茎の形
茎は、芽・花・葉などをつけて、上へ上へと伸びていきます。
茎を手にとってみると、これらのものが、みな規則正しくついていることがわかります。
茎は、1本だけで枝わかれのしないものもありますが、たいていの植物は枝わかれしています。
枝は、わき芽が伸びたものですが長く伸びた長枝と、あまり長くならない短枝とがあります。
マツやイチョウなどの枝は、毎年、規則正しく伸びていくので前の年の葉や枝のあとを調べれば1年間に伸びた枝の長さがわかります。
芽
茎や葉・花のもとになるものをふくむものを芽と言います。
芽には、茎の先につく頂芽と、わきにつくわき芽とがあります。
そして、これらの芽の・うち、やがて花になるものを花芽、葉になるものを葉芽と言います。
また、頂芽とわき芽をふくめて定芽、茎の先や葉のわきにできる芽以外のものを不定芽とわけることもあります。
多年生の草や木は、冬を越すために芽をりん片でつつみますが、このような芽を冬芽と言います。
草などで、その年にでて冬を越さない芽は、夏芽と言います。
茎や枝が伸びるのは、芽の中に生長点というところがあって、ここでどんどん細胞か増えるからです。
ふし
風で倒されたムギなどの茎が、いく日か経つと起き上がっているのを見ることがあります。
イネ・ムギ・タケなどの単子葉植物の茎には、ところどころにふしがあります。
ふしのところは、少し太くなって、ここに葉がついています。
ふしのすぐ上には、細胞の増えるところがあるので茎が横倒しになるとここの細胞かさかんに増え、茎は、ふしのところから、起き上がることができるのです。
このように、ふしのところで細胞が増えるのは、単子葉植物の特徴です。
しかし、双子葉植物や裸子植物でも葉が茎についているところを、ふしと言います。
スギやヒノキの板などを見ると円形のふしがあります。
このふしは、幹からわかれた枝のあとです。
木のふしのところをたて切りにしてみると幹から枝のわかれる様子が、よくわかります。
草と木
草は、地上の茎が細くて、やわらかく、だいたい1年ぐらいしか生きていません。
種から芽を出して、しばらく生長すると、もう、それからは枯れるまで、あまり姿がかわりません。
イネ・ムギ・タケなどの茎は、中に穴があいていて、ところどころにふしがあり、枯れるまで太さがかわらないので、とくに、かんと言います。
木には、マツ・スギ・サクラなどのように幹が太くて高くなる高木とツツジやアジサイのように、幹のもとから、たくさんの枝を出した丈の低い低木とがあります。
つる
木や草には、つるを伸ばすものがありますが、つるといっても形はさまざまです。
つるには、まきひげ・付着根・とげなどで、ほかのものにまきつくよじのぼり茎(ブドウやツタなど)や直接、ほかのものにまきつく、まきつき茎(アサガオやヤマノイモなど)などがあります。
また、茎から出た枝が、地面をはって、ところどころで根や葉をだす走茎(オランダイチゴやヘビイチゴなど)もあります。
つるがまきつくものでも、アサガオのように左まきのものと、フジのように、右まきのものとがあります。
上から見てつるの先が時計の針と同じ方向に進むものが右まきで、これと反対のものが左まきです。
また、なかには、左右どちらにもまきつくものがあります。
茎のかわったもの
茎を大きくわけると、地上茎と地下茎になります。
地上に出て枝や葉を伸ばし、花を咲かせるのが地上茎です。
地下茎は地中に埋まっていて水分や養分をたくわえたり仲間を増やしたりする役目をします。
茎のなかには、特別のはたらきをするために、いろいろと形のかわったものがあります。
根茎
地下茎が横にはって、たくさんの根を出すもの。(タケ・ハス・スギナなど)
槐茎
地下茎に養分がたくわえられて、まるいかたまりのようになっているもの。(ジャガイモ・クワイなど)
りん茎
茎が小さくなって、葉に養分がたくわえられているもの。(タマネギ・ユリ・チューリップなど)
吸ばん
茎がほかのものに吸いついて、体を支えるはたらきをしているもの。(ツタ)
まきひげ
茎が、ほかのものにまきつく役目をしているもの。
(ヘチマ・ブドウなど)エンドウのまきひげは茎ではなく葉のかわったものです。
むかご
葉のわきの茎の一部に、養分がたくわえられてたまになったもの。(ヤマノイモ・オニユリなど)
とげ
枝があまり伸びないで先が針のようにとがったもの。(カラタチ・サイカチなど)
葉状茎
茎がひらたくなって葉のように見えるもの。(ナギイカダ・カニサボテンなど)
多肉茎
茎が水分をたくわえるように、厚くなっているもの。(サボテン)