レンズの種類とは?レンズを通る光の進み方とは?

熱・音・光

レンズの種類

ガラス・水晶・プラスチックなどのように透明な物の両面を球面、あるいは球面と平面に磨いたものを、レンズと言います。

光は、空気からレンズに入るときと、レンズから空気に出るときにそのさかいの面で屈折して、進む方向をかえます。

このレンズの性質を利用して小さな物を見るための顕微鏡、遠くのものを見るための望遠鏡、測量器械・カメラ・撮影機・映写機・眼鏡などいろいろな光学器械がつくられています。

レンズは、これらの器械の中心となるはたらきをしています。

レンズには、いろいろな形のものがありますがそのはたらきによって、凸レンズと凹レンズの2つにわけられます。


凸レンズ

下の図のように、ふちの部分より中心のほうが厚くなっているレンズを、凸レンズと言います。

凸レンズは、虫眼鏡や年よりの人がかける老眼鏡などのレンズに使われています。

凹レンズ

ふちの部分より、中心のほうがうすくなっているレンズを、凹レンズと言います。

凹レンズは、近視の人がかける眼鏡などに使われています。

レンズを通る光

レンズを通る光の屈折のしかたは、レンズの形によってたいへん違います。

実験

凸レンズ・凹レンズと紙を用意します。
レンズに太陽の光が直角に、あたるようにして紙にレンズを通ってきた光をあてます。

この紙を、レンズからだんだん遠ざけてみましょう。

凸レンズでは、はじめはレンズと同じくらいの面積が明るくなっていますが遠ざけるにしたがって、だんだん明るい部分

が小さくなり、やがては小さな点になります。
しかし、さらに紙を遠ざけると、明るい部分は広がっていきます。

凹レンズでは、紙を遠ざけていくと、明るい部分は大きくなっていきます。

このように、凸レンズは光を集め、凹レンズは光を広げる性質があります。

レンズの焦点

凸レンズでは、レンズからある距離のところに光が集められて小さな点となります。
この点は、光が集まって温度が高くなるので、紙などをそこにおくと、こげだします。

この点が、凸レンズの焦点です。

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凹レンズでは、レンズから紙を遠ざけていくと明るい部分がだんだん大きくなるため、レンズのうしろ側には焦点はありません。

しかし、図のように、レンズを通った光を反対の方向に伸ばすと、一点に集まります。

この点が、凹レンズの焦点になります。



レンズの焦点距離

レンズの中心から焦点までの距離を、レンズの焦点距離と言います。

光がレンズの左からきたとき焦点は凸レンズではレンズより右、凹レンズでは左にできます。

また、光が右からくれば、凸レンズでは左、凹レンズでは右にできます。
このように、1つのレンズには焦点が2つあり、焦点距離は、どちらも同じです。

実験

ボール紙で、図のような箱をつくり1つの箱をもう1つの箱にさしこんで、動かせるようにします。

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外側の箱のはしに、レンズの直径の半分ほどの間隔で、細長い穴を2つあけます。
そして、その上に焦点距離を測ろうとするレンズをのせてセロハンテープでとめます。

内側の箱のはしには、半透明の紙か、すりガラスをつけます。
用意ができたら、レンズのついているほうを太陽に向けます。

凸レンズのときは内側の箱を動かし、2本の明るい線が小さな点になる位置を決めます。
このときのレンズからすりガラスまでの長さが、焦点距離です。

凹レンズのときは、レンズのところにあけた穴の間隔のちょうど2倍の間隔の目印を、すりガラスの上につけておきます。

そして、2本の明るい線がこの目印と重なる位置を探します。
このときのレンズからすりガラスまでの長さが、焦点距離となります。

このようにしてレンズの焦点距離を測ると中心とふちの厚さの違いが大きいほど、焦点距離が短いことが、わかります。

レンズの軸

下の図のように、レンズの表面を通る円の中心を、球の中心と言います。
この球の中心とレンズの中心とをむすんだ線を、レンズの軸と言います。

レンズのはたらきとプリズム

凸レンズは光を集め、凹レンズは光を広げるはたらきがあります。

このようなレンズのはたらきは、レンズは厚さと角度とがだんだんかわるプリズムからできていると考えれば、よくわかるでしょう。

プリズムは光を屈折させて、光の進む方向をかえます。
このとき光は、いろいろな色にわかれます。

しかし、プリズムの光を屈折させるはたらきが小さいときにはプリズムは、ただ光の方向をかえるだけということもできます。

プリズムでは、光はプリズムの厚いほうへ曲げられます。
また、レンズでも同じように、レンズの厚いほうへ光は曲げられます。
そして、光の曲がり方は、レンズの軸から離れるほど大きくなります。

そのため凸レンズは、はしの部分より中心のほうが厚くなっているので光が集まるのです。
反対に凹レンズは中心がうすく、はしのほうが厚くなっているので、光が広がるのです。

ところで、レンズに入ってきた光はレンズの面で一度屈折し、光がレンズからでるときも屈折します。

そのとき、光は、平らな面で屈折するのと同じように屈折します。

レンズを通る光の進み方

凸レンズでは、レンズの軸に平行に進んできた光はレンズを通るときに曲げられて、焦点を通るように進みます。

また、焦点を通るように進んできた光は、レンズを通ると軸に平行に進みます。

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凹レンズでは、軸に平行に進んできた光はレンズを通ると、図のように焦点から出たように進みます。

また、むこう側の焦点にむかう光は、レンズを通ったあと、軸と平行に進みます。




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