電気機関車の仕組みと特長とは? わかりやすく解説!

力の利用

電気機関車

電気を動力として使って走る機関車を、電気機関車と言います。
ふつうは、線路の上にはられた架線から電気を取り入れ、モーターをまわして走ります。


電気機関車の特長

電気機関車には蒸気機関車にくらべると①出発するときの力が強い ②運転費が安い ③煙りを出さない④エネルギーの効率が高いなどの特長があります。

その反対に機関車の値段が高く、電化するのに費用がかかるという欠点もあります。
そのため、1879年ドイツのジーメンスが電気機関車をはじめてつくってからも、鉄道の電化は、急には進みませんでした。

しかし、日本では、だんだん蒸気機関車は使われなくなり、電気機関車やディーゼル機関車の時代になってきています。

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車体

電気機関車の車体は、運転室と機械室とにわかれています。
機械室が中央部にあって、その前後に運転室のあるのがふつうです。

運転室には、スピードの加減をするコントローラ、ブレーキのハンドル、スピードメータ・電圧計・圧力計などの各種の計器、スイッチ、気笛弁などがあります。

機械室には、運転室のコントローラで動く単位スイッチや、電流の強さを加減する抵抗器、電動発電機、ブレーキに使う圧縮空気をつくる圧縮機、モーターを冷やす送風機などがあります。

また、旅客用の電気機関車には、客車の暖房に使う蒸気をつくるボイラを備えたものもあります。

台車

台車には、モーターがついた動輪のほか脱線をふせぐための先輪を取り付けたものもあります。
また、ブレーキ装置や砂箱なども台車に取り付けられています。

曲線の線路を走りやすくするために、台車を2つ、または3つの部分にわけています。
まだ、台車と台車とのあいだに、中間台車を取り付けたものもあります。



電気の通り道

電気機関車は、電動機をまわして走りますが、電気は線路の上にはられた架線という電線から、パンタグラフで車内に取り入れられます。

特別なものでは線路の横に第三レールと言う電気をとるレールをひき、そこから、コレクタシュー(集電靴)で電気を取り入れています。

電気機関車の電動機には、ふつう、直流直まき電動機が使われています。

この直流電動機には、回転をはじめると、その連動をさまたげるような電気の流れを生じる性質があります。
電動機が速くまわればまわるほど、この砲気の力も大きくなります。

そのため、電動機には、まわりはじめにたくさんの電気が流れますが、まわっている最中には、あまり電気が流れないことになります。

しかし、電気があまり流れすぎると、電動機が壊れてしまうので、電気をいちど抵抗器に入れて、流れる量を加減してやります。

まず、出発するとき、機関士はコントロール(主幹制御器)のハンドルをひいて全速力で回転したときと同じ抵抗の力を抵抗器に入れます。

少し速力が出てくると、電動機の抵抗が増えて、電気が流れなくなるため、コントローラをまわして、抵抗器の抵抗を少し減らします。

さらに、速力が増えれば抵抗を減らすようにして、スピードを上げ、常に同じ量の電気が流れるようにします。

こうして、抵抗器の抵抗が全部なくなれば電動機のつなぎ方を直列から並列にかえて、さらに抵抗をおとします。

含められた速力になるとコントローラを動かさなければ、速力はそのままに保たれます。

この電動機の回転は電動機の軸の小歯車から動転軸の大歯車に伝えられて、動転を回転させます。

また、電動機をまわすのに使われた電気は車輪からレールに流れて変電所にかえります。

電気機関車の電動機をまわす電気は、直流電気機関車では1500ボルト交流電気機関車では2万ボルトもあり、この電圧で運転の操作をするのは危険です。

そのため、機械室内の電動発電機で100ボルトの電気を起こし、その電気で、コントローラを通して、単位スイッチを動かす仕組みになってします。

ブレーキに使う圧縮空気は、空気圧縮機でつくられます。

機関士がブレーキハンドルを動かすと圧縮空気がブレーキシリンダに入って
ピストンをはたらかせます。

圧縮空気は、そのほかにパンタグラフの上げ下げや気笛・砂まきなどにも使われます。




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