電子計算機とは? わかりやすく解説!

人間はいろいろな機械を発明して、科学を発達させました。
そして、人間が力を使ってするしごとを機械にさせるようになりました。

機械は人間の手や足ではできないような大きな力や速さでしごとができます。

そのうえ人間は、頭を使ってするしごとまでも機械にやらせることができるようになりました。


人間がやれば何十年もかかるというような面倒な計算をたった何秒という短い時間にしかも間違えないで計算する機械が、いまでは使われています。

電子計算機はそういう機械です。

1946年に、アメリカのエニアックという電子計算機は数千の真空管を使い、円周の長さと直径の割合、つまり円周率を二千余けたまで計算しました。

電了計算機の大きなものは、トランジスタなどを何万本も使っています。
最大では、トランジスタよりもさらに小型の集積回路(IC)を使ったものがつくられています。

電子計算機は計算をするだけではなく非常にたくさんの資料の整理をしたり、統計をとったりその結果を覚えておくこともやります。

そればかりでなく、将棋をさす機械も、電子計算機のしくみでできます。

また、翻訳する機械、たとえば、ロシア語を英語になおしたりすることができる機械もあり日本語を英語になおす機械も考えられています。

これらの機械は電子頭脳と言われます。

電子頭脳は、化学工場などの機械をあやつるのにも利用されオートメーションといって、人間のいらない工場もできています。

制御室には計器を見つめる人が2、3人いるだけで機械が故障すればブザーが知らせたり、自動的になおるようになっています。




FM(周波数変調)・宇宙通信・レーザー光線とは?わかりやすく解説!

FM(周波数変調)

ふつうの中波を使ったラジオ放送では送りたい音声の振動にしたがうように音声より周波数のずっと高い電波にのせて送るAM(振幅変調)を利用しています。

この方法では、1つの電波に、1つの放送しかのせられません。

ところがFM放送では、周波数の高い電波の周波数を送る音声にしたがって変化させて放送する方法です。

AMにくらべて雑音の影響か入りにくく音質がよく、そのうえPM多重通信では、ある幅の電波に何百という言葉や音をのせることができます。

ですから、FM多重通信は都市のあいだの電話の中継やテレビの中継に使われています。

たとえば、東京から大阪へ電話をかけるような場合でもFMの中継が使われるようになってからは電話を申しこめば待たずに通話ができるようになりました。

FM通信には、テレビに使われている電波よりいっそう波長が短い極超短波(FMでは76~110メガヘルツ)が使われています。

そのため、電波が光と同じように直進しビルや山の陰では弱くなってしまいます。

そのため、見通せるところまでしか電波が届かないのでバラボラアンテナで中継しています。

放送局や大きなビル、山の上などで見かけるおわん形をしたパラボラアンテナは、たいていFM多重通信用のアンテナです。


レーダー

レーダーは、第1次世界大戦のときに敵の飛行機をはやく見つけるために研究され、発達したものです。

レーダーから送られた超短波は、何か物にあたると跳ね返ってきます。
とくに金属などにあたると、強く反射されます。

ですから、ある方向に送った電波が跳ね返ってきたらそちらに何かがあることがわかります。
また、電波をだしてから、跳ね返ってくるまでの時間を調べればその物までの距離もわかります。

いまでは、レーダーのおかげで飛行機は霧や雲の中でも、安全に飛び、着陸することができます。
船の航海も、ずっと安全になりました。

気象用レーダーは、台風の目をとらえたり雨雲を観測したりするために用いられます。

レーダーは、どんな霧の中でも暗闇の中でも見える電波の目と言えるでしょう。

電波望遠鏡

太陽や星に関することを研究する学問を天文学と言いますが以前には、太陽や星から送られてくる光を望遠鏡やそのほかの器械によって調べいろいろなことが研究されていました。

ところが、1932年、アメリカのジャンスキーが銀河の方向から電波がくることを発見しそれ以来、太陽や星から、いろいろな周波数の電波が出ていることがわかり、その電波を調べることによって今までわからなかったことも、知ることができるようになりました。

