蒸気の利用方とは?つゆのでき方とは?露点とは?

熱・音・光

蒸気の利用

液体が蒸気になると、体積が非常に増えます。
それで、その力を利用したり、熱を利用したりして蒸気は、いろいろのものに使われています。


蒸気機関

石炭や重油を燃やして水を蒸発させ、蒸気が100℃以上になると圧力が非常に大きくなります。

蒸気機関は、この力を利用した機械です。
そのしくみは、ボイラで蒸気を発生させ、それをシリンダに導きます。

そこで蒸気を膨張させ、ピストンを往復運動させて、動力を取り出します。
蒸気機関車は、このようなしくみの蒸気機関で動きます。

自然界にも、大きな蒸気機関があります。
海水が太陽熱で熱せられて蒸発し、水蒸気は上昇して雲になります。

雲は、また雨を降らせ、その水が流れて、岩を転がし谷を削り土砂を流して平野をつくっていく、大きな土木工事が大むかしから続いているのです。

これは、石炭などのかわりに、太陽の熱を使って、蒸気をつくりそれが大きな工事をする、大きな蒸気機関であると言えるでしょう。

実験

ゴム栓に、縦にいくつも切れ目をつくり、ブリキの羽根をつけて、細いガラス管を通します。

ガラス管に細い針金を通して、くるくるまわるようにしておきます。
つぎに先を細くしたガラス管を横に曲げて、フラスコの栓に通します。
フラスコに水を入れ、このガラス管を通した線でふたをします。

フラスコの水を熱すると、蒸気が、細いガラス管の口から勢いよくふきでます。
この蒸気を、ゴム栓についているブリキの羽根にあてると、このゴム栓は勢いよく回ります。

このような、羽根をつけた車を、蒸気で回すしくみを、蒸気タービンと言います。

蒸気暖房

冬、大きなビルなどでは、水蒸気を使って、部屋をあたためているところがあります。
かまで水蒸気をつくり、パイプで各部屋に送り、放熱器(ラジエータ)に入れて部屋をあたためるようになっています。

湯を送るよりも、水蒸気を送ったほうが、気化熱だけ、余計に熱を送ることができます。
石炭を燃やしてできた熱は、水蒸気の中に、おもに気化熱としてたくわえられ部屋に運ばれて、その熱で部屋をあたためるわけです。



つゆのでき方

鏡やガラス窓に息をふきかけると、ガラスが、白くくもります。
これを、指でよせ集めてみると、水であることがわかるでしょう。

このくもりをレンズで見ると、小さな水滴が見えます。
これは、息の中の水蒸気が冷やされて、水(つゆ)になったものです。

冬になると、吐き出した息が白くなりますがこれも、息の中の水蒸気が、小さな水滴になったものです。
風呂のガラス窓にも、水蒸気が冷えてできた、水滴がついています。

草の葉や屋根につくつゆも、夜になって気温が下がり空気中にふくまれている水蒸気が、水になってできたものです。
また、霧も、空気中の水蒸気が冷えて小さな水滴になったものです。

水滴は何か小さな粒があると、それを中心にしてできやすいものです。
やかんから湯気がでているとき、煙草の煙りをふきかけると、湯気がもっと増えます。

飛行機雲も、飛行機の排気ガスの中にふくまれている小さな粒のまわりにできる水滴によるものです。

また、いろいろ実験されている人工降雨は、よう化銀の小さな粒を高空の空気中にまきちらして、これを種にして水滴をつくり、雨を降らそうとするものです。

露点

空気の圧力を一定にしておいて、その温度をしだいに下げていくとある温度になると、空気中にふくまれている水蒸気は飽和状態になり、水蒸気が、水滴になりはじめます。

このときの温度を、露点と言います。

露点よりさらに温度を下げていくと飽和蒸気の量以上の水蒸気は、どんどん水滴となっていきます。

露点は、空気中の水蒸気の量によって違い空気中に水蒸気が多ければ高く、少なければ低いのです。




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