蒸気機関車の特長
蒸気機関車は、はじめて鉄道ができて(1825年)から現在まで100年以上ものあいだ、世界中の鉄道で、いちばん多く使われてきました。
このように、長く鉄道の主力をしめてきたのは蒸気機関車には、つぎのようなすぐれた点があるからです。
- 搆造がかんたんで故障が少ない
- 製作費が安く、地上設備も電化にくらべると、ずっと安くてすむ
- 機械部分の寸法精度が、それほど高くなくてよい
- 燃料が、どこでも手に入りやすい
反対に欠点としては
- 熱が仕事にかわる割合が少ない ②煙りのための害が大きい
- 石炭などをたくのに、機関士がたいへんな労働になるなどがあげられます
蒸気機関車は、蒸気をつくるボイラ、その蒸気の力を走る力にかえる走り装置、車体の骨組みとなる台枠、ブレーキ装置、運転室、石炭や水を積む炭水車(テンダ)からなります。
ボイラ
まずボノラは、火室・かんどう・煙室の3つにわけられます。
火室は、燃料を燃やすところで火ごうしの上で石炭を燃やし、その熱い煙りを煙管に導きす。
火ごうしの下には、灰箱があって、線路に火が落ちないようにしてあります。
また、火室の外側は熱が無駄にならないように水で囲んであり、この部分を外火室と言います。
火室の先をかんどうと言い、ここでガスの熱を水に吸収させて蒸気にかえます。
水に熱が速く伝わるように、煙管を何本も通してその中を煙りが通るようになっています。
このまわりを、水が取り巻いています。
かんどうの上部には、できた蒸気の取り出し口や蒸気だめがあります。
ボイラの前部で、煙りを外に出すところが、煙室です。
蒸気気機関車の煙突は、むやみに高くはできません。
そこで、煙突の下に、と出管をつけてあります。
ここで、蒸気の吹き出す力を利用して煙突から煙りをだし、火室の中で火がよく燃えるように考えられています。
走り装置
ボイラでできた蒸気を導いて、走る力にする部分で動力装置・車輪・蒸気取り出し管などにわけられます。
まず、ボイラでつくられた高い気圧の蒸気15~17気圧)は機関士が加減弁のハンドルを引くと、蒸気だめから、主蒸気管を通ってシリンダに入ります。
ボイラでできた蒸気をそのまま使うとシリンダで水になりやすいので煙管の中で、もういちど熱を加えて使います。
上の図のように蒸気は分配器でシリンダの中のピストンのまえの部分に入ってピストンをうしろに押します。
ピストンがうしろにいくと分配器がはたらいてピストンのうしろ側に蒸気を入れ、ピストンをまえに押します。
このピストンの前後の動きはクロスヘッドからロットを通して主動輪のクラソクビンに伝わり、ここで動輪をまわします。
動輪のクランクピンの反対側には、重い半月形の重りがついています。
クランクピンには、丈夫な鉄のロッドがついているので動輪のクランクピン側が重くなり、回転がむらになります。
そこでそれにつり合うように、反対側に重りをつけたのです。
動輪の前後には機関車が脱線しないようにしてある先輪や機関車のうしろの重さを平均するためにつけられた後輪があります。
そのほか、蒸気機関車には、動輪が滑らないように、砂をまくための砂箱、石炭や水を入れてある炭水車(テンダ)、蒸気がたまりすぎたときに蒸気を出す安全弁、運転室の窓から外がよく見えるようにつくられた煙りよけ板があります。
また、水をボイラに入れる給水機、ブレーキ装置、気笛、発電機などもついています。
蒸気機関車のいろいろ
蒸気機関車は、形、動輪やシリンダの数などによって、いろいろな種類におけることができます。
テンダ機関車とタンク機関車
テソダ機関車は、水や石炭を積むテンダ(炭水車)という車をうしろにつないでいる、大型の機関車です。
タンク機関車は機関車の中に石炭と水とを積んだ、小型の機関車です。
シリングの数
シリンダは、左右に1組み2個あるのがふつうですが、なかには、3シリンダ機関車・4シリンダ機関車・6シリンダ機関車などがあります。
C52形やC53形の機関車は、3シリンダをもっていました。
旅客用・貨物用・こう配用・入れかえ用
旅客列車をひくための機関車は、高速が出せることが必要です。
そのために、大きな動輪(直径1.75メートル)をもっています。
C62形は、日本の代表的な旅客用蒸気機関車です。
貨物用機関車は、速力よりもひく力が大切ですから動輪の直径を1.40メートルにし、動輪を旅客用より多くした。
4軸の動輪を備えています。
また、こう配(坂道)をのぼる機関車は、もっと強い力が必要なので動輪り直径を1.25メートルにした、5軸の動輪をもつ、E10形もありました。
入れかえ用の機関車は、駅で客車や貨車の入れ替えに使うもので線路の切り替えポイントをたくさん通るため、小型で力の強い機関車が使われています。
蒸気機関車の記号と番号
蒸気機関車にも、人の氏名と同じように、記号と番号がそれぞれついていて、たくさんの機関車のうちのどの機関車と、はっきり言えるようになっています。
まず、記号のB・C・D・Eは、動輪の軸数をあらわします。
2軸がB、3軸がC、4軸がD、5軸がEです。
つぎの2けたの数が、10~49まではタンク機関車で50~99までがテンダ機関車をしめしています。
そのつぎに、同じ形の機関車のうち第何番目につくられたかをしめす、製造番号がつけられています。
また、古い機関車では、番号だけのものもあります。
1~4999までがタンク機関車で、5000~9999までがテング機関車です。