石炭
石炭と言うのは、大むかしの木や葉が厚く積もり土砂の中にうずまって、長い年月のあいだ地熱や圧力をうけてできたものでよく燃える岩石とも言えます。
石炭ができる場所
石炭は、植物からできたものですが、その植物は、もとのままでは残っていません。
石炭になるまでには、熱をうけ、押し縮められて性質もかわり、たいへん小さくなっています。
石炭は、厚さが1~3メートル、ときには十数メートルという層をつくっていることがあります。
こういう炭層の石炭を、もとの植物の大きさに直してみるとものすごく厚かったことが、そうそうされます。
ですから、このような場所ではたくさんの木が折り重なるようにして積もったことになります。
しかし。森林の木や葉が積もっても、空気に触れていればすぐに腐ってしまい、石炭のもとになる物資は、なくなってしまうでしょう。
ですから、石炭ができるときには、そのような分解をしてしまう前に木や葉が土砂の中に、埋め込まなければなりません。
したがって、石炭は、土砂のよく積もるような沼・湖・海岸の近くでしかも森林のよく発達したところにだけできます。
炭化作用
植物の幹や葉が水中に入って土砂をかぶりますと、空気の酸化作用や、酸素を使って生きている酸化バクテリアや昆虫などの作用がにぶり、腐りにくくなります。
さらに土砂がたまるにつれて、植物は、どんどん地下に沈んでいきます。
すると、植物質中の酸素と水素がむすびつき、水となってでていきます。
あとに残ったのが炭素をたくさんふくんだ泥炭です。
これが炭化作用の前半で、泥炭化作用とよばれています。
つぎに、上に厚く積もった土砂の重みや地殻の変動による圧力や火山・温泉の作用などで、水分や揮発分が逃げていきます。
これが後半の炭化作用です。
こうして、植物は、泥炭やかっ炭になりつぎに、れきせい炭となって、ついには無煙炭となります。
つぎの表でもわかるように、木材から無煙炭になるにつれて炭素の量はしだいに増え、水素と酸素の量は、だんだん減ってきます。
そして、炭素の量の多い石炭を炭素の量の少ない石炭に対して炭化作用の進んだ石炭といいます。
石炭の黒いのは、炭素が多いからです。
石炭の分類
炭化作用の進み具合で、左の表のように石炭を分類することができます。
日本のように火山の多いところでは火山の熱で、蒸し焼きにされてできたオコリとよばれる無煙炭の一種やチクラとよばれるれきせい炭、または、せん石とよばれる天然のコークスがあります。