元素と原子、分子とは? わかりやすく解説!

水と物の成立ち

元素と原子

物質を細かく分けていくと最後に、もうそれ以上分けることができない小さな粒になるという考えは古代のギリシアやローマ・インドの学者たちも考えました。


ギリシアのデモクリトスはこの粒を「分けることができない」という意味で、アトムと名づけました。

その後、1808年にイギリスのドールトンは物質のもとになる粒について、つぎのような原子説を発表しました。

「元素は、原子という小さな粒からできている。
同じ元素の原子はみな等しく、元素か違えば原子も違う。

水素や酸素などは一種類の原子からできており水の原子には、水素や酸素の原子が含まれている。

物質の変化は、原子の集まり方がかわるだけであってそれぞれの原子は、一定の重さをもっていてなくなることも壊れることもなくまた、新しくできるというようなこともない」

この原子説は、そのころの学者たちにすぐには認められませんでしたがいろいろな物質の変化をうまく説明するにはどうしても、原子を考えたほうが都合がよいのでその後、だんだん認められるようになりました。

今では、原子というものがあるということは世界中で認められ、原子の構造もわかってきて原子のもつ性質を原子力として利用するまでになりました。

同じ元素の原子は、性質・重さ・大きさなどが全く同じです。
ですから、原子の種類は元素の種類と同じ数だけあるわけです。

そして、水素・酸素・炭素などの元素の原子はそれぞれの元素の名前をとって水素原子・酸素原子・炭素原子などと呼ばれて区別されます。



分子

水を細かく分けていくと、水の性質をもっていてしかも、これ以上分けるともう水の性質がなくなってしまうような小さな粒になります。

このような、物質の性質をなくさない最も小さい粒をその物質の分子といいます。

分子は、その物質を形づくっている元素の原子が結びつきあってできています。
         
例えば、水の分子は、水素原子2個と酸素原子1個とからできています。

また、水素の分子は水素原子2個から酸素の分子は酸素原子2個からそれぞれできています。

また、砂糖の分子や石油の成分の分子などには1個の分子に50個ぐらいの炭素や水素などの原子がふくまれています。

一方、たんぱく質や合成樹脂など高分子物質の中には、炭素・水素・酸素などの原子が100万個以上も集まってできている物質もあります。

原子・分子の大きさ

原子やふつうの分子の一個一個は目には見えませんし顕微鏡を使っても見ることができないほど小さい粒です。

原子一個の大きさは、だいたい直径が1億分の1センチメートル重さが1グラムの1兆分の1のさらに1千億分の1ぐらいで想像することができないほど小さいものです。

分子1個の大きさや重さもだいたい、原子と同じぐらいですが中には、ようやく、光の助けをかりてその存在を認めることができる程度の大きさのものもあります。

原子や分子の大きさや重さはこのように非常に小さいものですから、わずかの物質を取ってみてもその中にふくまれている原子や分子の数はものすごく多くなります。

例えば、コップ一杯の水(160立方センチ)には約6兆の1兆倍個の水の分子がふくまれています。

もしかりに、コップ一杯の水を海に注ぎ世界中の海をかき混ぜて、もういちどコップ一杯くみあげればこのコップの中には、もとの水の分子が800個ほどふくまれることになります。

また、コップ一杯の水の分子が砂粒ほどの大きさになったとするとそれは地球の全表面を1センチメートルの厚さで覆うほどになります。




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