光の屈折とは?水中にある物の見え方とは? わかりやすく解説! 全反射とは?

熱・音・光

水中にある物の見え方

水の中に沈めた物を、水面の上から見ると実際より浅いところにあるように見えます。

これは、その物から出た光が、水面で屈折して目に入るからです。
つまり、その光を反対に伸ばした方向に、その物があるように見えるわけです。

光が、空気中から水中に入るときの屈折率は、4/3です。
言いかえると、空気の水にたいする屈折率は3/4になります。

そのため、水の中にある物は、本当の深さの3/4の深さのところにあるように見えるのです。

川を渡ろうとして、浅いと思ったのに、川が深くて驚いたり棒を水の中につけると、水面から下が折れているように見えたりします。

これも、空気と水のさかいで、光が屈折するからです。


実験

茶碗に小石を入れて、その小石が茶碗のふちに隠れて見えないような位置に目をおきます。

つぎに目の位置をそのままにして茶碗に水を入れていくと、小石が見えるようになるでしょう。

これは、はじめ小石と目のあいだには空気しかなかったので光がまっすぐ進み、茶碗のふちに邪魔されて、小石が見えなかったのです。

ところが、茶碗に水を入れると小石から出た光が水面で屈折し目の方向に進むようになるので、見えてくるのです。

平行ガラスを通る光

ガラス窓を通して外の景色を見ると、曲がって見えることがあります。

外からきた光は、空気からガラスの中に入るときとガラスの中から空気中にでるときとの2回屈折してから、目に届きます。

このとき、ガラスの厚さがどの部分も同じだと、どこからでた光も同じように屈折するので、またそのまま目に入ります。

しかし、ガラスの表面にでこぼこがあると屈折のしかたがいろいろになるので物がゆがんで見えます。

つぎの実験で、光がガラスで屈折する様子を調べてみましょう。

実験

顕微鏡に使うスライドガラスを何まいかあわせたものを左の図のように白紙の上にたて、その位置を紙の上に書きとっておきます。

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ガラスのむこう側に、虫ピンAとBをたてガラスごしにA・Bが一直線に見えるところに、虫ピンCとDをたてます。

ガラスをとりのぞき、ABをむすぶ線とCDをむすぶ線をそれぞれガラスの面まで伸ばすと、ABをむすぶ線とCDをむすぶ線はガラスの面で曲がっていることがわかります。

また、ABをむすぶ線とCDをむすぶ線は互いに平行になっていることがわかります。



全反射

金魚鉢の中を、図のように、水面の下から見ると水面が鏡のように光り、金魚が逆さまにうつっているのが見えることがあります。

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実験

ガラスの水槽の中に石鹸水をうすく溶かして入れ水の上には煙りを入れて、ふたをしておきます。

小さな穴を中心にあけた黒い紙でふたをした懐中電灯で図のように照らします。

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入射角をだんだん大きくしていくと、水面から出た光の屈折角は入射角より大きいので入射角がある角度(約48.5度、これを臨界角という)を越えると水面からでないで、反射するようになります。

けれども、屈折率の小さい物から大きい物へと光が進むときは入射角をどのようにかえても、このような反射は起こりません。

ふつう、光が水面にあたったときは一部の光は屈折して空気中にでますが、残りの光は反射します。

ですから、反射光線も屈折光線も、もとの光より弱くなります。

ところが入射角が臨界角を越すと全部の光が反射するのでもとの光と同じ明るさになります。

このような反射を全反射と言います。

木の葉にたまった水滴や水中の泡が銀色に光って見えるのは、みな、全反射のためです。

直角プリズムによる全反射

直角二等辺三角柱のガラスを、直角プリズムと言います。
全反射は、光がガラスから空気に進むときにも起こります。

この場合、ガラスの臨界角は、約42度です。

直角プリズムに、光を右の図のようにあてると入射角が45度なので、全反射が起こって、光の進む方向がかわります。

どんなに磨いた金属でも、光を全部反射することはできません。

ところが、全反射を利用すれば、光の強さを弱めないで方向をかえることができます。

ですから、双眼鏡や望遠鏡には、直角プリズムが使われています。




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