雨雲と雨のできかたとは? 人工降雨とは? わかりやすく解説!

気象

雲の粒の大きさは、直径が平均して、0.02ミリくらいですが雨粒は、ふつう1~2ミリくらいあります。

雲の粒と雨粒の1個ずつの重さをくらべてみると、大きな雨粒は、雲粒の100万倍もあります。

雨粒は雲の中でできることはわかりますが、大きな雨の粒にまでどのようにしてなるのでしょうか。


雨を降らせる雲

雨を降らせるような雲は、うすい雲の中ではできないで、厚い雲の中にできます。

絹雲や絹層雲は、うすい雲ですから、雨を降らせません。
層積雲や積雲も、やや厚い雲ですが、雨をほとんど降らせません。

雨を降らせる雲は、積乱雲・高層雲・乱層雲などのように、たいへん厚い雲です。
雨を降らせる厚い雲は、山脈にそって空気が上昇するときや低気圧・温暖前線・寒冷前線の付近にできます。

前線が西から東へ進んでくるとき、雲の形や雨の降りかたがどのようにかわるかを調べてみましょう。

はじめは、絹層雲(うす雲)が西の空にあらわれだんだんに頭の上に広がり、空をおおってきます。

このとき、太陽のまわりにかさができます。
この雲は、だんだん厚くなり、かさは消えてしまい、高層雲(おぼろ雲)になります。
このころは、また雲を通して、太陽がぼんやり見えます。

前線が近づいてくると、雲はさらに厚くなり、ついに乱層雲(雨雲)になります。
この雲が近づくと、雨がぼつぼつ振りはじめ、乱層雲の下では、雨が降り続きます。
雲の厚さは、うす雲・おぼろ雲・雨雲の順に厚くなっています。



雨のできかた

雲の中での、雨のできかたには、いろいろありますが日本などで降る雨の原因は、つぎのように考えられています。

雲が成長しはじめ、高い空にまでも上昇すると、温度の低い雲の中では小さい氷の結晶があらわれます。

これを氷晶といいます。

雲をつくっている水粒は、0度以下の温度でも必ずしも氷になっているわけではなく、むしろ、零下15度くらいまでは水滴になっています。
このように0度以下になっても氷にならないでいる状態を過冷却の状態といいます。

垂直に高く伸びた雲では、氷晶だけからなるところ、氷晶と過冷却の水粒からなるところ水粒からなるところと大きく3つの層からできています。

このような雲で、氷晶と過冷却の水粒が混じっているところでは水粒がどんどん蒸発して、そのぶんだけ水晶は大きくなって雪の粒となりやがて落ちはじめます。

雪の粒は、落ちる途中、まわりの水粒と衝突つしながらますます大きくなり、下のほうで暖められて溶け、雨粒となります。

とくに、落ちる途中、気温が低いと溶けることなく、そのまま地上に落ちてきます。

これが雪です。

上昇気流が激しい場合には、雲の底のほうまで落ちてきた水粒や氷晶がふたたびふき上げられて、互いにくっつきながら大粒の雨や、あられ・ひょうなどになって降ってきます。

人工降雨

人工的に雨を降らせることが、試みられています。
1つは、雨になりやすい雲があるとき、ドライアイスをその雲の中にまき雲の温度を下げて、雨のもととなる氷晶をつくることです。

もう1つは、ヨウ化銀の微粒子を煙りとして立ち上らせこの微粒子が過冷却の水粒の中に入ったとき、この粒子を核として氷晶をつくらせることです。

いずれの場合も、雲の中に雨のもととなる氷晶をつくらせることですが雨を降らせることは難しくまだ、実用化はされていません。




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