鉄の化合物とは? 鉄の用途とは? わかりやすく解説

金属

鉄の化合物

鉄の化合物は、鉄イオンの酸化状態から二価の鉄イオンの化合物である第一鉄化合物と三価の鉄イオンの化合物である第二鉄化合物とに分けることができます。


酸化第二鉄 Fe2O3

鉄のさびの主な成分で、三二酸化鉄ともいいます。
赤色の粉末で、工業上ではベンガラといい顔料に使います。天然には、赤鉄鉱として産出します。

四三酸化鉄 Fe3O4

黒さびの成分で、赤熱した鉄に水蒸気を通すとできます。
天然には磁鉄鉱として産出します。強い磁性を持つので、磁性酸化鉄ともいわれます。

水酸化第一鉄 Fe(OH)2

第一鉄塩の溶液に塩基の溶液をくわえると、白色の沈殿としてできます。
しかし、空気中の酸素に酸化されてだんだん色がかわり赤褐色の水酸化第二鉄となります。

水酸化第二鉄 Fe(OH)3

水酸化第一鉄からできるほか、第二鉄塩の溶液に塩基の溶液をくわえてもできます。天然には、かっ鉄鉱として産出します。

硫酸第一鉄 FeSO4・7H2O

鉄を希硫酸に溶かした液をつめるとできたんに硫酸鉄、またはリョクバンともよばれます。

緑色の風解性結晶で、熱すると結晶水を失って白色になります。

インキの製造に使われます。


硫化第一鉄 FeS

鉄粉と硫黄の粉をまぜて、これを強く熱してつくります。
ふつうは濃い灰色をしていますが、純粋なものは褐色の結晶です。

水には溶けませんが、酸には硫化水素を発生して溶け第一鉄塩となります。
それで、硫化水素の原料として使われます。

硫化第二鉄 Fe2S3

酸化第二鉄を400℃ぐらいに熱して、硫化水素を通すとできます。
塩酸と作用して、硫化水素を発生します。

塩化第二鉄 Fecl3

鉄を塩酸に溶かして、塩化第一鉄Fecl2をつくりこれに塩素を通すと、黄褐色の結晶としてえられます。

この結晶は加水分解して酸性をしめします。
工業的に酸化剤・縮合剤として使われるほか、血止め薬としても利用されます。

このほかにも鉄の化合物としては
酸化第一鉄FeO・硫酸化第二鉄Fe2(SO4)3・フェロシアン化カリウムK4[Fe(CN)6](黄血塩)
フェリシアン化カリウムK3[Fe(CN)6](赤血塩)などがあります。

鉄の用途

鉄の使い道は非常に広く、私たちが使っている金属の90%は鉄だといわれるほどです。
鉄は純粋な鉄として使われることはほとんどなく鋼鉄などの合金として使われるのがふつうです。

鋼鉄はその性質に応じて、次のような使い道があります。

硬くて強じんなものは、機械器具・建築材料・橋梁材料・船舶材料などに使われるほか車両・歯車などに使われます。

すり減りにくいものは砕鉱機・しゅんせつ機・コンクリートミキサー・レールなどに使われます。
そのほか弾性のあるものはバネに、さびにくいものは器具・装飾品などに熱に強いものはエンジンの排気気管などに使われます。

そのほか、私たちが日常生活で使う器具・道具など、非常にたくさんのものに使われています。




タイトルとURLをコピーしました