三態と体積の変化
液体が気体になるときには、体積が非常に大きくなります。
液体が凝固して、固体になるときには、ナフタリンやパラフィンのようにふつう体積か小さくなります。
多くの金属は、凝固するときに体積が減りますが鋳物をつくる鋳鉄が凝固するとき、黒鉛を生じると、体積は増えます。
そのほか、ビスマスやアンチモンなどの金属も凝固するときにわずかですが体積が増えます。
水もまた、凍るときには体積が増えます。
印刷に使う活字をつくる合金は鉛が主成分でこれにアンチモン・すずをまぜあわせてつくったものです。
この合金は、凝固するときに、ほとんど体積が変化しません。
実験
ナフタリンの粉を試験管に入れ、これを、熱い湯につけて溶かします。
試験管をとりだし、まっすぐに立てて液の表面のところを糸でまいて印をしておきます。
この試験管を。空気中におくと、溶けたナフタリンは、だんだん凝固してきます。
全部かたまってから、表面を見ると、中央のところがとてもへこんでいるのがわかるでしょう。
パラフィンを、小さなビーカーに少し入れて溶かし、空気中で静かに冷やすとナフタリンと同じように、溶けているときには平らだった表面が、へこんでかたまります。
物質の三態と熱量の関係
物質が状態をかえるときには、熱が大きなはたらきをします。
水が氷になったり、氷が水になったりするときには、それに必要な熱の出入りがあります。
一気圧のとき、0℃の氷を溶かして、0℃の水にするためには氷1グラムにつき80カロリーの熱量(融解熱)をあたえてやらなければなりません。
また、0℃1グラムの水を0℃の氷にするには水から80カロリーの熱量をうばわなければなりません。
水をどんどん熱していくと、やがて沸騰しはじめます。
水が沸騰する温度(沸点)は、一気圧のとき100℃です。
水が沸騰すると、水は気化して水蒸気になります。
水を気化するのに必要な熱量(気化熱)は、100℃、一気圧で539カロリーです。
実験
零下三での氷50グラムをビーカーの中に入れこれが全部気化するまでどんどん熱していきます。
このとき、氷が水になり、さらに気化していくまでの温度の変化の様子を調べてみましょう。
まず、零下3℃から氷が溶けはじめる0℃までは温度が上がりますが氷が溶け終わるまでは、温度が0℃のままであることがわかります。
氷が全部溶け終わると、水の温度はどんどん上がり、やがて沸騰しはじめます。このときの温度は100℃です。
しかし、沸騰しはじめるといくら熱をくわえても水の温度は上がりません。
氷が溶けるときや、水が気化するときには、熱は融解熱や気化熱として使われるため温度は変化しません。