炎の部分と性質
物がよく燃えるためには、燃える物が空気によく触れることが必要です。
ロウソクの炎の仕組みで調べた各部分の色の違いはロウの気体の燃え方が部分によって違うからです。
芯の周りの光らない部分にはロウの気体はあるのですがそれが、空気に触れないため燃えていないのです。
ここの温度は低く、約400℃ぐらいです。
その外側の明るい部分は、この気体が燃えているところです。
しかし、空気と充分に触れあわないので完全に燃えず、気体にふくまれていた炭素が燃えきらないで小さな粒になってでてきます。
この粒がススです。
そしてこの炭素の粒が1000℃以上に熱せられて明るく光り全体として明るい部分を形づくっています。
その外側のうすい光のさやは空気によく触れるため完全に燃えているところで温度も1400℃ぐらいです。
実験
①太さ2ミリぐらいの針金を炎に入れてみると炎の明るく光る部分にあたったところだけにススがつきます。
このススは、燃えきらない炭素の粒なのです。
炎心や、外炎の部分にあたった針金にはススがつきません。
②ガラス管を短く切ったものを炎心の部分に差し込むと他のはしから白い煙のようなものがでます。
これに火をつけると炎をあげて燃えます。
同じことを、炎の明るい部分ですると黒い煙がでて火をつけるとときには赤茶けた炎が少しでます。
また、外炎の部分に管をおいても燃える気体はでてきません。
これらのことからも、炎の部分によってロウの気体の燃え方が、それぞれ違うことがわかります。
アルコールランプの炎
アルコールランプの炎は、液体のアルコールが芯を這い上がり、そこで蒸発して気体となってから燃えてできたものです。
ところが、アルコールでは、炭素のふくまれ方が少ないので、炎にはススがでません。
そのために、炎に輝きがないのです。
しかし、このアルコールランプの炎の中に細かい土のような燃えない物質の粒か粉をふりかけると、星のように輝きます。
つまり、炎が明るく輝くのは炎の中に固体の粒があるときなのです。
アルコールランプの炎についてもロウソクの炎と同じ実験ができます。
ガスの炎
風のない部屋で、管の先からガスを少しずつだして火をつけると三角すいのような決まった形の炎ができます。
しかし、ガスのでかたが激しくなると炎の形は複雑になります。
私たちが見ると、分かれたたくさんの炎のように見えますが、実際には1つの炎が左右に揺れているのです。
また、台所のガスコンロやガスストーブには栓のところに空気をまぜるしかけがあります。
これらの器具を使うとき、空気穴を閉めたままだとだいだい色の大きな炎がでますが空気を入れると、青い小さな炎になります。
青い炎はガスが完全に燃えているときで赤い炎は、空気の入り方が充分でなくガスがよく燃えきらないときなのです。
しかし、空気を入れすぎると炎が消えたり、吹き飛んだりするので空気穴の調節はうまくしなければなりません。
ブンゼン燈を使うと、空気の入れ方と炎の様子との関係が、よくわかります。
ガスコンロやバーナーで、ガスに火をつけているときに空気を入れすぎると
炎が消えたように見えます。
これは炎がガスの入口のほうにうつって、そこで燃えているのです。
このようなときは、ガスの栓を止めて火を消さなければなりません。
実験
ブンゼン燈に1メートルほどのガラス管をとりつけます。
一定のガスを出しておいて、ガラス管の先に火をつけます。
空気穴を開けていくにしたがって炎の色はだいだい色から青い色にかわります。
空気が入りすぎると炎がガラス管を下がっていき空気の入れ方を少なくすると、また炎は上にあがります。
空気とガスの入る割合をうまくすると炎は管の一定のところにとまっていることもあります。