そのうえ、光は出していないが電波やX線を出している星もいろいろ見つかり宇宙の様子が、いっそうはっきりしてきました。

しかし、天体からくる電波は極めて弱いのでそれをはっきりと受けるには大きなアンテナがいります。

このような装置を電波望遠鏡といって、日本にもありますが外国では大じかけなものがたくさんつくられています。

ロラン

第二次世界大戦中に遠くの船や飛行機に位置を教えるために発明されました。

陸上の離れた2か所の無線局からそれぞれ特別な形の信号をのせた電波を同時に送りだしそれらを船などで受信し、2つの信号のずれをはかることによって船などがいまいる位置を地図上で知ることができるようなしくみになってします。

ロラン電波は、送信所から2000キロメートルも離れたところでも受信できるので、太平洋や大西洋で広く使われています。

宇宙通信

地球から宇宙にある人工衛星などと通信したり宇宙にある衛星船どうしなどで通信することを宇宙通信と言います。

月やそのほかの天体に打ち上げたりロケットが勝手なところにいってしまわないために地球から送る電波で正しい飛び方をするように命令することができます。

そして、天体に近づくと、逆推進ロケットをはたらかせゆっくりと天体に着陸するように命令することもできます。

また、天体の表面の様子を写真にうつし特殊な方法で地球へ送ってくるように命令することもできます。

そのほか、小さなシャベルを使って地面をほり、その岩石の種類を調べ、さらにそれを電波で報告させることもできます。

このように、宇宙通信により天体のいろいろなことが、だんたんわかるようになってきました。



通信衛星

外国との無線通信は、短波を使ってできますがテレビ放送や多重通信は短波ではできません。

それは、周波数が低いので、多くの信号を送ることができないからです。
そのため、マイクロ波を使えばよいのですがマイクロ波は電離層を通り抜けるので、地球の裏側には届きません。

そこで、赤道上の3万6000キロメートルの高さにそれぞれが三角形の頂点になるように人工衛星を打ち上げそれにマイクロ波の中継をさせます。

それが通信衛星です。

この衛星は、ほかの人工衛星と違って地球から見ると止まっているように見えます。
しかし、本当は地球のまわりを公転してしるので落ちてこないのです。

このように、3個の通信衛星を打ち上げておくと世界中の人々がいっしょに同じテレビを見たりどこの国の人とでも、かんたんに通信ができます。

レーザー光線

写頁を撮るときによく使われるキセノンガスの放電管から強い光を出してこれをルビー(宝石と同じ質の鉱物)などの特殊な物質にあてると特別な性質をもった強い光がでます。

これがレーザー光線です。

レーザー光線は、ふつうの電灯などから出る光線と違って遠くへいっても広がらないので弱まりません。

それで、マイクロ波と同じように見通しのきくところで通信に使うことが考えられています。

将来の宇宙通信の有力な方法になることでしょう。




テレビジョン放送のしくみとは? わかりやすく解説!

テレビジョン受像機

テレビジョン受像機にはふつう20本くらいの真空管やトランジスタなどが使われています。
そのうちいちばん大切なのは、ブラウン管です。

アンテナで受信した電波を増幅しそれから、信号電流(映像電流と音声電流)をとりだします。
これは、ラジオの電波から音声電流をとりだす検波にあたります。

とりだした信号電流のうち、音声電流は増幅してスピーカーへおくり音声をださせ、映像電流も増幅してからブラウン管へ送ります。


ブラウン管

ブラウン管は、電流の強弱を光の強弱にかえる真空管です。

ブラウン管の中には、速い電子の流れをつくる部分(電子銃という)その流れを調節する部分、電子の流れがあたると光る部分(蛍光面)があります。

映像電流がブラウン管に届くと電流の強弱の通りに蛍光面の明るさがかわり、映像になります。

放送局で電気にかえられた光が、また光にもどって実際に目に見えるようになるわけです。

テレビジョン放送のしくみ

テレビジョンは、音といっしょに、いろいろな映像を電波にのせて放送するしくみです。

イメージオルシコン

ラジオ放送では、マイクロホンで音波を電気振動にかえました。
ところが、テレビジョンでは光の強弱を電流の強弱にかえなければなりません。

このはたらきをするのがテレビカメラのイメージオルシコンです。

テレビカメラでは、ふつうのカメラのフィルムにそうとうするところに、イメージオルシコンの光電面というスクリーンがあります。

テレビカとフのレンズを通った光で、スクリーンの上に像ができるとそこから電子(光電子)が飛出します。
光電面というのに、光を電気にかえる面という意味です。

光電面は強い光があたったところからはたくさんの光電子が飛出し弱い光があたったところからは、光電子が少し飛出します。

ですから、光の明暗を、電流の強弱にかえることができます。
この電流を映像電流と言います。

音声は、マイクロホンで音声電流にかえて増幅し別につくった100メガヘルツくらいの高周波を映像電流と音声電流がいっしょにのるように変調してアンテナから電波として送りだします。

