電熱器具のしくみとは?電気コンロ・電気釜・トースターのしくみ

電気

電気コンロ

電気コンロのいちばん大切なところはぐるぐると丸くまいたニクロム線を溝にはめこんだ、素焼きの熱板です。

この熱板は電気の絶縁体で、電気コンロの台にとりつけられこの熱板の下には反射板がおかれ、ニクロム線の熱が下へ逃げるのをふせいでいます。

まいたニクロム線の両端には、がい管をはめ図のように、ニクロム線が直接にふれあわないようにして、コードヘ導きます。

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電気コンロをコンセントにつなぐと、まずニクロム線が熱をだし熱板全体が熱くなり、その上にかけたなべややかんを熱します。

熱が無駄にならないように、電気コンロにかけるなべややかんは底が平らで、発熱部より少し大形のものがよいと言えます。

電気コンロでは、熱板全体に鉄の板をかぶせ、外から熱板の見えないものがあります。
こうしておけば、なべのこぼれ汁などが熱板やニクロム線にかからないので電熱器具が長持ちし、熱の無駄も少なくなります。

ニクロム線は塩分に弱いので、汁をふきこぼすと、弱くなりきれてしまいます。

切れて短くなったニクロム線を、つないで使うことは危険です。
なぜなら、たとえ太さはかわらなくても、短くなると電気抵抗は小さくなり、余分の電流が流れるからです。

電気コンロが消費する電力はワッ卜であらわされたくさんの熱を出す大形のものでは、ニクロム線が太くなっています。

長さが同じときには、ニクロム線が太いほど電気抵抗は小さくなるので電流は余分に流れ、熱の出かたも多くなるのです。

1200ワット以上の電気コンロではたいてい同じ太さと長さのニクロム線が2本入っておりスイッチ1つで、この2本の線を、直列あるいは並列に切り替えるようになっています。

このときは、並列につないだほうが、直列の場合よりずっと多く熱を出します。


電気がま

ごはんが炊きあがると、サーモスタットのはたらきで自動的に電流が止まる電気がまも、便利なものです。

電気がまでは、電熱線は二重になったかまの底に入っており米はふつう、内なべに入れますが、かまに直接に米を入れる方式のものもあります。

内なべに米を入れる三重式の電気がまでは外がまに決められた量の水を入れ、電気をながして熱します。

内なべの中の米は、底から熱せられるとともに外がまの湯が出す蒸気によって、側面からも上からも熱せられ美味しいごはんが炊けます。

電気アイロン

電気アイロンは重さで区別され、2キロなら300ワット、3キロなら400ワッ卜くらい6キロともなると、1キロワッ卜以上の電力を必要とします。

分解してみると、布におしつけられるめっきされた底金と重みをつける押え金の間に平たいニクロム線をウンモにまきつけた発熱体がおさめられています。

もちろん、この発熱体と底金・押え金の間は、同じウンモ板で絶縁されています。
このようにして、ニクロム線の発生する熱であたためられた底金で、アイロンをかけます。

最近のように、繊維品の種類が多くなると繊維の種類によってアイロンの温度を加減しないと、布地を傷めてしまいます。
そのため、細かく温度調節のできるアイロンができています。

これは、つけっぱなしにしたアイロンの過熱による火事の予防にも役立っています。

また、アイロンの中に水タンクを入れ、蒸気を吹き出させて霧吹きの手間を省く、スチームアイロンもあります。

トースター

パン食の多くなった私たちの食卓の上にはトースターもなくてはならないものになりました。

トースターのニクロム線も電気アイロンと同じように平たい線で、ウンモにまきつけられています。

ふつう、トースターは一度に2枚のパンを焼くためにこのような発熱体が3枚入っていて、パンを両面から焼くようになっています。



その他の電熱器具

電熱によって空気をあたため、この空気の対流で部屋全体をあたためる対流式の電気ストーブは、電気を多く使うので、家庭ではあまり使われません。

家庭で多く使われているのは、電熱線を熱しその熱を反射鏡を使って、正面前方に集める放射式の電気ストーブです。

500ワットくらいの小型のものは反射鏡の中央に素焼きの筒にまいたニクロム線がおかれています。

1キロワット以上のものはたいてい角型です。

これらの電気ストーブは、局部的にあたためるのには、早くて能率がよく便利です。

家庭用の暖房器具として経済的なものには、電気こたつがあります。
こたつは、ふとんや毛布をかけるため、熱が逃げ出さないので熱の発生が少なくても、充分にあたたまります。

ですから、電気こたつは400ワット以下がふつうです。
電気こたつには、サーモスタッ卜がついていて温度をある一定の範囲に保つようになっています。

そのほか、体をあたためる器具として電気毛布・電気ふとん・電気あんか・電気足温器などがありますがどれもせいぜい100ワッ卜くらいの電気ですみます。

その中で電気ふとんは、ごく細い電熱線を石綿の糸にまきつけて絶縁しそれをさらに石綿や強い綿で包んでふとんにしたものです。

こうした電熱器にも広くサーモスタットが利用されています。




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