で発掘されている、くさび形文字を刻んだ粘土板にはそのころの観測記録で星占いの予言が書いてあります。

紀元前7世紀には36個の星座ができ、獅子・乙女などいま使われているものもあらわれています。



バビロニアの天文学は、ほかの文化と同じように貿易を仕事としたフェニキア人の手でギリシアに伝えられました。

バビロニア人が星の描く図形にあてはめた人物もギリシア神話に出てくるかみや英雄にかわっています。

またギリシア人の使う器具にかたどった星座もあります。

ギリシア時代のおわりごろ、アレキサンドリアの天文学者ブトレマイオスはこれを48個の星座にまとめました。

大熊・小熊・オリオン・ヘラクレス・ペルセウス・アンドロメダなど私たちの使う星座の大部分に、このギリシア時代のものを、そのままに取り入れています。

近世に入り15世紀末になると、ヨーロッパから南アフリカをまわるインド航路アメリカ大陸の発見といったように、遠洋航海が発達しました。

それまでは、岸づたいに地図を頼りにに船をすすめましが大洋に乗り出すようになってからは、星空に頼って方角を決めていました。

こうして、航海術がすすむとともに、天文学も発達しました。
いままでヨーロッパ人の知らなかった南半球に船をすすめ新しい星があることを発見しました。

17世紀に、バイエルは、南の空に12個の星座を、新しくつくりました。
クジャク・カジキ・トビウオ・カメレオンなど珍しい熱帯動物の名前がつけられています。

また、望遠鏡が発達するにつれて、しだいに暗い星まで観測されるようになりました。
いままでの明るい星座のあいだの部分にも、小さい新しい星座が、つくられました。

ヘベリウスはキリン・トカゲ、猟犬などと動物の名をラカイユは望遠鏡・顕微鏡・時計・ポンプなどと器械の名をそのほかたくさんの天文学者が、めいめい勝手な星座をつくりました。

このため、同じ星座が、人によって違った名前で、よばれることがありました。

そこで、1922年、天文学の国際会議で、全天を線で区切りたくさんの星座を88個の星座(黄道星座12・北天星座28・南天星座48)に正式に整理されました。

これが、いま世界中で、広く使われている星座です。

星の名前

星座は、星の描く図形に、物の姿をあてはめたもので、星を覚えるのに、なによりの手がかりになります。

また日本全体をたくさんの県にわけたように、全天を88個にわけた小区分で
天体の見える位置が、どの方向かをしめすのに役立ちます。

星の名前も、この星座を使ってよばれることがあります。

とくに明るい星は、昔から多くの人に見られシリウス・アンタレス・ペガ・アルタイルなどという名前でよばれています。

それもギリシア・ローマ時代や、イスラム教がさかえた時代につけられた名前が、そのままに使われています。

これは、長い天文学の歴史をしめしているのです。

いちばんふつうに使われるのは、1つの星座の中で明るいほうからアルファ・べータ・ガンマ……とギリシア文字のアルファベットを使ってしめす方法です。

たとえばシリウスはおおいぬ座アルファ星、アルタイル(けん牛星)は、わし座アルファ星とよばれます。

光をかえる変光星、急に明るさがます新星も、その星の見える星座によって名前をつけます。

星団・星雲も、有名なものは、オリオン星雲・ヘルクレス星団などと星座名でよばれることがあります。




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