カラーテレビジョン

レンズを通った光を三原色(赤・緑・青)にわけてその三原色をふつうのテレビジョンと同じように電流の強弱にかえて超短波などにのせて送ります。

電波をうける受像機にはふつう3本の電子銃と三原色の蛍光を出す物質を細かくぬりわけた蛍光面があり、おくられてきた電流を映像電流にかえ、三原色をうまく重ね、もとの映像をつくりだすようになっています。




コイルとコンデンサーのしくみとは?ラジオ放送のしくみとは?

コイル

電線を何回かまいたものをコイルと言います。コイルに電流を流すと、磁石になります。

しかも、コイルは電流が強く流れようとするとそれを弱め、電流が弱くなろうとすると、それを強める性質があります。


コンデンサー

電気をたくわえるはたらきをするものをコンデンサー(蓄電器)と言います。
2枚の金属板を向い合せたようなつくりになっています。

電気がたまっているコンデンサーに、コイルを図の①のようにつなぐと、電気は+から-側へ、コイルを伝わって流れます。

このとき、コイルのはたらきによってコンデンサーの-側が、はじめと反対に+になります。

そして、こんどはコイルの中を反対向きに電流が流れます。
これを繰り返すので、電気は何度もいったりきたりします。

1秒間に何回いったりきたりするか、コンデンサーの大きさと、コイルのまき数できまります。

大きなコンデンサーとまき数の多いコイルを使えば振動数の少ない電流、つまり低周波電流がつくれます。

小さなコンデンサーと、まき数の少ないコイルを使えば高周波の電流ができます。

けれども、この電流はすぐに弱まってしまいます。
いつまでも続く振動電流にするには弱まろうとする電流を強めてやらなければなりません。

それには、真空管の増幅作用を使えばできます。

図は、三極管とコイルとコンデンサーを使って振動電流をつくりだす真空竹発振器です。

コイルAにできた振動電流は、すぐ近くにあるコイルBにうつります。
これはトランス(変圧器)と、まったく同じはたらきをします。

コイルBにできた電圧は、真空管のグリッドに入り増幅されて、プレートからまたコイルAに入ります。

これが繰り返されて電気振動がいつまでも続けられます。



ラジオ放送のしくみ

音声電流

人の声や音楽を放送するときには外から余計な音が入らないようになっているスタジオでマイクロホンで音を受け、音波(空気の振動)を電流の振動にかえます。

これを、音声電流と言います。

この音声電流をそのままの形で電線でおくりレシーバーで聞くのが電話です。

ラジオ放送では、音声電流を調整室で調整したりほかのマイクロホンから送られてきた音声電流とまぜたりしてから増幅器で増幅し、送信所へ送ります。

変調

送信所では、水晶発振器と真空管を使って周波数が一定の高周波電流をつくりだします。

これを搬送波と言います。

そこで、音声電流の波の高さによって高周波電流の波の高さを加えると、下の図Cのような波ができます。

これを音声電流で振幅変調(AMともいう)された高周波と言い。
音声の波形の通りに、大きく振動したり小さく振動したりしている高周波と考えることができます。

そして、これをさらに増幅器で増幅して、アンテナへ送ります。

アンテナは、地上にはられた1本の銅線でこれに変調された高周波電流が流れここから音声をのせた電波が空中へ送り出されます。

波長

放送に使われる高周波の周波数にはいろいろありますがふつうのラジオ放送では、535キロヘルツから1600キロヘルツまでのあいだの電波がそれぞれの放送局にわりあてられています。

たとえば、NHKの東京第一放送は590キロヘルツ大阪の第一放送は670キロヘルツの電波を使っています。

周波数の多い電波は、それだけ波長が短いので3000キロヘルツから3万キロヘルツまでの電波を、短波とよびます。

ふつうのラジオ放送に使われている電波は、中波と言います。
短波よりさらに波長の短い電波を超短波と言いまた、中波よりさらに振動数の少ない電波を、長波と言います。




アンテナとアースのしくみとは? わかりやすく解説!

