屈折のしかた
光は空気なら空気、水なら水というように、同じ物質の中ならば、まっすぐに進む性質があります。
しかし、光が、ななめに空気中から水やガラスなどの中へ進むとき空気と水やガラスのさかいめで、光の一部は反射しますが残りは水やガラスの中へ入っていきます。
このとき、質の違った物のさかいめで、光の進む方向がかわります。
これを光の屈折と言います。
同じように、水やガラスから、空気中に光がでてくるときも、屈折します。
空気から水に入る光
ふろの中で、手を縦にすると、指が短く見えたり川の中に立っている人の足が短く見えたり川やプールが実際より浅く見えたりすることがあります。
これは、水から出た光が空気中に出るときに屈折して進むからです。
実験
懐中電灯の先に、20センチくらいの黒い紙の筒をはめます。
筒の先には、真ん中に直径3ミリくらいの穴のあいた黒い紙をはります。
この懐中電灯を、図のように、動かないようにスタンドにとりつけておきます。
この懐中電灯を光源にして、水を入れていない洗面器の底をななめに照らし底にできた小さな明るい点の位置を、鉛筆で印をつけておきます。
つぎに、懐中電灯をつけたままにしておいて、静かに洗面器に水を入れていくと底の光った点は、しだいに光源に近いほうに動いていきます。
これは、光が、空気中から水の中へ入るとき屈折するからです。
屈折率
光の屈折の割合は空気とか、水・氷・ガラスなど物によって、だいたい決まっています。
光が空気中から、いろいろな物の中に入るときの屈折の割合をその物の屈折率と言います。
空気中を進んできた光が、物の面にあたった点に立てた垂線と屈折した光(屈折光線)がつくる角度を、屈折角と言います。
また、この垂線と、入ってきた光(入射光線)がつくる角を入射角と言います。
空気中から水中に光を入れたときのように、入射角が屈折角より大きいときは屈折率が1より大きいと言います。
ふつう、透明な物は、みな屈折率が1より大きいのです。
実験
水の屈折率は、つぎのようにして、測ります。
うすい板を右下の図のように、T字形に切り、2本の虫ピンA・Bを板に立てます。
そして、水をいっぱいに入れたビーカーの中に、この板を沈め、まっすぐに立てます。
いろいろ口を動かしてみて、さらに2本の虫ピンC・Dを、A・Bと重なって見えるように立て、A・B・C・Dが一直線に見えるようにします。
つぎに板をビーカーから取り出し水面の位置に、直線EFをひきます。
AとB、CとDをむすび、それぞれ伸ばすとこの2本の直線の交わる点Gは、EFの上にあります。
つぎに、Gを中心として円を描きABとCDの延長がその円と交わる点を、K・Hとします。
Gを通り、EFに垂直に交わる線に、KとHから垂線をおろし、J・Iを決めます。
HIの長さを、JKの長さで割ると、だいたい4/3になります。これが水の屈折率となるわけです。
空気から空気に光が入るときは、屈折はおこりません。このときの屈折率は1になります。
空気は、すべての物の中で、いちばん屈折率の小さい物です。
空気のように、屈折率の小さい物から、ガラスや水のように屈折率の大き
い物に光が入るときは、光は、そのさかいの面から遠ざかるように曲がります。
反対に、屈折率の大きい物から、屈折率の小さい物に光が入るときはそのさかいの面に近づくように、屈折します。
また、同じ物の中を光が通る場合でも、その光の色によって、屈折率が違います。
赤・橙・黄・緑・青・青紫・紫の順に、屈折率は大きくなります。