動物の骨ぐみ
私たちの目にふれる動物は、たいてい、体の中に骨をもっていたり体に硬いからをかぶったりして、体を支えています。
これから、このような動物の骨ぐみ(骨格)について調べていきましょう。
外骨格
私たちがよく見かける昆虫や、ウニ・エビ・カニ・貝などからわかるように背骨のない動物(無脊椎動物)は、たいてい体の表面にキチン質や石灰質でできた、鎧のような丈夫な甲(から)をかぶっています。
この甲は、外側から体を支えるはたらきをしているので、外骨格と呼ばれます。
内骨格
獣や鳥・カエル・魚などのように、背骨をもった動物(脊椎動物)の体は背骨のほかにいろいろな骨のつながりがあって全体として、しっかりした骨ぐみをつくっています。
この骨ぐみは、体を内側から支えているので内骨格と呼ばれます。
背骨のない動物でも、カイメン・サンゴ・ナマコなどの仲間には体の中に、小さな骨がたくさん散らばっています。
この骨は、骨片または骨針と呼ばれていますが、これも内骨格の一種です。
つぎに、いろいろな脊椎動物の骨ぐみをくらべながら、体のつくりを調べていきましょう。
脊椎動物の骨ぐみ
脊椎動物の骨ぐみをつくっている骨には硬骨とよばれる硬い骨と軟骨とよばれる軟らかい骨とがあります。
ふつうの脊椎動物では、骨ぐみのほとんどは、硬骨からできています。
それで、骨と言えば、ふつうは硬骨のことを指します。
しかし、サメやエイの仲間では、骨ぐみ全体が軟骨だけからできています。
それで、これらの魚は、軟骨魚類と呼ばれています。
背骨は、脊柱動物の体の中央を走っている骨で、たくさんの骨がつながってできています。
背骨の中には、脊髄や血管が通っているのです。
たいていの動物では、背骨の上部のほうに胸骨やろっ骨がはりだしていて肺や心臓などの、大切な体のしくみを守っています。
魚やヘビは、胸骨がないので、ろっ骨は腹側で、みな離れています。
それで、ヘビや深海魚などの魚は、自分の体にくらべて、ずっと大きなものを飲み込めるのです。
カエルの仲間は、しっかりした胸骨にくらべ、ろっ骨はあまり発達していません。
鳥や獣の仲間は、よく発達した胸骨をもっています。
とくに鳥では、胸骨の表面に竜骨突起というものが飛び出ていて、ここに翼を動かす筋肉が、しっかりついています。
背骨の上には、たくさんの骨がかみ合わさってできた頭骨がのっています。
頭骨は、脳・目・鼻などを守っています。
そして、後頭部には、背骨につながるために、か状突起、または後頭関突起というものがあります。
この突起の数は、動物の種類によって違います。
ヘビや鳥の仲間では1つ、獣やカエルの仲間では2つあります。
脊椎動物の骨ぐみのうち、もう1つ大切なものは、足をつくっている骨です。
魚では、足がないかわりに、背・胸・腹・尻・尾にひれをもっていますが、その骨ぐみは、皮膚などから、かわってできたものです。
獣・カエルなどの足は、ももの骨、すねの骨、足の甲の骨、指の骨などからできています。
鳥の足は、すねのように見えるところが、獣などり足の甲の部分にあたり、ももに見えるところが、すねの部分なのです。
そして、鳥では、ももの部分は、体の中に隠れています。
また、鳥は獣と違って、足が2本しかありませんが、これは、前足が2本とも、翼にかわってしまったからです。
ふつうのヘビでは足が見られませんが体の中にもと、うしろ足だった小さな骨のうずまっているのが、見られることがあります。