鉄鉱石とは? 溶鉱炉とは? わかりやすく解説!

鉄鉱石

鉄は、地球上のあらゆる場所の、岩石や砂・粘土などにふくまれていますが実際に鉄をとりだすことのできる鉱石、つまり採算のとれる鉱石の種類はそれほど多くありません。

代表的な鉄鉱石には赤鉄鉱・磁鉄鉱・かっ鉄鉱・炭酸鉄鉱(りょう鉄鉱)黄鉄鉱などがあります。

鉄鉱石は日本には少なくアメリカ・ソ連・フランス・スウェーデンなどの国にたくさん産出します。

溶鉱炉

鉄鉱石から鉄をとりだすには、溶鉱炉を使います。
溶鉱炉は、高さ15~30メートルのやや円すい形の炉で高炉ともいわれ、内側は耐火レンガではられています。

この溶鉱炉の上部から赤鉄鉱や磁鉄鋼のような鉄の酸化物からできている鉱石とコークス・石灰石をかわるがわる入れ、熱風炉で熱した空気を炉の下部(羽口)からふきこみます。

溶鉱炉の中では、まずコークスが燃えて1500℃ぐらいの高い温度になります。

温度が高いのでコークスは、二酸化炭素にはならずすべて一酸化炭素になり、それが炉の上のほうへあがっていきます。

いっぽう、上からは鉄鉱石がおりてきて、それが二酸化炭素にあうと還元されて、溶けた鉄になります。

そして、溶鎔炉の下部のほうへ流れおちます。
いっぽう、石灰石は溶鉱炉の中をおちてきて、900℃ぐらいのところまでくると分解して酸化カルシウムになります。

酸化カルシウムは、鉱石中の岩石分や二酸化ケイ素と化合してケイ酸カルシウムとなるので、やはりとけて流れおちます。

これをスラグといいます。



鉄もスラグも、溶けた状態になっていますが鉄のほうが比重が大きいので、まざりあわず鉄はスラグの下に沈んでおりてきます。

この鉄とスラグは、炉の下部からとりだされるいっぽう原抖はつぎつぎと上部から入れられて、作業がおこなわれます。

こうしてとりだした鉄を銑鉄といい、かなりの量の炭素をふくんでいます。
ふつう一基の溶鉱炉からは一昼夜に2000~4000トンぐらいの銑鉄が生産されます。

いっぽう。スラグは、高炉セメント・スラグレンガなどの製造に利用されます。
また、溶鉱炉の上部からは、窒素・一酸化炭素・二酸化炭素などの混合ガスがでますがこれは、高炉ガスとよばれ、熱風の予熱に利用されています。

銑鉄

銑鉄は鋳鉄ともよばれ、2.2~5パーセントの炭素をふくみます。
炭素のほかの元素もかなりふくまれていてケイ素を0.1~4パーセント、マンガンを0.16パーセントリンを0.01~2.5パーセント、イオウを0.01~6パーセソトぐらいふくんでいます。

ですから、ふつう使われている鉄材のなかでは銑鉄はもっとも不純な鉄といえます。

溶鉱炉からとりだしたばかりの銑鉄は、このように不純ですから軟鉄や鋼は、この銑鉄を原料としてさらにいろいろな工程をとおって、つくられます。



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