火力発電・原子力発電・地熱発電のしくみと特徴とは?

電気

火力発電

日本は、むかしから水力発電の国でした。
しかし、電力の利用がさかんになるにつれて大きな水力発電所をつくる場所が、少まくなってきました。

また、日本の川に、夏と冬に水量がずっと減るので水力発電だけでは、電気が足りなくなります。
それで、電気的不足を補うために、火力発電所がつくられています。

火力発電は、蒸気タービンで、発電機をまわすのがふつうです。
燃料には、重泊・原油や石炭が使われています。

水力発電所は、たいてい山奥につくられていますが、火力発電所は石炭や重油を運ぶのに便利なように、海岸地方につくられています。

日本の工業地帯は、海岸ぞいに発達しているので電気をおくるのにたいへん都合がよいのです。

火力発電では、燃料の熱をできるだけ無駄なく使わなければなりません。

ボイラやタービンもだんだん改良されて、小さな火力発電所でもたくさんの電気を起こすことができるようになりました。

また、なるべく大きな発電機を使うほうが1キロワットあたりの費用が少なくてすむのでいまでは60万キロワットという大きな火力発電所ができています。

最近では、蒸気タービンのかわりにガスタービンを使う発電機もつくられています。

ガスタービンは、蒸気タービンより設備費が小さくてすみますが能率が低いので電気が足りなくなる夕方などだけに運転されています。


原子力発電

原子力発電は、原子の力を利用する、新しい発電方法です。

原子力発電は、ウランの原子が分裂したときに出す大きな熱を使って蒸気をつくり、あとは火力発電と同じように蒸気タービンで発電機をまわします。

ウランは自然の状態でも分裂を起こしますが1か所に集めると、分裂がさかんになる性質があります。
原子爆弾は、その特殊な例で、大爆発を起こすのです。

発電にウランを利用するには、いちどに爆発しないようしかもさかんに分裂を起こして熱を出すようにします。

その調節ができるようにしたのが、原子炉です。

原子炉は、ウランの燃料棒、熱を外にだす冷却系、核分裂をお越しやすくする減速材などを組みあわせてつくります。

燃料には、天然のウランか使うものや濃縮したウランを使うものなどがあります。

冷却方式には、ガス冷却方式・高圧水冷却方式のほか炉の中で水を沸騰させる方式などがあります。

現在では、これらの装置の改良やいろいろな組みあわせが開発されています。

ウラン235は、1キログラムが全部分裂したとすると石炭3000トンが燃えたときと同じくらいの熱量を出します。

ですから、一度原子炉をつくりさえすれば燃料を補給しないで、長い間運転ができます。
原子力発電は、これからの発電方法として、世界各国で研究されています。

世界最初の原子力発電は1951年にアメリカで出力100キロワットの発電に成功し実用的な発電は、1954年6月にソ連で出力5000キロワットの発電をはじめたのが最初です。

日本では、1963年10月に、原子力研究所の動力試験炉ではじめて2400キロワットの発電実験がおこなわれました。

そして、1965年には、茨城県東海村に建段された東海発電所で出力16万6千キロワッ卜の発電がはじめられました。

原子力発電は、原子炉からでる放射線による被害をなくすことが必要ですし燃料のウランが高くつくという欠点がありました。

しかし現在では、技術の進歩によって火力発電にちかい費用で電力がえられるようになっています。

地熱発電

地熱発電は、地下にたまった水蒸気や熱水を取り出しこれによって蒸気タービンをまわして発電する方法です。

地熱発電の方法には、地下から取り出した水蒸気で直接にタービンをまわす直接式、水蒸気の中の不純物を取り除くために、熱交換器を使って別の水蒸気を発生させてタービンをまわす間接式水蒸気をふくんだ熱水から蒸気を取り出してタービンをまわす熱水分離式などがあります。

イタリアやニュージーランドでは、早くから実用化されています。
日本では、岩手県にある松川地熱発電所(出力2万キロワット)大分県の大岳発電所(出力1万1000キロワット)があります。




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