放送局では、強い電波を送り出すために大仕掛けなアンテナとアースを使っています。

空中を伝わってきた電波を受けるにもアンテナとアースが必要です。


アンテナには、ふつう、銅線が使われます。

電波がくるとアンテナには電波の周波数と同じ周波数の高周波電流ができます。

この電流は、アンテナの形や大きさによってかわりますがたいてい地上からの高さが高いほど強く水平な部分が長いほど強くなります。

感度のよいラジオ受信機では室内に、アンテナ線を少しはるだけでよいようです。

アンテナにできた高周波電流はラジオの入り口であるアンテナ同調コイルを通ってアース線から地面に伝わっていきます。

ですから、アース線も電気をよく伝える銅線でつくり湿った地面に埋めた銅の板に、よくはんたづけしておかなければなりません。

アンテナ線は、はだか線でも、被ふく線でもよいのですがラジオ受信機に入る途中で、立木や、軒先などにふれると高周波電流が逃げます。

ですから、ところどころに、がいしを使って止めておかなければなりません。

近頃のラジオ受信機にはμアンテナというものを器械の中に備えたものが多くなりました。

このアンテナは、写真のような、5~15センチほどのダストコアに電線をまいたものでこれだと、とくにアースがいらないので便利です。

それで、ポータブルラジオには、たいてい、μアンテナが使われています。

しかしμアンテナは、その向きによって電波の受け方(指向性)が違いますからラジオをおく向きに気をつけなければなりません。

テレビジョン受像機に使われる電波の波長はラジオの電波より短く、3メートルぐらいです。
このような電波をうけるには、ダイポールアンテナが使われます。

これは、全長が電波の波長の半分の長さか波長と同じ長さになるようにすると、電波がよくうけられます。
アンテナと受像機の間に、フィーダーでつなぎます。

波長が、もっと短い極超短波になるとおわん形をしたパラボラアンテナや使い道によっていろいろな形のアンテナが使われます。




ラジオ受信機のしくみと種類とは?受信のしくみとは?

ラジオ受信機

ラジオ受信機には、かんたんな鉱石ラジオ受信機(ほとんどがゲルマニウムダイオードを使っている)をはじめ、ふつうの中波放送のほかに短波放送やFM放送が聞かれるものまでたくさんの種類があります。


鉱石ラジオ受信機

まず、鉱石ラジオ受信機について調べてみましょう。図はその配線図です。

電波はアンテナから入り、同調コイルを通ってアースヘ出ていきます。
同調コイルとバリコンの組みあわせで、聞きたい放送の電波を選びだします。

そこで、ゲルマニウムダイオード検波器を通すと電流の強さが音波の形をした2方向だけの高周波電流がえられます。

さらにレシーバーとコンデンサーをつなぐと、音が聞こえてきます。
鉱石ラジオ受信機は、電波が強いところではよく聞こえますが弱いところでは真空管やトランジスタを使ったラジオ受信機がいります。

三球ラジオ受信機

3本の真空管を使って放送を聞くようにしたラジオ受信機を三球ラジオ受信機と言います。

弱い電波を受けて、大きな音ではっきり聞くためにはアンテナから取り入れた高周波電流を充分強めてやらなければなりません。

これを、増幅すると言います。

三球ラジオ受信機では、まずアンテナから取り入れた高周波電流の中から、アンテナ同調コイルとバリコンの組みあわせで放送を選びだします。

これを検波管で検波すると音声電流が取り出せます。

これを同じ真空管で増幅し、つぎの低周波増幅管によってスピーカーを鳴らすことができるように増幅して、スピーカーへ送ります。

三球ラジオ受信機は、鉱石ラジオ受信機よりやや込み入っていますが原理は同じです。
残りの1本の真空管は整流管で他の真空管のはたらきに必要な高電圧の直流をつくる役目をします。

