岩石の利用方法とは?土木・建築用材としての利用法とは?

地球の姿

岩石の利用

岩石には、いろいろな利用法がありますが、大きくわけると土木工事や建築用の石材として利用するしかたとセメントやガラスエ業などの工業原料として利用するしかたとがあります。

また、このほかに、いろいろな有用金属をとる鉱石も一種の岩石ですしまた、石油や石炭も、岩石の一種ですがこれらの利用については、ここでは省くことにします。


土木・建築用材としての利用法

我が国では、土木工事や建築用の石材として、いろいろな火成岩が使われています。

岩石が石材として利用されるためにはつぎのような性質を持っていることが、望ましいのです。

① 大きな圧力がくわわっても、くずれないことこのためには岩石をつくっている1つ1つの鉱物が、しっかりとくっつきあっていること。

岩石に、あまり細かな割れ目が、入っていないことなどが必要です。

② 火や風雨の作用にたいしても、抵抗力が強いこと。

③ 岩肌がきれいなこと。

④ 規則正しい割れ目が、ほどよく入っていて、石切場から切りだすのに都合がよいこと。

しかし、1つの岩石で、これらすべての性質を兼ね備えているということはほとんどないので岩石の性質によって、それぞれ、適当な用いかたをします。

カコウ岩の利用

カコウ岩は、我が国のほうぼうの山地に広く分布しているので、石材として、広く利用されています。

カコウ岩が、石材として利用されるのは大きな圧力に耐える力が強いためです。

しかも、都合がよいことには、カコウ岩はだいたい直角にまじわる三方向の面にそって割れる性質があるので立方体の石材として切りだしやすいのです。

圧力に対して強いので大きなビル・橋げた・石垣などの石材としてよく用いられます。

しかし、カコウ岩は火に弱く、火事などにあうとボロボロに砕けやすい欠点をもっています。

これはカコウ岩の中にたくさんふくまれている石英が熱せられると、急に膨張するためです。

カコウ岩にかぎらず、岩石は石材として用いられるときにいろいろな俗名でよばれています。

カコウ岩の俗名は、ミカゲ石(またはミカゲ)です。
これは、むかし、中国地方がら切り出したカコウ岩を兵庫県の御影港から積みだしたので、この名がついたのだと言われています。

岡山県万成地方からでる淡紅色のカコウ岩石材はサクラミカゲ(またはマンナリミカゲ)といって、珍重されています。

東京地方で、よく見かける白色のカコウ岩石材は茨城県の稲川というところから切りだされたものでイナダミカゲ(またはイナダ石)といいます。

なお、深成岩の一種のハンレイ岩は、磨くときれいな黒色の光沢を出すので装飾用の石材や墓石として、よく用いられています。

これをクロミカゲ(またはオニミカゲ)とよんでいますがこれは、カコウ岩ではありません。



アンザン岩の利用

アソザソ岩もカコウ岩とならんで、広く石材として利用されています。

アンザン岩はカコウ岩とくらべて風や雨で風化されにくく、また熱に対しても強いのが特徴です。

アンザン岩の中には、板状に割れやすい性質をもつものがあり迚物の外側にはりつけたり、石壁などによく用いられています。

岩肌は、ねずみ色をしており、カコウ岩ほどきれいではありませんが我が国には火山が多いので、ほうぼうの火山(とくに関東・中部地方の火山)からたくさんとれるので値段が安いという長所を備えています。

長野県の諏訪市の近くから切りだされるアンザン岩(霧ヶ峰火山の溶岩)は鉄平石ともよばれ、敷石や壁のはり石として利用されています。

また、小田原市の少し西の根府川付近からとれるアンザン岩(箱根火山の溶岩)はネブカワ石とよばれ、東京あたりでは、よく使われています。

凝灰岩の利用

凝灰岩は火山灰がかたまった、一種の堆積岩で圧力に耐える力はカコウ岩やアンザン岩ほど強くはありませんが風雨の作用や、火に対する抵抗力が強く、また、わりにやわらかくて切りだしやすいので、よい石材になります。

石垣・石壁・倉庫などにはこれが、よく使われます。

東京あたりでは、淡緑色で、ボツボツあばたのような穴のあいた、オオヤ石とよばれるギョウカイ岩が、よく見られます。

このほか、適当な硬さをもった緻密なギョウカイ岩は砥石としてよく用いられています。

ネンバン岩やサ岩の利用

ネンバン岩は、平らに割れやすい性質を持っているのでむかしは、屋根を拭くのに使われましたがいまでは、セメントがからの発違により、あまり使われていません。

それでも石碑や庭の敷石に用いたり、碁石や、砥石の原料に使われています。

日本から産出する砂岩は、風雨の作用に弱くボロボロになりやすいので、あまりよい石材にはなりません。

もっとも、細かな割れ目が、たくさん入っている硬いサ岩は、細かく割れやすいので、ダムエ事のときのセメントの骨材や道路工事の敷石(岩バラス)としてよく用いられています。

グイリ石やジャモン岩の利用

セッカイ岩が変質したダイリ石や深成岩の一種のジャモソ岩には岩肌が、非常にきれいなものが多いので装飾用の石材としてビルの内壁などに用いられています。

また、ダイリ石は、彫刻にも使われています。
これは、岩石としては、わりあいにやわらかく、細工しやすいためです。
だから、装飾用に使う場合でも、きれいに磨いて使います。

日本のダイリ石としては、岐阜県赤坂や山口県秋吉台産のものが有名ですが世界的にはイタリア産のものが最も良質で

日本でも、たくさん輪入しています。

コクヨウ岩の利用

コクヨウ岩は、ガラス質のリュウモン岩ですがきれいなものは、細工して、カフスボタンや帯どめなどの装飾品として用いられます。

最近では、一種のコクヨウ岩(二次的に変質して、水をふくんだもの)を適当な温度で焼いて、餅のようにふくらましたものをセメントの骨材として用いています。

これは、軽くて、上部な性質を利用しているわけです。
また、むかし、矢じりや矛などにつかわれていたこともあります。




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