電波の性質とは?周波数・電磁波とは? わかりやすく解説!

電波とは

太鼓を打つと、その振動は音波となって、空気中を伝わります。
ラジオの音声やテレビの画像は電波によって空間を伝わります。

しかし、電波と音波とは、いろいろな点で、たいへん違います。
音波も電波も、むかしから自然界にありました。
もとからあった電波と言えば、雷からでる電波があります。

しかし音波と違って、このような電波はラジオやテレビには使えません。
私たちの利用している電波は、真空管などを使って人間がつくりだしたものです。

イギリスのマクスウェル(1831一1879)は電波は光や赤外線と同じように電磁波とよばれる波の一種であることを、数学を使って確かめました。

その後、ドイツのヘルツ(1857-1894)は人工的に電気火花を飛ばして、電波をつくることに成功しました。


電磁波

万年筆や下じきのようなプラスチック製品を、毛皮や毛織物でこすって、電気を起こすと、細かいほこりや紙きれなどが、吸いつきます。

電線を流れている電気も同じように電線のまわりに力をおよぼし磁針を近づけると、ふれ動きます。

このような力を電磁力と言います。
電磁力は遠くなるにつれて弱まりますがこの力のはたらく範囲を、電磁界と言います。

振動する電流が流れるときには、それにつれて、電磁界も振動します。
もし、このとき近くに磁石があれば、振動する力がはたらきます。
また、近くの金属には振動する電流があらわれます。

50ヘルツの交流が流れる電灯線のまわりには1秒間に50回振動する電磁界ができます。
このような電磁界は、光と同じ速さで伝わっていきます。

振動がまわりに伝わっていくところちょうど水面に広がっていく波に似ています。これが電磁波です。

50ヘルツとか60ヘルツでなく何万ヘルツから何百メガヘルツ(メガは百万倍のこと)と言う非常に速く振動する電流をつくり、この振動電流を流したときに出る電磁波が、ふつうに使われている電波です。

このようにつくられた電波は、遠くまで伝わっていきます。



周波数

放送局のアンテナから送り出される電波は、音の波とよく似ています。
どちらも、振動する状態が空気中を伝わる現象です。

だから、波を調べるには、波の伝わる速さと1秒間に振動する回数(周波数)を調べることが大切です。
波は下の図のように書きあらわすことができます。

図で、山(高くなったところ)からつぎの山までの間隔を波長と言います。
そして1秒間に伝わる距離を波長で割ったものが、周波数になるわけです。

水面の波や、音の波が伝わる速さは1秒間に数メートルか、340メートルくらいです。
しかし、電波が伝わる速さは、1秒間に30万キロメートルもあります。
自然界で、これよりも早いものはありません。

いっぽう、電波の周波数は、1秒間に1万回(10キロヘルツ)から3兆回(30万ヘルツ)ぐらいまであります。

ですから、電波の波長は3万メートルから1ミリメートルといろいろの種類があります。
波長が違うと、電波の性質にいろいろな違いがあらわれます。

しかし、どの電波にも言える性質は、ほかの物質にあたると一部分は反射され、その他の部分は、進む道が折れ曲がってその物質に入っていき、しだいに弱まってしまうということです。

電波が金属のような、電気をよく伝える物質にあたるととてもよく跳ね返されます。

地面もよく電気を伝えるので、電波をよく跳ね返します。
このことは、電波を使うときに役立つ、大切な性質です。

電波の伝わり方

放送局のアンテナから送り出された電波は地面すれすれに伝わって進む地表波と、空に向かって進む空間波とになります。

これらの電波は、途中に山や建物のような邪魔物があると波長の短い電波ほどさえぎられます。

そして、そのうしろ側に、電波の届かない影ができやすい性質があります。

ですから、波長の長い長波や中波は途中に邪魔物の多いところで使うのに適しています。

非常に波長の短い電波は互いに見通しの利かないところでは使えないことになります。
波長の短い電波は、光と同じようにまっすぐ進んで、あまり弱まりません。

そこで、お椀型のパラボラアンテナを使って見通しの利くところへ、強い電波を送ることができます。

これは、テレビジョンや電話の多重通信の中継などに使われています。




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