融解と凝固とは?融解熱・過冷却とは? わかりやすく解説!

融解と凝固

氷やろうは、熱するとだんだん溶けてきます。
このように、固体が液体になることを融解といいます。


融点

融解が起こる温度を融点と言います。
また、水の温度を下げていくと氷になるように液体が固体になることを、凝固と言います。

このときの温度に、だいたい融点と同じです。

鉄や銅も、溶鉱炉では、どろどろに溶けますし、マグマは岩の溶けたものです。

このように、固体は高温に熱すると、融解して液体になります。
木や炭などのように、融解する前に燃えてしまう物は空気が入らないようにして熱しなければなりません。

実験1

ナフタリンの粉を試験管に入れ、水銀温度計をさしこみ管球部をこの粉で包むようにしておきます。
試験管をビーカーの中の水につけて水をゆっくり熱します。

80℃になると、ナフタリンは融解しはじめます。
ナフタリンが溶けてしまうと、温度は80℃以上に上がります。
このように、ナフタリンの融点は、80℃です。

実験2

小さなビーカーに、パラフィンを削って、たくさん入れます。
水を入れたなべにビーカーをつけ、水を熱していくと、パラフィンは融解してきます。
全部溶け終わってから水銀温度計でパラフィンの温度を測ると77℃くらいになるでしょう。

つぎにビーカーを外にとりだして、温度計で静かにかきまわしながら、冷やします。
58℃くらいになると、透き通った液と、白くかたまりだしたパラフィンが混じって温度がだいたい一定します。

55℃ぐらいになると、全体がアイスクリームのようになり54℃ぐらいまでこのままで、しだいに固まってきます。
このようにパラフィンの融点は、4℃ぐらいの幅があります。

いろいろな物の融点

たいていの固体は融解するときの温度が決まっています。
しかし、パラフィンのように熱していくと何度で融解したのかはっきりしなくまた、冷やしていっても、何度で固まったかはっきりしない物もあります。

ガラスなども、こういう性質の物です。

金属の融点は、水銀などの例外はありますが、たいてい100℃以上です。
しかし、すずや鉛などで合金とつくると、100℃以下で融解する物をつくれます。

ビスマス50グラム、鉛24グラム、すず24グラム、カドミウム12グラムの割合でできている合金を、ウッド合金と言いますがこれは70℃ぐらいで、融解します。

ウッド合金は、このような低い温度で溶けるので、自動消火栓などに使われています。
これは、火事になって温度が上がると、水道栓にとりつけてあるウッド合金が溶け水がふきでるようになっています。

また、はんだ付けに使うはんだは鉛2、すず1の割合の合金で、融点は、240℃です。

電気のヒューズも、やはり融点の低い合金です。



いろいろな物の融解熱

氷を融解して水にするためには、融解熱が必要です。
同じように、ナフタリンや鉛などを融解して液体にするためにも、融解熱が必要です。

1グラムの固体を、融点で、同じ温度の液体にするために必要な熱を融解熱と言います。

ベンゼンの融解熱は30.1カロリー、鉛の融解熱は5.5カロリーです。
水銀の融点は、零下38.8℃で融解熱は2.7カロリーです。

氷の融解熱は80カロリーですが、アルミニウムは、融点が660℃でその融解熱は氷より大きく、95カロリーもあります。

凝固

液体が固体になることを、凝固と言います。
凝固する温度を、凝固点と言いますが、この温度は融点と同じです。
それで、凝固点という言葉は、あまり使いません。
液体が凝固するときには、液体から凝固熱をとらなければなりません。

水を凍らせるときに、水から熱をとらなければならないのと同じです。
凝固熱の大きさは、融解熱の大きさと同じです。

それで、凝固熱という言葉は、あまり使いません。

過冷却

液体を静かに冷やしていくと、融点まで冷えてきても固まらず融点以下に下がってから、凝固することがあります。

このことを、過冷却と言います。

たいていの液体は静かに冷やしていくと過冷却になります。
水でも、零下10℃くらいまで、過冷却させることができます。

実験

写真の現像に使うハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を小さなフラスコに入れて熱します。
すると、48℃で溶けますが、全部溶けて60℃くらいになったら火からおろして、中に温度計を入れたまま空気中で静かに冷やします。

すると、48℃になっても凝固しません。

過冷却した液をかきまぜたり、ハイポの粒を1つ入れると急に塊はじめ温度は48℃までのぼるでしょう。




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