五球スーパーラジオ受信機

三球ラジオ受信機と同じようにアンテナから取り入れた高周波電流の中からアンテナ同調コイルとバリコンの組みあわせで、放送を選びだします。

周波数変換管は、選びだした周波数を常に455キロヘルツの中間周波数をもった高周波電流にかえます。
こうすると、さらに大きく増幅することも、かんたんになるのです。

中間周波増幅管で増幅された電流は検波増幅管でまず検波さか、音声電流が取り出され再び増幅されます。

増幅された音声電流は、最後の真空管の低周波増幅管によってスピーカーを鳴らすことができるように増幅して送られます。

五球スーパーラジオ受信機は、込み入っているようですが鉱石ラジオ受信機と原理は同じものです。



同調

たくさんの放送局からでたいろいろな周波数の電波が、空中を伝わってきます。

この電波をアンテナで受けてその中から聞きたい放送を選びださなければなりません。
これには同調回路というものを使います。

コイルとコンデンサーをつないだものにいろいろな周波数の高周波電流を送るとその中で、ちょうどよい周波数の高周波だけが、とくに強く振動します。

これが同調です。

コイルやコンデンサーをかえると、同調する周波数がかわり違う周波数の電波を、強く受けることができます。

ふつうのラジオ受信機では、コンデンサーの大きさ(電気容量)をかえて、いろいろな周波数の電波に同調させます。

このようなコンデンサーをバリアブルコンデンサー(バリコン)と言います。

また、コイルの中にダストコアという鉄の合金の細かい粉を絶縁物でかためた芯をさしこんで、同調する周波数をかえるものもあります。

いちばんかんたんな鉱石ラジオ受信機ではコイルの途中からタップという線を何本もだしそれらにバリコンを適当につなぎかえて同調周波数をかえることもあります。

検波・増幅

選びだされた高周波電流は、レシーバーに通しても音声にはなりません。
その中から、音声電流をとりださなければなりません。

これが検波です。

鉱石ラジオ受信機の音声電流は、非常に弱いのでそのままでは、スピーカーを鳴らすことはできません。

三球ラジオ受信機では、検波されたばかりの音声電流は弱いので真空管を使って、充分強くします。これが低周波増幅です。

五球スーパーラジオ受信機では、高周波電流を一度別の周波数(中間周波数)の電流にかえ、増幅してから検波し音声電流を取り出します。

これを2つの真空管で増幅し、スピーカーを鳴らします。

とくに感度のよいものでは、アンテナから取り入れた高周波電流をそのまま増幅します。

それを、高周波増幅と言います。
それから中間周波にかえ、増幅してから検波します。




鉱石検波器・トランジスタ・パラメトロンとは?

ゲルマニウムダイオードと検波作用

放送局から送られてくるラジオの電波をアンテナから取り入れてそれをレシーバーに通しても音声は聞こえません。

放送電波は、図のAのようになっていて1秒間に数十万回以上も振動している高周波だからです。
このような振動から音声電流を取り出すことが検波です。

鉱石ラジオに使われているゲルマニウムを使った鉱石検波器は検波するためのもので、二極管と同じように電流を片方にだけ通す性質をもっています。

Aのような、音声で変調された高周波電流を検査波器に通すとBのような片方だけの高周波電流になって出てきます。

これをコンデンサーにつなぐと、Cのような音声電流になります。
この電流をレシーバーに通すと音になって聞こえるのです。


トランジスタ

真空管は、長いあいだラジオやそのほかの電気器械に使われてきました。
真空管の大部分は高い温度のカソードからでる熱電子を利用しているので、形が大きく、重く、熱くなりやすく、電力をたくさん使うので不便でした。

1848年に、ゲルマニウムを使ったトランジスタが発明され小型ラジオやテレビなどにたくさん使われています。

トランジスタは、真空管にくらべるとずっと小さく、カソードを熱する必要がなくとくに低い電圧ではたらくので、電力も少なくてすみます。

そのうえ、丈夫で、寿命が何倍も長いので非常に進歩して、広く使われるようになってきました。

半導体は、純粋なゲルマニウムやシリコンに混ぜる不純物の種類と割合により、N形の半導体とP形の半導体ができます。

トランジスタには、N形を2個のP形ではさんだPNP形トランジスタや逆にP形をN形ではさんだNPN形トランジスタなどがあります。

ふつうの、トランジスタではそれぞれの半導体に導線がとりつけてあるので3本あしのように見えます。

これらは、それぞれ三極管のプレート(陽極)・グリッド(格子)カソード(陰極)に相当する役目をし、それぞれをコレクター・ベース・エミッタと言います。

集積回路(IC)

トランジスタは真空管にかわるすばらしい性質をもっているうえに極めて小さくつくれるので、小型で性能のよいラジオやテレビ・電子計算機など、がつくられるようになりました。

