箔検電器とは?静電気と動電とは?気導体と不導体とは?

電気

箔検電器

電気があるかないかを調べるものに、検電器があります。
電気振り子もその一種ですが、箔検電器は、もっとすぐれています。

これは、ガラス瓶の中に、金や銀などの非常にうすい箔を2枚吊り下げたものです。
使うときは、静かに扱わないと、箔がきれてだめになってしまいます。

瓶のふたはコルクや硫黄・プラスチック(ポリエチレンかアクリル樹脂)のような電気を通しにくいもので出来ています。

箔検電器の金属板に、摩擦電気をあたえると2枚の箔がひらきます。
このときあたえた電気の量が多いほど、箔のひらき方が大きくなります。
これは2枚の箔に、同種の電気がたまって、互いに退けあうためです。

この金属板に手をふれると、手を伝わって電気が逃げるため、箔はとじます。


実験1

毛皮でこすったエボナイト棒(-の電気をもっている)を箔検電器に近づけると静電誘導によって、箔に電気があらわれ、箔がひらきます。

エボナイト棒を遠ざければ、箔はとじます。

+の電気をもったものでも、静電誘導はおこりますから箔検電器に何かを近づけたとき、箔がひらくなら、近づけたものは電気をもっているということがわかります。

ただし、+の電気をもっているのか、-の電気をもっているのかはこれだけではわかりません。

実験2

-の電気をもったエボナイト棒を箔検電器の金属板にふれると、箔がひらいたままになります。
これは、ふれたところにあったエボナイト棒の電気が、検電器にうつったからです。

-の電気をもらって、ひらいている箔検電器にエボナイト棒を近づけると、箔は、さらにひらきます。
反対の種類の+の電気をもったガラス棒を近づけると箔はとじていきます。
これも静電誘導のためです。

これは、摩擦電気の+と-の見わけ方になります。

つまり、-の電気でひらいていることがはっきりしている検電器に何かを近づけたとき、箔がとじるなら、近づけたものは+をもっています。
箔がもっとひらくなら、近づけたものは-をもっています。

実験3

-の電気をもったエボナイト棒を使って箔検電器に+の電気をあたえるには、どうしたらよいでしょうか。

毛皮でこすって、-の電気をもっているエボナイト棒を箔検山器に近づけると静電誘導によって、エボナイト棒に近い金属板には反対の種類の+があらわれ、遠い方の箔には同種類の-があらわれて、箔はひらきます。

つぎに、エボナイト棒を近づけたまま金属板に手をふれると、箔がとじます。
人の体は金属のように、電気がよく流れます。

だから、手をふれると、体と箔検電器とがひとつとなってエボナイト棒のそばにおかれた金属板といっしょになります。

そこで、静電誘導であらわれる-の電気は手を伝わって、箔よりも、もっと遠いところへいってしまいます。

箔には電気がなくたって、とじてしまうのです。

このとき、金属板にあらわれている+の電気はエボナイト棒の-の電気にひきつけられているために、逃げません。

つぎに、金属板から手を離してから、エボナイト棒を遠ざけると、とじていた箔がふたたびひらきます。

これは、はじめ同じ分量だけあった+と-の電気のうち-の電気がいくらか手を伝わって逃げてしまったため、+の電気が余分になりそれによって、箔がひらいているわけです。

ですから、-の電気をもっているエボナイト棒を使って検定器に反対の+の電気をためたことになります。

静電気と動電気

摩擦電気は、摩擦したものの表面にあり、動かないので静電気と言います。

これにたいし、電池の回路を流れる電気や家庭で使う電気器具などに流れる電気を、動電気と言います。

摩擦電気の+と-を導線でつなぐと-の電気が流れて動電気ができます。



導体と不導体

エボナイトや、ビニルなど、電気を通しにくいものばかりでなく金属や人の体のように、電気を通すものでも摩擦すれば、摩擦電気が起こります。

実験

絶縁台に乗った人の片手を、箔検電器の金属板にふれさせておきます。
もういっぽうの手のひらを別の人が毛皮で強くたたくと、箔がしだいにひらいてきます。

導体

物は分子の集まりからできています。その分子は原子が集まったものです。

さらに原子は、その中心に+の電気をもった原子核があってそのまわりを-の電気をもった電子がまわっています。

電子の数は、原子の種類によって決まっています。

また、原子の種類によっては、ほかの原子のまわりをまわる電子があるものもあります。

このような電子を、自由電子と言います。

物の中には、この自由電子をたくさんもっているものがあります。
このようなものでは、-の電気がたやすく動きやすいという性質があります。

こういう性質をもったものが導体です。金属に、導体の例です。

そのほか、木炭、塩酸・水酸化ナトリウムなどの酸やアルカリ、人の体、電解質溶液、地球などは導体です。

不導体

自由電子をほとんどもたないものが、不導体です。

ポリスチレン・ガラス・エボナイト・硫黄・ろう・絹・毛皮・ナイロン・ビニルなどは不導体の仲間です。




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