純水の電離
純粋な水も、ごくわずかですが水素イオンと水酸イオンとに電離しています。
この場合、水1分子から水素イオンと水酸イオンが1つずつできるので水素イオンと水酸イオンの数は等しくなります。
このことを、水素イオンの濃度と水酸イオンの濃度が等しいといいます。
水素イオンの濃度と水酸イオンの濃度とが等しいときには酸性と塩基性が、互いに打ち消しあうのでどちらの性質もあらわれません。
ところが、純粋な水に酸を加えると酸の電離によって、水素イオンが増えるので水素イオンの濃度が水酸イオンの濃度より大きくなります。
そのため、溶液は酸性をしめすようになります。
また、純粋な水に塩基を加えると逆に、水酸イオンの濃度が水素イオンの濃度より大きくなって溶液は塩基性をしめすようになります。
水素イオン濃度と水酸イオン濃度の関係
水素イオン濃度と水酸イオン濃度とのあいだにはいっぽうが増えるるといっぽうは減るという関係があります。
そして、その関係は、いっぽうが倍になるといっぽうは半分になるという、規則正しいものです。
つまり、水素イオン濃度と水酸イオン濃度をかけあわせたものはいつも一定になるわけです。
このことは、水素イオン濃度を「H+]、水酸イオン濃度をOH–]であらわすと上の式のようになります。
この式からもわかるように、水素イオン濃度が決まるとひとりでに水酸イオン濃度も決まっててしまい
どちらかいっぽうの濃度だけをかえることはできません。
つまり、酸性・塩基性の強さは、水素イオン濃度だけであらわすことができます。