しかし、トランジスタに取り付けてはたらかすコンデンサーや抵抗器・ダイオードのような部分品はあまり小さくはできません。

そこで、これらの部分品をトランジスタと同じように小さなかたまりにつくっておき、それぞれを電線でつなぐかわりに順々に重ね合わせたり、ならべたりして、全体を1つにしたものが集積回路です。

こうすれば、ラジオなどは現在よりもっと小さくなり腕時計くらいにすることもできるしそのほかの電気器械もずっと小型にすることができ私たちの生活にも大へん役に立つことでしょう。

パラメトロン

1955年に、後藤英一によって発明され電子計算機に使われている部分品です。

フェライト(一種の半導体で鉄・コバルト・ニッケルなどの酸化物でつくる)でつくられた小さなドーナツ形(フェライトコアという)のものに電線が何回かまいてあります。

この電線に電流を流すと、フェライトは磁石になりますがその強さは電流の強さに比例しません。
この性質が、電子計算機にうまく利用されています。

パラメトロンに真空管より構造がかんたんで丈夫なうえ、はたらきが確かなので、計算機に適しています。

エサキダイオード

1957年に、江崎玲於奈が発明したダイオードです。

ふつうのゲルマニウムダイオードは一方向だけに電流を流す性質があります。
この性質は、ラジオ受信機の中で、検波や整流に使われています。

エサキダイオードは、たいへん小さくすることができ電圧を高くしていくと、途中で電流が少なくなるところがあります。

この性質を利用すると、よいスイッチができるので計算機などに使いはたらきをずっとよくすることができます。




真空放電とは? 二極管・三極管とは? わかりやすく解説!

真空放電

電極を2個入れて真空にしたガラス管に高い電圧をかけると電極の間に電流が流れます。
この現象を、真空放電と言います。

このときガラス管の中に空気などのガスが少しでも残っていると美しい色の光がでます。
広告などに使うネオンサインは、これを利用したものです。
管の中にガスがほとんどないときは、+側の管の内側がうす緑色に光ります。

これらは、-側の電極から電子とよばれる-電気をもった非常に小さい粒子が飛出し、これがガスに衝突するとガスが+と-の電気をもったものにわかれそれがふたたびいっしょになるときあざやかな光がでてまた、電子がガラスに直接衝突すると緑色の蛍光がでるものと考えられています。

蛍光灯は、この真空放電を利用したもので管の中の水銀の蒸気からでる紫外線が管の内側にぬってある蛍光物質にあたり、目に見える光を出させるものです。


エジソン効果

エジソンは、中を真空にした電球の研究をしていてつぎのような発見をしました。

真空電球の中にフィラメントのほかに、金属の板を入れ図の(A)のようにつないでフィラメントを熱くしてやると金属板とフィラメントの間に電流が流れました。

(B)のようにつないだのでは、電流は流れませんでした。
そして、フィラメントが熱くないときはどの場合にも電流が流れませんでした。

フィラメントが熱いと、電子がたやすくたくさん飛出しやすくなるからです。
このようなはたらきをエジソン効果と言い、真空の中での電流はこの電子の流れのことなのです。

二極管(二極真空管)

フィラメントとプレート(金属板)とをふうじこんだ真空管でプレートのほうがフィラメントより電圧が高い場合を考えてみましょう。

このとき、プレートは+に、フィラメントは-になっています。

フィラメントに電流を流して高い温度にさせ、赤く光るようにすると-の電気をもつた電子が飛出し、プレートの+の電気にひかれて飛んでいきます。

逆に、プレートよりフィラメントのほうが電圧が高い場合はフィラメントから電子がでてもプレートのほうへ飛んでいくことができません。

二極管は、電流を1つの方向にだけしか流さないのでちょうど水をくみあげるポンプの弁のようなはたらきをすることになります。

整流作用

交流は、行ったり来たりする電流ですが、これを二極管に流すと一方向だけに流れる直流になります。

このはたらきを整流作用と言い、テレビやラジオなどに使われています。

シリコン整流器

シリコン(ケイ素)は、ゲルマニウムとよく似た性質をもっているので、ダイオードをつくることができます。

シリコンダイオードはゲルマニウムダイオードより高い電圧で使うことができるとともに大きな電流を流すことができるので、いっそう便利です。

電車を走らせるときなどに必要な直流を交流からつくるときシリコンを使った整流器が、さかんに使われています。



三極管(三極真空管)

