適温
動物や植物などすべての生物には、それぞれ、成長したり活動したりするのに都合のよい温度があります。
この温度を適温と言います。生物の種類によって、適温の範囲は、それぞれ違っています。
たとえばワタの害虫のワタミゾウムシは適温の範囲が13.5度から35度です。
35度以上、または13.5度以下になると活動することができなくなります。
50度以上、または、零下4.4度以下になると、死んでしまいます。
また動物には、まわりの気温や水温がかわっても体温がいつも同じものと気温や水温がかわるにつれて体温がかわるものとがあります。
しかし、どちらの動物でも体温のほうが、まわりの温度より、いくらか高いのがふつうです。
変温動物
鳥や獣以外の動物たちは、まわりの温度がかわると体温もいっしょに、上がったり、下がったりします。
こういう動物を、変温動物と言います。
変温動物では冬になって、まわりの温度が0度ぐらいに下がると体温も0度ちかくにまで下がってしまいます。
そうなるとどの動物でも、生きていくための活動が、ほとんど、止まってしまいます。
恒温動物
私たち人間をはじめ、獣や、鳥たちは、まわりの温度がかわっても、だいたい1年中、気温より少し高い、決まった体温を保ち続けています。
それで、獣や鳥を、恒温動物または定温動物と言います。
このような恒温動物では食べ物が体の中で消化されると生きていくのに必要な熱を生みだします。
そのうえ、もって生まれた毛や羽根が、衣服のかわりになって体温を逃がさないようにしているので、食べ物さえなくならなければ寒い日でも、元気に活動できるのです。
しかし、恒温動物でも冬になると、いくらか体温の下がる動物もあります。
冬眠
気温や水温が下がると、自分の体温もいっしょに下がる動物は、そのままでは、凍え死ぬことがあります。
そのために、動物たちは、いろいろな方法で冬越しをするのですが冬眠はその1つの方法なのです。
ちょうど、人間が眠っているように冬のあいだ中、食物もとらずに、じっとして活動をやめ、体のはたらきも劣らせ余計な体力を使わないで冬を越すありさまを冬眠というのです。
冬眠をする動物は、冬が近づくと、あまり温度の下がらないような場所を探しそこで深い眠りに入るわけです。
そうして、寒い冬のあいだは、生きているのが死んでいるのか、わからないような様子をしていますが、春になると元気をとりもどし、また活動をはじめます。