赤道儀
長い時間、同じ星を観測するとき望遠鏡を台につけておくと天の日周運動によって星はすぐに望遠鐘から見えなくなります。
星の動きにあわせて、動かすことのできる望遠鏡を赤道儀といいます。
赤道儀のおもな部分は、極軸と赤緯軸との2本の軸です。
極軸は地球の自転軸にあわせ、天の北極、南極に向いた1本の軸です。
赤緯軸は、これに直角に向いた軸で先に望遠鏡の筒が直角についています。
この2本の軽のまわりに鏡筒をまわすと天のどの方向にも向けることができます。
いちど、ある星を視野(見える範囲)にいれればあとはモータや重りのしかけで、望遠鏡は極軸ごといつまでも日周連動をおいかけて同じ星をねらえるようになっています。
赤道儀のいろいろ
赤道儀こは、いろいろの型があります。
いちばんふつうにあるのは、極軸を中央の一か所でささえたものでドイツ式といい、東京天文台の65センチ望遠鏡の赤道儀がそれです。
大望遠鏡では極軸の両端2か所で支えられているものがありこれをイギリス式といいます。
1960年、岡山天体物理観測所に完成した188センチ望遠鏡はこの型です。
また、極軸の先に2本の手がわかれこれに望遠鏡のついているのをフォーク式といいます。
岡山天体物理複測所の91センチ望遠鏡がその一例です。
アメリカのパロマー山天文台の508センチ望遠鏡ウィルソン山天文台の258センチ望遠鏡はこれらとは違った特別の型の赤道儀を使っています。
このほか、日周運動をおいかける機械としてはシーロスタットがあります。
これは2枚の平面鏡の組み合わせでやはり、極軸のまわりにその1つの鏡を回転させ日周運動で動く太陽からの光を、定まった方向に反射させつものです。
糖の上のドームの頂上におき、太陽研究によく使われます。
天体観測にはこのほかに、子午儀という器械を使います。
これは、望遠鏡を東西こ向いた水平の軸で支えたもので望遠鏡の筒先は、子午線(真北・真上・真南をむすぶ線)にそってだけ動きます。
天体の子午楾を通る時刻をはかり星の赤経、赤緯や時刻を決めるのに使われます。
午儀に星の赤緯を読み取るための目もりの環をつけた大型の機械を子午環といいます。
近頃では、時刻を決めるのに写真天頂筒という機械を使っています。
これは、真上を向くようにとりつけたカメラで真上近いところで、子午線を通る星の動きを、かん板上に記録します。
人工衛星を撮影するにはとくに口径比 (レンズの直径を焦点距離で割った値)の小さい明るいカメラを使います。
東京天文台にあるのは、べーカーナン=シュミットカメラでとくに明るく、また人工衛星の軌道にあわせてすばやく筒先を動かす装置がついています。