三極管は、二極管をもとにしてつくられた真空管で+極(プレート)と-極(カソード)のあいだに格子(グリッド)というものがあります。

グリッドは、金属の網が螺旋になっていて電子の通り道をふさいでいます。

電子は、網の目を通り抜けて+極へ届くのですがもし、グリッドが-極より電圧が低く-の電気をもっていたらどうでしょう。

電子も-の電気をもっているのでグリッドの-の電気に跳ね返され、ほとんど+極へ届きません。

グリッドの-電気を弱くしてやれば、電子のうちのいくつかはグリッドの網の目をくぐりぬけていきます。

グリッドの-電気をいろいろにかえるとそれにつれて、+極に届く電子の数がかわります。

つまり、グリッドの電圧をかえてやることによって真空管を流れる山流の大きさをかえることができるのです。

増幅作用

三極管のグリッド電圧をわずかにかえてやるだけで真空管を流れる電流を大きくかえることができます。
これを三極管の増幅作用と言い、三極管のもっとも大切なはたらきの1つです。

遠い放送局からおくられてきた、弱い電波は受信機に入っても、弱い電圧にしかなりません。

これをゲルマニウム検波器や、二極管検波器を通してレシーバーで聞いても、小さな音しか聞こえてきません。

しかし、この弱い電圧を三極管のグリッドに入れてやれば大きく変化する電流にかえることができます。

レシーバーできけば、まえよりずっと大きな音に聞こえてきますしスピーカーを鳴らすこともできるようになります。

いろいろな真空管

真空管には、二極管・三極管のほかにも、いろいろな種類があります。

四極管にはグリッドが2つ、五極管には3つあります。
これらは、三極管を改良したもので、スーパー受信機には特別なはたらきをする七極管も使われています。

たいていの真空管は、-極(カソード)が真ん中にあってまわりを螺旋形のグリッドが取り囲み、その外側を筒形の+極(プレート)が取り囲んでいます。

カソードには2通りあります。

フィラメントに電流を流して高温度にしそこから、直接飛び出す電子を利用している直熱型でこのような真空管は、おもに電池などの直流で使う装置に用いられています。

けれども、電灯線からの交流の電気を使うふつうのラジオでは防熱型のカソードをもつ真空管が使われています。

この真空管では金属酸化物をぬったニッケルの細い管の中にヒーターが入っていて、ヒーターで管を熱して管の表面から電子が飛び出すようになっています。




電離層とは?X線の性質と利用とは? わかりやすく解説!

電離層

地球をとりまく大気中には、電波を跳ね返す層があります。

この層は、電気をもった小さな粒がたくさん集まってできていて、電離層と言われます。

電離層は、ふつう2つの層になっていて低いほうをE層、高いほうをF層と言います。
長波や中波はE層で反射されますが、短波や超短波は通り抜けます。

F層はE層より電波を反射するはたらきが強いので短波はここで反射されますが、超短波は通り抜けます。

短波は、F層と地球の表面で反射されます。
それが繰り返されて、地球の裏側に伝わりやすいので外国むけの放送などに使われます。


X線の性質

白金やタングステンのような重い金属に非常に速い電子を衝突させると、X線がでます。

X線は光や紫外線と同じような電磁波ですが波長がずっと短く、10ミリミクロンから、0.001ミリミクロンほどです。
ですから、他の電磁波とは、その性質もたいへん違っています。

多くの物質を通り抜け、写真フィルムを感光させたり蛍光物質を光らせたりします。
また、物質の中を通ると、その物質に+と-の電気を帯びさせます。

これらの性質は、X線の波長によってかわりますが波長は、衝突させた電子の速度によってかわります。

通り抜ける力の強いX線をつくるには数万ボルトの電圧で電子を衝突させます。

X線の利用

体の内部を調べるレントゲン検査はX線を利用したものです。
ガンを治すために使われることもありますが確実に治るとはかぎらないようです。

工業用としては、金属材料の内部の傷を検査するにはもっとも大切な方法の、1つになっています。

また、物質の内部の細かいしくみを調べるために使います。
X線をあてると内部の細かいしくみによって通り方や、跳ね返され方が違うからです。

X線は遺伝の研究にも使われます。

X線を生物にあてると、かわった子どもが生まれることがあるので遺伝がどのようにおこなわれるかを調べるのに役立ちます。




電波の性質とは?周波数・電磁波とは? わかりやすく解説!

