鳥の育ちかた
鳥のたまごの中には、はいばんというものがあります。
巣の中で、親鳥の体温によってたまごがあたためられるとはいばんは卵黄(黄身)を栄養分としてだんだん発生が進みひなになります。
しかし、鳥のたまごにも、親鳥があたためないでヘビやトカゲのたまごのように土の中であたためられるものがあります。
南洋にいるツカツクリという鳥は、砂と草を集めて小さな山をつくり、その上のほうにたまごを生みます。
たまごは、太陽熱と草が腐るときにでる熱とであたためられ、ひなになります。
ひなのふ化
たまごからひなになることをふ化と言います。
鳥のひなは、たまごの中にいるときから鳴き出して自分のくちばしで中から殻を破って生まれてきます。
親鳥も、くちばしで殻を破るのを手伝ってやります。
かえったばかりのひなは羽根がはえそろわず外の空気に冷えやすいので親鳥は、まだしばらくのあいだ、あたためてやらなければなりません。
ひなの食物
鳥は、獣と違い、乳を飲ませてひなを育てるわけにはいきません。
ですから、親鳥は、せっせとえさを運んでやらなければなりません。
いつも、穀物や木の実を食べている鳥でも、ひなには栄養分が多く消化のいい昆虫の幼虫などをあたえます。
ハ卜は、自分の食べた果実や種などを飲み込んで消化してからまるで、乳のような液にしてひなに与えます。
こうして、巣の中で充分発育して飛べるようになると、ひなは独り立ちするようになります。
しかし、チドリのひなは、たまごからかえってから数時間経つといっせいに巣をはなれて、母鳥とつれだって、えさを探しに歩きまわります。
キジのひなは、かえるとすぐ歩きだして自分でえさを探しまわるので、ちっとも母鳥の世話になりません。
カッコウやホトトギスのひな
カッコウ・ホトトギス・ジュクイチなどは自分で巣をつくらないで、ほかの小鳥の巣にたまごを生んで、あとは知らん顔です。
かり親の小鳥は、自分の留守のあいだに生みおとされた、このたまごに気づかないで、自分のたまごといっしょにあたためます。
カッコウなどのたまごは、いつも決まって小鳥のたまごより先にかえり、そのひなは巣の中の小鳥のたまごを、みな巣の外へ放り出してしまいます。
小鳥は、このカッコウのひなを、自分の子と思って育てるのです。