飽和溶液
溶質が溶けこめるだけ溶けこんでいる溶液を飽和溶液といいます。
飽和溶液では、圧力や温度などの条件を加えないかぎり同じ溶質を入れても、それ以上溶けません。
このような、溶液に溶けこんで飽和溶液を作っている溶質を飽和に達しているといいます。
ホウ酸を100グラムの水に溶かすと50℃では11.54グラムで飽和に達します。
このホウ酸の飽和溶液を10℃に冷やすと7.97グラムのホウ酸が固体となってでてきます。
これは、10℃のときにはホウ酸3.57グラムで100グラムの水に飽和することをしめしています。
沈殿の析出
粘土を水に入れてかき回したものをしばらくそっとしておくと粘土が水の底に沈みます。
このように、液の中に物質がたまることを沈殿するといいまた、たまった物質を沈殿または沈殿物といいます。
粘土の場合は、はじめから円体が液中にあるわけですがホウ酸の飽和溶液を冷やした場合のように完全に液体だったものから固体がでてくることを、析出といいます。
ホウ酸の飽和溶液の実験をこのような化学の言葉を使っていいあらわすと「ホウ酸の飽和溶液を冷やすと溶解度が小さくなって、ホウ酸が析出して沈殿となる」ということになります。
沈殿というのは、液の中に沈んで淀んでいる物というような意味ですが沈殿の種類によっては、なかなか沈まないものもあります。
例えば、塩化第二鉄を希塩酸数滴でしめらせ熱湯に溶かした溶液にアンモニアを注ぐと、水酸化第二鉄の沈殿ができますがこの沈殿は、液が暖かい間は底に沈みません。
結晶
溶液から析出する沈殿の様子は溶液の濃さや温度などの条件によって、いろいろ違ってきます。
例えば、硫酸銅の飽和溶液をゆっくり冷やすと大きい粒の沈殿ができますし急に冷やすと小さな粒の沈殿ができます。
しかし、小さい粒の沈殿も大きい粒の沈殿も詳しく調べると、同じ形をしているのがわかります。
このように、物質によって形の決まっている円体の粒を結晶といいます。
一般に、物質は結品をつくりますが中には形の決まっていないものもあります。
こういう物質は非晶質といわれますがガラスは非晶質の代表的なものです。