金属の展性・延性と磁性とは? わかりやすく解説!

金属

展性と延性

金属のかたさが小さい場合、この金属を強くたたいたり大きな圧力をくわえたりすると、だんだんうすくなって広がります。


金属のこのような性質を展性といい、うすく広がったものを金属箔といいます。

金・銀・スズなどは、金属のなかでもとくに展性が大きく金は厚さ1万分の1ミリまでの厚さにたたきのばすことができます。

同じように、かたさの小さい金属は、引きのばして細いはりがね状にすることができます。

金属のこのような性質を、延性といいます。

銅・銀・金・白金などは、とくに延性の大きい金属で白金は直代が1万分の1ミリという細いはりがねにすることができます。

金属の展性や延性は、そのときの温度などの条件によってかわります。

金属の磁性

磁石のもっているような性質を磁性といいますが金属のもっている磁性は、つぎの3つに分けることができます。

1つは、その金属が磁界の方向に引きよせられる性質で、これを常磁性といいます。

もう1つは、磁界からおしだされる性質で、反磁性といわれます。

常磁性の金属も、反磁性の金属も磁界の中では磁性をしめしますが磁界からとりのぞくと、磁性は消えます。

あとの1つは、常磁性のさらに強い場合で磁界の中におくと強い磁性をおびて磁界からとりだしても磁性が残っている性質で、強磁性といわれます。

常磁性の金属には白金・アルミニウムなどがあり反磁性の金属には金・ビスマス・アンチモンなどがあります。

また、強磁性の金属には、鉄・二ッケル・コバルトなどがあります。


金属と酸・塩基

金属と酸を作用させると、塩ができます。
また、金属と塩基が作用すると、ふつう水酸化物ができますがこれは水に溶けにくく水和酸化物といわれる形になっています。

イオン化傾向

金属は、ふつう、その金属を電解質溶液につけておくとイオンになって、溶液中に溶けこむ性質があります。

これを金属のイオン化傾向といいます。
イオン化傾向は、金属の種類によって違います。

たとえば、鉄と銅のイオン化傾向をくらべると鉄つのほうが大きいのです。
それで銅イオンをふくむ溶液中に鉄を入れると鉄がイオンになり逆に銅イオンは鉄がだした電子を受け取って、銅原子となって析出します。

実際に、よくみがいた鉄のくぎを硫酸銅溶液中につるすと銅が析出して、くぎの表面につくのが見られます。

また、イオン化列で水素よりイオン化傾向の大きい金属はうすい酸を作用すると、溶けて水素を発生します。

たとえば、亜鉛を希硫酸に入れると、水素を発生して溶けます。

ふつう、酸化と還元とは、電子のやりとりであらわします。
したがって、イオン化傾向の大きい金属は電子をだしやすいので酸化されやすい金属といえます。

これを別ないい方であらわせば、還元する力の強い金属であるともいえるわけです。



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