たんぱく質と酸
牛乳に酸を少しくわえるとカゼインというたんぱく質が沈殿して白いかたまりができます。
また、牛乳が古くなっても白いかたまりができます。
これは、牛乳の中にある乳糖が、乳酸菌によって乳酸にかわりこの酸のはたらきによって、カゼインが沈殿するからです。
牛乳が新しいか古いかを検査するのに乳酸の量をはかるという方法がありますが乳酸の量が多いほど、古い牛乳ということになります。
たんぱく質を、濃い酸といっしょに長い時間熱するとたんぱく質は分解して、いろいろのアミノ酸になります。
味の素の商品名で知られている化学調味料はグルタミン酸というアミノ酸のナトリウム塩でたんぱく質を、酸で分解してつくったものです。
石油から合成する方法もあります。
ビウレット反応
たんぱく質に水酸化ナトリウムと少量の硫酸銅をくわえると、紫色にかわります。
この反応をビウレッ卜反応といい、アミノ酸が3個以上つながったものならペプチドでもペプトンでも同じ反応をしめします。
実験
試験管に5~6倍の水でうすめたたまごの白身を1立方センチほどとりこれに1パーセントの硫酸銅液を一滴10パーセントの水酸化ナトリウム液を5、6滴くわえてよくふってみましょう。
液の色が紫色にかわります。これはビウレッ卜反応によるものです。
キサントプロテイン反応
たんぱく質に、濃硝酸を少量くわえて熱すると黄色の沈殿ができます。
これを冷やしたあとで、塩基性にすれば、だいだい色にかわります。
これをキサントプロテイン反応といいたんぱく質にふくまれるチロシンとかトリプトファンというアミノ酸が硝酸と反応した結果おこるものです。
実験
試験管に、5~6倍の水でうすめたたまごの白身1立方センチをとりこれに濃硝酸1立方センチをくわえて、熱すれば黄色になります。
そしてこれを冷やしてからアンモニアを少量くわえると、だいたい色になります。
このとき、指に硝酸がつかないように注意しましょう。
硝酸がつくと、皮膚は黄色になりますがこれは私たちの体がたんぱく質からできている証拠なのです。
ミロン反応
たんぱく質にミロン試薬(水銀を濃硝酸に溶かして水でうすめ、ろ過した液)を
くわえると白い沈殿ができます。
さらにこれを熱すれば、レンガ色にかわります。これをミロソ反応といいます。
これは、たんぱく質中のチロシンの存在による反応です。
実験
5~6倍の水でうすめたたまごの白身1立方センチにミロソ試薬1立方センチをくわえたのち、これを熱します。
はじめ、白い沈殿ができますが、熱するとレンガ色にかわるのがわかります。
ニンヒドリン反応
たんぱく質にニンヒドリン液をくわえて熱すると、紫色になります。
これをニンヒドリン反応といいたんぱく質中にアミノ基という窒素と水素からできている原子団があることをしめしています。
この反応はアミノ酸でもおこります。
実験
5~6倍の水でうすめたたまごの白身1立方センチに0.2パーセントのニンヒドリン液を1,2滴くわえ、強く熱します。
液が紫色にかわることを確かめましょう。