ビタミンとは? ビタミンの発見はいつ頃? わかりやすく解説!

食物の成分

ビタミンの発見

「航海病」といわれた壊血病が、新鮮な野菜の欠乏のためにおこることがわかったのは、18世紀のことです。

しかし壊血病や、かっけなど、いろいろな病気がある栄養素が不足するためにおこるのだという考え方がはっきりしたのは20世紀になってからです。


1897年、オランダのアイクマンという学者は白米ばかり食べているニワトリが、かっけにかかっていることを知り餌に玄米やぬかをくわえると、これが治ることを発見しました。

これは、動物にビタミン欠乏症をおこさせた最初の実験でそれからビタミンを研究するうえで大切な研究方法となったのです。

1910年には、日本の鈴木梅太郎博士がかっけを予防する物質を米ぬかからとりだし、翌年この物質をオリザニンと名づけました。

これは、ニワトリの白米病にきく成分をもったもので今日でいう、ビタミンB1です。

1911年には、ポーランド人のフンクが鳥の白米病に効く成分を、米ぬかからとりだし翌年この物質に「生命に必要なアミン」という意味で、ビタミンと名づけたのです。

その後、アメリカのマッカラムという学者によってビタミンにも油に溶けるものや、水に溶けるものなどかおることが確かめられいろいろなビタミンが、数多く発見されるようになりました。

ビタミンA

油に溶ける性質のビタミンで成長を促進する物質としてバターや肝油の中に認められたものです。

このビタミンが不足すると、とり目(夜盲症)になります。
とり目というのは、夕方少し暗くなるともう物の見分けがつかなくなる病気です。

目の網膜にはビタミンAがふくまれていて網膜が光に感じるはたらきに関係しているのでビタミンAをとらないと網膜中のビタミンAが不足し感光作用が鈍るのだろうと考えられています。

ビタミンAは肝臓(レバー)、バター、色のついた野菜類に多くふくまれていますが空気中の酸素によって、だんだん壊されていく性質をもっています。



ビタミンB

かっけを予防し、成長を促す因子(その原因となる物質)として名づけられたものです。

ビタミンB1

現在チアミンとよばれているビタミンで水に溶けます。
これが不足すると、かっけの症状がおきます。

また、炭水化物が私たちの体の中で二酸化炭素にまで分解されるときこの変化に関係している1つの酵素が、このチアミンを必要としています。

チアミンは加熱すると、とくに塩基性液中で加熱すると速やかに壊れるので、豆を煮たり、パンをつくるときに炭酸水素ナトリウム(重曹)を使うと、その大部分は壊れてしまいます。

チアミンは、穀類・豆類などにふくまれます。

ビタミンB2

成長を促進するビタミンで、リボフラビンとよばれやはり水に溶ける性質があります。

このビタミンは、炭水化物が体の中で酸化してエネルギーを生じるときの反応の仲立ちをしています。

牛乳にとくに多く、また肝臓や酵母にもふくまれています。

二コチン酸とその他のビタミンB

体の中でおこる酸化還元反応の多くは二コチン酸をふくんだ化合物が仲立ちをしています。

私たちにこのビタミンが不足するとペラグラ(全身の皮膚に発疹がおきる病気)にかかります。

そのほか、ビタミンB群に入るものにはピリドキシンとよばれるビタミンB6(シロネズミでは不足すると皮膚炎になる)パントテン酸(ニワトリでは皮膚炎)・ビオチン(シロネズミでは皮膚炎)コリン・イノシット(シロネズミでは脂肪肝)・パラアミノ安息香酸(ニワトリでは成長不良)・葉酸・ビタミンB2(貧血になる)などが有名です。

ビタミンC

水に溶けるビタミンでアスコルビン酸ともよばれます。
このビタミンは空気、とくにあついときに空気にあうと壊れる性質をもっています。

また、銅などのイオンによっても、非常に早く壊れます。

このビタミンが欠乏すると細胞と細胞をつなぎあわせている物質が不足し血管をつくっている細胞のつながり方が悪くなって出血しやすくなります。
これが壊血病です。

ビタミンCは、野菜や果物に多くふくまれています。

ビタミンD

油に溶けるビタミンです。
プロビタミンDという物質からできるものですがこの変化は紫外線のはたらきでおこります。

肝油や牛乳には、このプロビタミンDがふくまれています。

このビタミンが不足すると、骨の成長が悪くなり、くる病にかかりやすくなります。
植物にはあまりふくまれていませんがシイタケには例外的に多くふくまれています。



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