空気を注射器に入れて、注射器の先を閉じ、
ピストンを押したり引いたりすると空気は縮んだり、広がったりします。
これは、気体が液体や固体とは著しく異なるところです。
物質の状態を考えるとき、温度と圧力と体積は大切な要素です。
固体や液体の重さと体積を考えるときは、圧力の影響があまりないのでまったく触れませんでしたが、気体について調べるときは圧力を考えなければなりません。
気体の体積と圧力
瓶の中に液体や固体を入れるとき、ある決まった量だけ入れるとそれ以上は入りません。
しかし、空気のような気体では、かなりの量を詰め込むことができます。
それを確かめるために圧力計をつけた瓶の中に空気をふきこんでみましょう。
すると、空気が多く入るにつれて瓶の中の圧力が高くなることがわかるでしょう。
これは、気体の体積と圧力との間にある決まった関係があるからなのです。
それは、ある決まった量の気体の体積が2分の1になれば圧力はもとの2倍になり
体積が3分の1になれば、圧力は3倍になるということなのです。
また、反対に体積が2倍になると、圧力は2分の1になります。
つまり、温度が一定のとき、決まった量の気体の体積は圧力に反比例してかわるのです。
この関係は、空気ばかりでなく、どの気体にもあてはまります。
この関係をボイルの法則といいます。
注射器の内側を水でぬらし、先を指でおさえてピストンを押していくとだんだんピストンを押し返す力が増していきます。
これは、筒の中の空気の体積が縮めば縮むほど、その空気の圧力が大きくなくなるからです。
気体の重さと体積
気体の重さをはかるには、外から力を加えない状態にして体積をはかり、その体積で何グラムの重さがあるかを測定しなければなりません。
空気の重さは、はかることができます。
スプレーの空き缶の重さをはかっておき、これにポンプで空気を押し込んで、再び重さをはかります。
空気を押し込んだときのスプレーの重さからはじめのスプレーの重さを引けば、押し込んだだ空気の重さがわかります。
つぎに、押し込んだ空気を水で満たした水槽の中に逆さまに立てたメスシリンダーの中にはかりとれば何立方センチの空気を押し込んだかがわかります。
その体積で、空気の重さを割れば1立方センチあたりの空気の重さをもとめることができるわけです。
空気ばかりでなく、酸素や水素、二酸化炭素などの気体も空気と同じ方法でその重さをもとめることができます。
気体も、固体や液体と同じように1立方センチあたりの重さ、または1000立方センチあたりの重さはその気体の種類によって決まっています。
このように、物質の種類によってその物質1立方センチあたりの重さが決まっていることはたいへん重要なことなのです。
1立方センチあたりの重さを密度といいます。
まえに述べたような、物質の色・におい・味などは物質の特性としては、曖昧なものですが物質の密度は、物質の特性の代表的なものの一つです。
密度をはかれば、その物質は何であるかとはっきりわからないまでもある程度の検討をつけることはできます。