電波とは

太鼓を打つと、その振動は音波となって、空気中を伝わります。
ラジオの音声やテレビの画像は電波によって空間を伝わります。

しかし、電波と音波とは、いろいろな点で、たいへん違います。
音波も電波も、むかしから自然界にありました。
もとからあった電波と言えば、雷からでる電波があります。

しかし音波と違って、このような電波はラジオやテレビには使えません。
私たちの利用している電波は、真空管などを使って人間がつくりだしたものです。

イギリスのマクスウェル(1831一1879)は電波は光や赤外線と同じように電磁波とよばれる波の一種であることを、数学を使って確かめました。

その後、ドイツのヘルツ(1857-1894)は人工的に電気火花を飛ばして、電波をつくることに成功しました。


電磁波

万年筆や下じきのようなプラスチック製品を、毛皮や毛織物でこすって、電気を起こすと、細かいほこりや紙きれなどが、吸いつきます。

電線を流れている電気も同じように電線のまわりに力をおよぼし磁針を近づけると、ふれ動きます。

このような力を電磁力と言います。
電磁力は遠くなるにつれて弱まりますがこの力のはたらく範囲を、電磁界と言います。

振動する電流が流れるときには、それにつれて、電磁界も振動します。
もし、このとき近くに磁石があれば、振動する力がはたらきます。
また、近くの金属には振動する電流があらわれます。

50ヘルツの交流が流れる電灯線のまわりには1秒間に50回振動する電磁界ができます。
このような電磁界は、光と同じ速さで伝わっていきます。

振動がまわりに伝わっていくところちょうど水面に広がっていく波に似ています。これが電磁波です。

50ヘルツとか60ヘルツでなく何万ヘルツから何百メガヘルツ(メガは百万倍のこと)と言う非常に速く振動する電流をつくり、この振動電流を流したときに出る電磁波が、ふつうに使われている電波です。

このようにつくられた電波は、遠くまで伝わっていきます。



周波数

放送局のアンテナから送り出される電波は、音の波とよく似ています。
どちらも、振動する状態が空気中を伝わる現象です。

だから、波を調べるには、波の伝わる速さと1秒間に振動する回数(周波数)を調べることが大切です。
波は下の図のように書きあらわすことができます。

図で、山(高くなったところ)からつぎの山までの間隔を波長と言います。
そして1秒間に伝わる距離を波長で割ったものが、周波数になるわけです。

水面の波や、音の波が伝わる速さは1秒間に数メートルか、340メートルくらいです。
しかし、電波が伝わる速さは、1秒間に30万キロメートルもあります。
自然界で、これよりも早いものはありません。

いっぽう、電波の周波数は、1秒間に1万回(10キロヘルツ)から3兆回(30万ヘルツ)ぐらいまであります。

ですから、電波の波長は3万メートルから1ミリメートルといろいろの種類があります。
波長が違うと、電波の性質にいろいろな違いがあらわれます。

しかし、どの電波にも言える性質は、ほかの物質にあたると一部分は反射され、その他の部分は、進む道が折れ曲がってその物質に入っていき、しだいに弱まってしまうということです。

電波が金属のような、電気をよく伝える物質にあたるととてもよく跳ね返されます。

地面もよく電気を伝えるので、電波をよく跳ね返します。
このことは、電波を使うときに役立つ、大切な性質です。

電波の伝わり方

放送局のアンテナから送り出された電波は地面すれすれに伝わって進む地表波と、空に向かって進む空間波とになります。

これらの電波は、途中に山や建物のような邪魔物があると波長の短い電波ほどさえぎられます。

そして、そのうしろ側に、電波の届かない影ができやすい性質があります。

ですから、波長の長い長波や中波は途中に邪魔物の多いところで使うのに適しています。

非常に波長の短い電波は互いに見通しの利かないところでは使えないことになります。
波長の短い電波は、光と同じようにまっすぐ進んで、あまり弱まりません。

そこで、お椀型のパラボラアンテナを使って見通しの利くところへ、強い電波を送ることができます。

これは、テレビジョンや電話の多重通信の中継などに使われています。




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