真空放電とは? 二極管・三極管とは? わかりやすく解説!

真空放電

電極を2個入れて真空にしたガラス管に高い電圧をかけると電極の間に電流が流れます。
この現象を、真空放電と言います。

このときガラス管の中に空気などのガスが少しでも残っていると美しい色の光がでます。
広告などに使うネオンサインは、これを利用したものです。
管の中にガスがほとんどないときは、+側の管の内側がうす緑色に光ります。

これらは、-側の電極から電子とよばれる-電気をもった非常に小さい粒子が飛出し、これがガスに衝突するとガスが+と-の電気をもったものにわかれそれがふたたびいっしょになるときあざやかな光がでてまた、電子がガラスに直接衝突すると緑色の蛍光がでるものと考えられています。

蛍光灯は、この真空放電を利用したもので管の中の水銀の蒸気からでる紫外線が管の内側にぬってある蛍光物質にあたり、目に見える光を出させるものです。


エジソン効果

エジソンは、中を真空にした電球の研究をしていてつぎのような発見をしました。

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真空電球の中にフィラメントのほかに、金属の板を入れ図の(A)のようにつないでフィラメントを熱くしてやると金属板とフィラメントの間に電流が流れました。

(B)のようにつないだのでは、電流は流れませんでした。
そして、フィラメントが熱くないときはどの場合にも電流が流れませんでした。

フィラメントが熱いと、電子がたやすくたくさん飛出しやすくなるからです。
このようなはたらきをエジソン効果と言い、真空の中での電流はこの電子の流れのことなのです。

二極管(二極真空管)

フィラメントとプレート(金属板)とをふうじこんだ真空管でプレートのほうがフィラメントより電圧が高い場合を考えてみましょう。

このとき、プレートは+に、フィラメントは-になっています。

フィラメントに電流を流して高い温度にさせ、赤く光るようにすると-の電気をもつた電子が飛出し、プレートの+の電気にひかれて飛んでいきます。

逆に、プレートよりフィラメントのほうが電圧が高い場合はフィラメントから電子がでてもプレートのほうへ飛んでいくことができません。

二極管は、電流を1つの方向にだけしか流さないのでちょうど水をくみあげるポンプの弁のようなはたらきをすることになります。

整流作用

交流は、行ったり来たりする電流ですが、これを二極管に流すと一方向だけに流れる直流になります。

このはたらきを整流作用と言い、テレビやラジオなどに使われています。

シリコン整流器

シリコン(ケイ素)は、ゲルマニウムとよく似た性質をもっているので、ダイオードをつくることができます。

シリコンダイオードはゲルマニウムダイオードより高い電圧で使うことができるとともに大きな電流を流すことができるので、いっそう便利です。

電車を走らせるときなどに必要な直流を交流からつくるときシリコンを使った整流器が、さかんに使われています。



三極管(三極真空管)

三極管は、二極管をもとにしてつくられた真空管で+極(プレート)と-極(カソード)のあいだに格子(グリッド)というものがあります。

グリッドは、金属の網が螺旋になっていて電子の通り道をふさいでいます。

電子は、網の目を通り抜けて+極へ届くのですがもし、グリッドが-極より電圧が低く-の電気をもっていたらどうでしょう。

電子も-の電気をもっているのでグリッドの-の電気に跳ね返され、ほとんど+極へ届きません。

グリッドの-電気を弱くしてやれば、電子のうちのいくつかはグリッドの網の目をくぐりぬけていきます。

グリッドの-電気をいろいろにかえるとそれにつれて、+極に届く電子の数がかわります。

つまり、グリッドの電圧をかえてやることによって真空管を流れる山流の大きさをかえることができるのです。

増幅作用

三極管のグリッド電圧をわずかにかえてやるだけで真空管を流れる電流を大きくかえることができます。
これを三極管の増幅作用と言い、三極管のもっとも大切なはたらきの1つです。

遠い放送局からおくられてきた、弱い電波は受信機に入っても、弱い電圧にしかなりません。

これをゲルマニウム検波器や、二極管検波器を通してレシーバーで聞いても、小さな音しか聞こえてきません。

しかし、この弱い電圧を三極管のグリッドに入れてやれば大きく変化する電流にかえることができます。

レシーバーできけば、まえよりずっと大きな音に聞こえてきますしスピーカーを鳴らすこともできるようになります。

いろいろな真空管

真空管には、二極管・三極管のほかにも、いろいろな種類があります。

四極管にはグリッドが2つ、五極管には3つあります。
これらは、三極管を改良したもので、スーパー受信機には特別なはたらきをする七極管も使われています。

たいていの真空管は、-極(カソード)が真ん中にあってまわりを螺旋形のグリッドが取り囲み、その外側を筒形の+極(プレート)が取り囲んでいます。

カソードには2通りあります。

フィラメントに電流を流して高温度にしそこから、直接飛び出す電子を利用している直熱型でこのような真空管は、おもに電池などの直流で使う装置に用いられています。

けれども、電灯線からの交流の電気を使うふつうのラジオでは防熱型のカソードをもつ真空管が使われています。

この真空管では金属酸化物をぬったニッケルの細い管の中にヒーターが入っていて、ヒーターで管を熱して管の表面から電子が飛び出すようになっています。




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